浜松市の空き家解体補助金|売れないと判定された家だけ

解体途中で瓦礫が散乱した和室

浜松市の空き家解体補助金は、老朽化した空き家なら申し込めるという制度ではありません。不動産の業界団体から「取引(売却)不可能」と判定された建物だけが対象です。補助額は解体費用の3分の1(最大50万円)で、事前相談は先着順、定員20名とされています。

この記事では、市が公表している16の要件のうちつまずきやすいものを先に挙げ、対象から外れたときや間に合わなかったときにどうするかまで書きます。情報は市のページ(更新日2026年4月1日)にもとづくもので、受付中かどうかと残りの枠は市民生活課へご確認ください(053-457-2231)。

目次

浜松市の空き家解体補助金は、いくら出ますか?

解体費用の3分の1、最大50万円です。

ただし、金額の前に知っておいたほうがよいことがあります。残置物の処分費は、この補助の対象に入っていません。

市は解体工事業者に向けた案内で、次のように書いています。

家具、食器等の一般廃棄物の処理費用は補助の対象とはなりません。同じ事業者で行う場合でも、見積書を分けて作成ください。

「解体費用」と「片付け費用」は別勘定です。家の中に家財が残ったままの空き家では、処分費が数十万円になることも珍しくありません。補助が出る部分と出ない部分を分けて見積もりを取らないと、資金の見通しが崩れます。

いちばん大きな要件は「売却不可能と判定されること」

浜松市の要件の1番目は、他の市ではあまり見ない形をしています。

(公社)全日本不動産協会静岡県本部により取引(売却)不可能と判断される物件であること

※事前相談書類受付後、市から(公社)全日本不動産協会静岡県本部へ判定を依頼します。

※取引の可否が判断されるのは建物のみです(土地は評価の対象ではありません)。

つまり、「この建物は売れない」と第三者に認められることが、補助の入口になっています。

判定するのは市ではなく不動産の業界団体です。そして、判定されるのは建物だけで、土地の値段は見られません。

この制度の考え方は「まず売れるか確かめる。売れないなら壊す費用を助ける」です。
逆に言えば、建物に取引の可能性が残っていると判定されれば、補助は出ません。そのときは補助金を待つのではなく、売る側の話として進めたほうが早いことになります。

「売れる」と判定されて補助が使えなかったとしても、それは悪い知らせではありません。壊す必要がなかった、という意味だからです。

浜松市の空き家解体補助金の進み方
事前相談から補助金の受け取りまで

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

相続登記が終わっていないと、入口に立てません

要件のうち、相続に関わるものが2つあります。

要件(市のページから)何を意味するか
相続人又は受遺者が所有者又は共有者として建物の登記がされている空き家であること相続登記が済んでいること。建物の登記全部事項証明書で確認されます
令和4年12月31日以前に相続又は遺贈が発生していること最近相続したばかりの家は対象になりません

名義が亡くなった方のままだと、浜松市では申請できません。

ここは自治体によって扱いが分かれるところです。相続人であれば申請を認める市もあれば、浜松市のように登記まで済んでいることを求める市もあります。同じ「空き家の解体補助金」でも、入口の高さが違います。

相続登記=亡くなった方の名義を、相続した人の名義に書き換える手続きのこと。2024年4月から義務化されていますが、義務化の前に相続した不動産も対象です。手続きや費用については司法書士へご相談ください。

抵当権が残っている家と、親族が建て直す予定の土地は外れます

つまずきやすい要件が、あと2つあります。

  • 抵当権などが登記に残っている空き家(要件:空き家等に抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権等所有権以外の権利設定がないこと)
  • 更地にしたあと、身内が建物を建てる予定の土地(要件:申請者、申請者の配偶者、六親等以内の血族若しくは三親等以内の姻族が建築物を建てないこと)

1つ目は、完済していても油断できません。支払いが終わっても、抹消の登記をしなければ抵当権は登記簿に残り続けます。何十年も前に返し終えた住宅ローンがそのまま載っている、というのはよくある話です。

2つ目は、この補助金の性格をよく表している要件です。第5号様式として専用の誓約書が用意されています。

六親等以内の血族はかなり広い範囲です。いとこの孫まで入ります。「更地にして、いずれ子どもか甥に建ててもらう」という予定があるなら、この補助金は選びにくいことになります。

そのほかの主な要件(市のページより)

  • 昭和56年5月31日以前に建築済み、または建築確認済みであった空き家
  • 申請日から過去1年間空き家であること(住民票等で確認)
  • 一戸建て住宅であること。長屋・共同住宅は対象外
  • 自然人が所有していること(法人は対象外。所有者・共有者全員が自然人であること)
  • 申請者・共有者が浜松市税を完納していること
  • 共有者全員の同意を得ていること
  • 解体工事によって更地にする予定であること(小屋・立ち木などの附属物も併せて除却)

事前相談はいつまでですか?

令和8年4月20日から令和8年12月25日必着です。ただし、先着順で定員20名とされています。

市のページの書き方を、そのまま引用します。

先着順で仮受付します。

先着順(定員20名)により締め切られた場合等でも手続きに要した費用は自己負担となります。

12月25日という日付より先に、20名で締め切られる可能性があります。

そして、外れても費用は戻りません。事前相談の段階で登記事項証明書などを取り寄せていれば、その実費は自己負担です。

残りの枠がいくつあるかは、市のページには書かれていません。これから動くなら、書類を集め始める前に市民生活課(053-457-2231)へ電話し、いま受け付けているか・枠が残っているかを確かめてください。

手続きは、事前相談の書類を市民生活課へ送るところから始まります。事前相談の結果、対象になった方にだけ申請の案内が郵送されます。自分から申請書を出す制度ではありません。

補助が使えないとき、壊さずに手放す道があります

ここまでの要件を読んで、自分の空き家は当てはまらないと感じた方も多いと思います。実際、次のどれか1つで外れます。

  • 名義が亡くなった方のまま
  • 抵当権が登記に残っている
  • 相続が令和5年以降だった
  • 昭和56年6月以降の建築
  • 長屋・共同住宅
  • 20名の枠に間に合わなかった
外れやすい形と、外れても残っている道
浜松市の要件で外れやすい形と、そのあとに残る道

このとき、選択肢は「自費で壊す」だけではありません。

補助金の要件をもう一度見てください。建物が「売却不可能」と判定されることが入口でした。ということは、建物に取引の可能性があるなら、壊さずに手放す道が先にあるということでもあります。

当社は、建物の状態と築年数を確認したうえで、現況のままお引き受けできるかを判断しています。片付け・解体・測量をしていただく必要はありません。再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはしていません。調査は当社で行いますので、売主に調べていただくことはありません。

もちろん、すべてが成立するわけではありません。ご希望の金額との開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合は、成立しないこともあります。個別の判断になります。

順番だけ、間違えないでください。先に解体してしまうと、補助金も、建物ごと手放す道も、どちらも消えます。浜松市の要件にも「解体工事によって更地にする予定であること」とあり、補助は壊す前に決まる制度です。

なお、解体補助金の要件が自治体ごとにどう違うのかは、空き家の解体補助金は自治体で条件が違う|対象外になる5つの型もあわせてご覧ください。

確かめる順番

  • 登記を先に見る。建物の名義と、抵当権が残っていないかを確かめる(要件2・16に直結します)
  • 市民生活課へ電話する(053-457-2231)。受付中か、枠が残っているかを聞く
  • 更地にしたあと、身内が建てる予定があるかを家族で確認する。あるなら、この補助金は使えません
  • 片付け費用を別に見積もる。家具・食器の処分費は補助の対象外です
  • 壊す前に、建物ごと手放す道があるかを確かめる。補助の要件自体が「建物が売れないこと」を入口にしています

災害のあとや補助金の受付が始まった時期には、解体や修理を持ちかける訪問営業が増えます。その場で契約せず、書面を持ち帰って複数の見積もりと比べてください。補助の対象かどうかを決めるのは市と判定機関であって、業者ではありません。

出典(浜松市の公式ページ):浜松市空き家解体補助金(浜松市空家等除却促進事業費補助金)(更新日2026年4月1日)

本稿は2026年9月24日時点の公表内容にもとづきます。金額・期限・要件は変わります。申請の前に、必ず市の最新の案内をご確認ください。相続登記・抵当権の抹消など登記に関わる手続きは司法書士へ、税金の取り扱いは税理士へご確認ください。

よくある質問

浜松市の空き家解体補助金は、いくらもらえますか。

解体費用の3分の1で、最大50万円です(令和8年度)。ただし家具や食器などの一般廃棄物の処理費用は補助の対象外とされており、見積書も解体工事と分けて作るよう求められています。片付けの費用は自己負担になる前提で資金を見ておいてください。

「取引(売却)不可能と判断される物件」は、誰がどう決めるのですか。

市が決めるのではありません。事前相談の書類を受け付けたあと、市から公益社団法人全日本不動産協会静岡県本部へ判定が依頼されます。市のページには、取引の可否が判断されるのは建物のみで、土地は評価の対象ではないと書かれています。自分で「売れないはずだ」と判断しても要件を満たしたことにはなりません。

相続登記をしていない空き家でも申請できますか。

浜松市では対象外です。要件に「相続人又は受遺者が所有者又は共有者として建物の登記がされている空き家であること」とあり、建物の登記全部事項証明書で確認されます。あわせて、令和4年12月31日以前に相続または遺贈が発生していることも必要です。登記をこれから行う場合は司法書士へご相談ください。

住宅ローンが残っている空き家は対象になりますか。

浜松市の要件には「空き家等に抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権等所有権以外の権利設定がないこと」とあります。完済していても抹消の登記をしていなければ登記簿に残るため、事前相談の前に登記の状態を確認してください。抹消の手続きは司法書士へご相談ください。

補助を受けて更地にしたあと、その土地に子どもが家を建てられますか。

建てられません。要件に「解体工事によって更地になった土地に申請者、申請者の配偶者、六親等以内の血族若しくは三親等以内の姻族が建築物を建てないこと」とあり、第5号様式の誓約書の提出が求められます。将来ご家族が建てる可能性があるなら、この補助金は選びにくい制度です。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

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お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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