那須の別荘地を相続した、あるいはバブル期に買ったまま持っている。使っていないのに管理費と固定資産税だけが毎年出ていく。そういうご相談を多くいただきます。この記事では、なぜ費用が止まらないのか、那須町で使える制度は何か、手放すにはどうするかを整理します。
費用が止まらない仕組み

使っていなくてもかかる
管理会社が行っているのは、道路や排水設備といった別荘地全体の維持です。個々の区画を使っているかどうかとは、直接関係しません。建物のない更地でも同じです。
契約していなくてもかかる
ここが2025年に大きく変わりました。
最高裁第一小法廷は令和7年6月30日、栃木県那須塩原市の別荘地について、
管理契約を結んでいない土地所有者にも管理費相当額の不当利得返還義務があるとの判断を示しました。
理由として、道路や排水設備の管理は別荘地全体の基盤を支えるもので特定の区画だけを対象外にすることが難しいこと、
建物がなく利用していなくても別荘地としての機能や環境が維持されていること自体が所有者の利益になること、
他の所有者が負担している中で契約していない者だけが免れるのは不公平であることが挙げられています。
「契約していないから払わない」という考え方は、通りにくくなっています。
那須の別荘地についての判断です。同じ地域で同じ悩みを抱えている方には、直接関わります。
那須町で使える制度
那須町特定空家等解体費補助金があります(町の公式ページより)。
| 内容 | |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象事業に要する費用の2分の1(1,000円未満切り捨て) |
| 上限 | 50万円(予算の範囲内) |
| 対象 | 那須町空き家対策審議会に特定空家等と認定されたもの |
| 業者の条件 | 町内に事務所または事業所を有する業者に請け負わせる工事であること |
| 手続き | まず事前調査の申込(様式2号)。認定を経て交付申請(様式第4号) |
| 窓口 | ふるさと定住課 リビングシフト推進室 住宅政策係 0287-72-6955 |
注意点が2つあります。
① 特定空家等に認定されなければ使えません。「古い建物」というだけでは対象になりません。
② 町内業者に限られます。県外の解体業者に頼むと補助が受けられません。
まず事前調査の申込から始まるので、解体を考えるなら早めに窓口へ相談してください。
なお、建物のない土地には使えません。別荘地の更地を持っている場合は、この制度の対象外です。
那須町の空き家バンクも使えます
建物がある場合、那須町空き家バンク事業に登録するという道もあります。売りたい・貸したい所有者の情報を町が登録し、町のサイトで利用希望者に公開する仕組みです。
登録に費用はかからないのが通常なので、他の道と並行して進められます。
売主側から見た利点は、買い手の層が違うことです。
那須町は移住・定住の支援に力を入れており、空き家バンク経由で物件を買って移住する方には
リフォーム補助金(那須町空き家バンク登録建物リフォーム補助金)が用意されています。
買う側に補助が出るぶん、通常の市場より動きやすくなることがあります。
ただし時間はかかります。登録すればすぐ売れるというものではないので、期限がある事情がある場合は、他の道と並行して進めてください。窓口は那須町空き家相談窓口です。
手放す道は、名義を動かすことだけ
「もういらない」と管理会社に伝えても、費用は止まりません。日本の法律には土地の所有権を一方的に放棄する仕組みがなく、名義が自分にある限り、管理費も固定資産税も続きます。
止める方法は3つです。
- 売る……買い手が見つかれば、そこで費用が止まります
- 譲る……無償でも、引き受ける相手が要ります。管理費の負担も引き継ぐことになるため、受け手が限られます
- 相続土地国庫帰属制度……相続で取得した土地に限られ、要件が厳しく負担金も必要です(詳しくはこちら)
那須の別荘地が売りにくい理由
- 管理費という固定費が付いてくるため、無償でも引き受け手が限られる
- 建て替えや利用の制限が管理規約で定められていることがある
- 別荘地の市場そのものが動きにくく、扱える不動産会社が限られる
「売れない」と言われた経験がある方も多いと思います。仲介では、価格が低いと報酬が手間に見合わないため引き受けにくい——という構造の問題もあります(山林だけ断られる理由に詳しく書きました)。
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(地番と評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 管理会社の名前と、管理費の額・支払い状況(滞納があればその旨も)
- 建物があるかどうか、ある場合はその状態
- 管理規約が手元にあれば(無くても構いません)
滞納があること自体で、お断りすることはありません。ただし滞納額や規約の内容で条件が変わるため、正直にお聞かせいただくほうが話が早く進みます。
当社は別荘地を現況のまま扱っています。草刈りも解体も、売主様に先にご負担いただく必要はありません。役所調査も管理会社への確認も当社で行いますので、現地に行っていただく必要もありません。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。滞納額、規約、区画の条件によっては難しいことがあります。その場合も、なぜ難しいのかとほかにどんな道があるのかはお伝えします。
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