カビが生えた家は直さず売れる?湿気・結露で傷んだ家の手放し方

カビが広がった天井

カビが生えた家は、除去や修繕をしなくても、現況のまま売る道があります。分かれ目はカビの量より、原因と範囲が分かるかどうかです。この記事では、売れにくい理由、除去工事の限界、告知の考え方、費用を先に出さずに手放す道を順に整理します。

売れるのか:カビがあるだけで、売れなくなると決まるわけではありません。買主には原因と修繕費が見えにくいため、売り先が狭まりやすい、という話です。
先にやらないこと:原因が分からないまま、除去や防カビの工事を契約すること。
費用を先に出さずに済む道:除去も修繕もせず、現況のまま買い取れるかを相談する道があります。

目次

なぜ、カビが生えた家は普通に売れにくいのか

カビは、見えている部分が全部とは限りません。壁の中や床下まで湿気が回っていると、表面を拭いても範囲が分かりません。

買主が嫌うのは、カビそのものよりも「どこまで傷んでいるか分からない」ことです。

買主が気にする点理由
原因雨漏り、水漏れ、換気不足、結露のどれかで、直す範囲と費用が変わる
範囲室内の表面だけか、壁内・床下・天井裏まで及ぶかで見方が変わる
におい内見の第一印象で伝わり、除いても残ることがある
木部の傷み湿気が続くと、土台や柱の腐れにつながることがある
修繕費の見通し金額が読めない物件は、融資や購入の判断が止まりやすい

人が住まなくなった家は、窓や戸を開ける機会が減り、湿気がこもりやすくなります。

カビの原因を見分ける手がかり

原因によって、直す場所も費用も変わります。出ている場所から、ある程度の見当はつけられます。

出ている場所考えられる原因見分ける手がかり
北側の壁、窓まわり、押入れやクローゼットの奥結露外に面した壁の内側に出やすい。冬に窓や壁が濡れていた記憶があれば結露の可能性がある
天井、上の階の真下、壁の上のほう雨漏り天井や壁にしみがある。雨のあとに広がる、色が濃くなる
台所・浴室・洗面・トイレのまわりの床や壁水まわりの水漏れ雨と関係なく湿っている。床がふかふかする、水道を使ったあとに濡れる
1階の床全体、畳の裏床下の湿気1階だけがかび臭い。畳を上げると裏が黒ずんでいる

あくまで見当で、原因が重なっていることもあります。はっきりさせたいときは、建築士による既存住宅状況調査(インスペクション)を頼む方法があります。

国土交通大臣の登録を受けた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が行うもので、木造の家では、床下を含めて腐朽などがないか、内壁・天井・小屋組に雨漏りの跡がないかを調べる基準になっています。

ただし原則として壊さずに見る調査で、家具で隠れた部分や点検口のない部分は「調査できない」と記録されます。配管などの設備は、基準で定めた調査の対象に入っていません(国土交通省「既存住宅状況調査方法基準の解説」)。

水漏れが疑われるときは、水道の工事業者にも見てもらうことになります。

カビが出る家の原因の見分け方
原因で、直す範囲と費用が分かれる

雨漏りが原因のときは、雨漏りのある家は現状で売れる?が参考になります。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

カビの広がり方で、売り方の考え方が変わる

同じ「カビが生えた家」でも、どこまで広がっているかで、現実的な売り方が変わります。目安は次の3段です。

カビの状態目安売り方の考え方
表面だけ壁紙やサッシの表面に出ていて、拭けば落ちる清掃と換気で落ち着くなら、除去してから仲介で売り出す道も比べやすい。原因の結露や換気不足は、告知の中で伝える
壁紙の裏・押入れの奥まで壁紙をめくると裏が黒い。押入れの奥や家具の裏に広がり、においが残る内装の張り替えまで要ることがあり、費用が読みにくい。直さずに、状態を伝えて現況のまま仲介で売り出す道と、買取の相談を比べる
床下・土台の腐れを伴う床が沈む、ふかふかする。床下の木が黒く湿っている構造にかかわる部分の修繕になり、一般の買主には判断が難しい。現況のまま買取を相談する道が現実的になりやすい

どの段か自分で分からないときは、写真を撮っておくだけでも相談の材料になります。

自分で動く道と、その限界

自分で動く道は、大きく2つあります。除去や防カビの工事をしてから売る道と、仲介で現況のまま売り出す道です。

どちらにも、カビの家ならではの限界があります。

道先に出る費用限界
除去・防カビをして売る工事費湿気の原因が残れば再発することがある。原因の工事まで要ると費用が膨らむ
仲介で現況のまま売り出す売れるまでの税と管理費買主が見つかるまで時間がかかり、その間も維持の手間が続く。空き家のままだと、その間もカビが進むことがある

費用を先に出して直しても、売値にそのまま反映されるとは限りません。直す前に、売ると決めているのか、住む人がいるのかを先に整理しておくと、無駄な出費を避けやすくなります。

売り出している間に、湿気を悪化させない手当て

空き家のまま売り出すなら、最低限の手当てで進み方をゆるめられることがあります。

  • 訪れたときは窓と戸を開けて、家の中に風を通す
  • 押入れ・クローゼット・収納の戸を開けたままにしておく
  • 水道を少し流して、排水口の水を入れ替える(排水口の水が乾くと、下水のにおいが上がってくることがある)
  • 濡れた跡や、しみの広がりを写真で残しておく(告知のメモにも使える)

遠方で通えない場合は、こうした手当ても続けにくくなります。その場合は、売り出す期間を長く取らない道も比べてみてください。

カビの家を手放す3つの道
先に出る費用で、選ぶ道が分かれる

売る方法の違いは、買取と仲介の違いで整理しています。売れない不動産全体の手放し方は、いらない土地の処分方法にまとめています。

売るときに、カビのことをどう伝えるか

カビがあると知っている以上、現況のまま売る場合でも、伝えることが前提です。責任を負わない特約をしても、売主が「知りながら告げなかった事実」については責任を免れないと定められています(民法572条)。

引き渡した建物が契約の内容に適合しないとき、買主は修補などを請求できます(同562条)。

カビの場合は、いま見えているものだけでなく、次の3点で迷いやすくなります。

迷いやすい点考え方
除去済みで、いまは見えない過去にカビが出ていた事実と、除去した時期・方法を伝える。原因が残っていれば、再発することがある
一度除去したが、また出た再発したこと自体が、原因が残っている手がかりになる。何回、どこに出たかを伝える
カビは見えないが、においが残る内見で気づかれることがある。においがあること、どの部屋かを伝えておく

伝える内容は、次のメモにまとめておくと整理しやすくなります。

メモに残すこと内容の例
気づいた時期いつ、何をきっかけに見つけたか
場所と範囲部屋、壁、床、押入れなど。写真つき
原因の心当たり雨漏り、水漏れ、結露の有無
やったこと拭き取り、除去工事、換気など、すでにした対処と時期
その後再発したか、においが残っているか

現況渡しの考え方は、現況渡しとはで説明しています。

放っておくと、どうなるのか

湿気とカビを放置すると、傷みが進んで修繕費が増えることがあります。建物が傷めば、売り先もさらに狭まります。

自治体の側にも関係があります。空家法13条は、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家を管理不全空家等とし、市町村長が指導や勧告をできると定めています。

カビだけで直ちに該当するわけではありません。ただ、勧告を受けた管理不全空家等の敷地は、固定資産税の住宅用地の特例から外れる定めがあります(地方税法349条の3の2)。税の扱いは、空き家を放置するとどうなるで説明しています。

遠方で見に行けない場合は、遠方の実家を管理できないもあわせてご覧ください。

当社の扱いと、確認する点

当社は、除去も修繕も片付けもしていない状態の相談を、訳あり物件の買取相談として受け付けています。カビの原因や範囲の調査は当社で行いますので、売主様ご自身が業者を探す必要はありません。

確認するのは、次の点です。

  • カビの範囲(室内の表面だけか、床下や壁内まで及ぶか)と、原因の心当たり
  • 建物の状態と築年数、木部の傷み
  • 土地の条件(接道、権利関係)と、残置物の有無

傷みが大きく買取の価格がつかない場合は、買取ではなく、売主様にお引き受けする形をご提案することもあります。お引き受けできるかは物件ごとの個別の判断で、条件によっては成立しないこともあります。

カビが生えた家を、そのまま手放すという選択

除去の見積もりを取る前に、現況のまま相談してみる。これが、無駄な出費を避けやすい順番です。

遠方でも、現地にお越しいただかずに契約から決済まで進められます。ご相談への返事は翌営業日までにお返しします。

カビ除去や防カビ工事をする前に、そのままの状態で聞いてみてください。所在地と、気になっている箇所の写真があれば、お知らせいただけます。

税務や法務の判断は、税理士・司法書士・弁護士にご確認ください。

よくある質問

カビが生えた家は、除去しないと売れませんか。

除去しないと売れないと決まっているわけではありません。カビの範囲や原因が分からないと買主が判断しにくいため、売り先が狭まりやすい、という話です。除去してから売る道と、現況のまま売る道があります。

カビを業者に除去してもらえば、売りやすくなりますか。

表面のカビを除いても、湿気や水の入り込みという原因が残っていれば再発することがあります。工事の後も売れるとは限らないため、先に費用を出す前に、原因と範囲を見てもらうのが先です。

カビがあることを黙って売ったら、どうなりますか。

民法572条は、売主が知りながら告げなかった事実について、責任を負わない特約をしても免れないと定めています。知っていることは買主に伝えるのが前提です。個別の判断は弁護士にご確認ください。

カビが生えただけで、空き家が特定空家等になりますか。

カビだけで該当するとは決まっていません。空家法は、適切な管理がされず放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家を管理不全空家等とし、市町村長が指導・勧告できると定めています。実際の判断は自治体が行います。

カビが生えた家を、現況のまま買い取ってもらえますか。

カビがあることだけで可否を決めることはありません。カビの範囲、原因、建物の状態と築年数、土地の条件を確認したうえで、個別に判断します。除去や片付けを先にしていただく必要はありません。条件によっては成立しないこともあります。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

このような物件のご相談は、訳あり不動産の買取相談のページへ。

「売れない」と言われた不動産を、どうするか

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片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。

資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

どこで断られたかを伺うことはしません。断られた理由の方が、判断に必要です。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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