竹林が広がった土地は売れる?伐採せず現況で手放す道

倒れた竹が積み重なる荒れた竹林の小道

隣の畑や道路まで竹が出てきて、近所から「どうにかして」と言われている。親から竹林を相続したが、奥は竹が密集して入ることもできない。そういう荒れた竹林の土地は、伐採をしなくても、現況のまま手放す道があります。

分かれ目は竹の量より、境の位置と隣地への広がりが分かるかどうかです。

竹林が荒れているだけで、売れなくなると決まるわけではありません。買主には境の位置も伐採の手間も見えにくいので、売り先が狭まりやすい、という話です。

この土地を売る前に、地目と現況、境の目印、隣地へのはみ出しの3点を押さえておくと、どの道を選んでもむだが出にくくなります。

目次

なぜ、荒れた竹林は普通に売れにくいのか

竹は地下茎で広がります。放っておくと、隣の土地や道路、畑にまで入り込みます。

買主が迷うのは、竹の量そのものより、どこまでが自分の土地で、どこまで竹を切れば使えるのか分からないことです。

買主が気にする点理由
境の位置竹が密集して、境界の目印や現地の形が見えない
伐採の手間竹は量が多く、搬出や処分に手間がかかり、金額が読めない
広がり地上の竹を切っても、地下茎が残ればまた生えてくる
隣地との関係根や竹が隣へ出ていると、買った後にやり取りが残る
使い道建てるにも、耕すにも、伐採と整地が要る

人が入らなくなった土地は、竹が一気に広がり、現地に近づくこと自体が難しくなります。

隣へ出た根や竹は、法律でどう扱われるのか

隣地の竹木の枝が境界線を越えるとき、土地の所有者は、その竹木の所有者に枝を切除させることができると、民法233条1項が定めています(民法233条)。根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができます(同条4項)。

さらに同条3項は、次のどれかに当たるとき、隣の土地の所有者が自分で枝を切り取ることができると定めています。

  • 竹木の所有者に切除を求めたのに、相当の期間内に切除しないとき
  • 竹木の所有者を知ることができない、またはその所在を知ることができないとき
  • 急迫の事情があるとき

竹は枝よりも地下茎で広がるので、隣との間で話題になるのは地下から入る越境です。ただ、233条の語は枝と根だけで、地下茎が4項の「根」に当たるかは条文に書かれていません。

根にあたる部分は、切除を求める手順を踏まなくても、隣の方が越えた部分を自分で切り取れます(4項)。隣地に生えた竹そのものの扱いは、事情で変わるので弁護士に確かめてください。

自分の竹林が隣へ広がっているなら、隣の方から切除を求められる側、あるいは竹の根を切り取られる側になります。相続して間もなく、隣の方が持ち主を調べようがない竹林では、3項2号の場面になることもあります。切り取りにかかった費用をどちらが持つかは233条に書かれていないため、隣の方との話し合いになりやすく、もめたときは弁護士に相談してください。売る前に隣の方と話がついていないと、売却後の問題として残りがちです。

竹林は「森林」に当たることがある

森林法2条は、木竹が集団して生育している土地とその上の立木竹を「森林」と定めています。農地や住宅地として使われる土地は除かれます(森林法2条)。

地域森林計画の対象の民有林を新たに取得した人は、同法10条の7の2により、市町村長への届出が必要です。国土利用計画法23条1項の届出をしたときは、この届出は要りません(同条ただし書)。届出をするのは取得する側です。

対象の森林かどうかは、所在地の地番を持って市町村の森林担当課で聞きます。

市町村は林地台帳に記載された事項を公表することになっており(同法191条の4・191条の5)、対象の森林かどうかは窓口で調べられます。届出の考え方は、山林を相続したら森林の土地の所有者届出は要るで説明しています。

荒れた竹林で、売る前に見る3つの点
現況・境・隣地の3点を整理する

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

自分で動く道と、その限界

自分で動く道は、大きく3つあります。竹を伐採して整地してから売る道、仲介で現況のまま売り出す道、隣の土地の所有者に買ってもらえないか打診する道です。

道限界
伐採してから売る地下茎が残ると、また生えてくる。広い土地では手間も金額も膨らむ
仲介で現況のまま売り出す買主が見つかりにくく、売れるまでの税と管理が続き、その間も竹は広がる
隣の土地の所有者に打診する竹の越境に困っている相手なら乗ってくれる可能性がある。ただ、相手に買う理由と余力がなければ進まない

隣の方は、竹が自分の土地へ出てくることに一番困っている相手でもあります。土地を自分のものにすれば、切除を求める相手を探す手間もなくなります。それまでの経緯で関係がこじれていると、切り出しにくいのが実際のところです。

伐採を頼む前に、見ておくこと

伐採は、見積もりを取らないと金額が分かりません。開きが出やすいのは、竹の本数と太さ、車や重機が入れるか、切った竹を現地で砕くか持ち出すかの3点です。自治体によっては伐採に補助金を出していますが、制度の有無も条件も異なります。

契約や着工の前に申請が要る場合があるので、伐採を頼む前に補助金の募集要項で申請の順番を読んでおきます。

補助を受けて伐ってから売るなら、転用と返還の条件も読みます。鳥取県の竹林整備事業費補助金交付要綱6条2項は、協定期間中の転用を、売り渡した後の転用も含めて、事前の届出と補助金の返還の対象にしています。

竹が混じる雑木や杉が立っている竹林では、伐採の前に、森林担当課の案内を見ておきます。地域森林計画の対象の民有林で立木を切るときは、あらかじめ市町村長への届出が必要です(森林法10条の8)。

同条には除外の定めもあるので、当てはまるかは森林担当課で聞きます。保安林なら、立竹を切るにも都道府県知事の許可が要ります(同法34条2項)。保安林かどうかも、同じ課で分かります。

もう1つ、竹林ならではの点があります。竹は地下茎でつながっているため、地上の竹を切っても、地下茎が残っていれば、また新しい竹が生えてきます。1回で終わらず、その後も刈り取りが続きます。

買主の目には、伐採して見た目が整っても「この先も手入れが続く土地」のままです。伐採にかけた分だけ売れる条件がよくなるとは限りません。

見積もりを頼む前に、登記の地目と現地の使われ方、竹が隣地や道路や水路にはみ出していないか、現地まで車が入れるか、の3点は手元で整理しておけます。

竹林になった田や畑は、農地かどうかが別に決まる

登記の地目が田や畑のままで、現地が竹林になっている土地は少なくありません。農地法2条1項は、農地を「耕作の目的に供される土地」と定めています(農地法2条)。登記の地目の名前で決まるのではなく、現地がどう使われているかで見る考え方です。

竹が茂って耕作に使えない状態でも、農地として扱われるのか、そうでないのかは、市町村の農業委員会が判断する範囲です。非農地の扱いになるかどうかの手続きや必要な書類は自治体で違います。農地の扱いのままだと、売り方にも制限がかかります。

竹林になった田畑は、売り出す前に農業委員会事務局へ現況の写真を見せて、扱いを確かめます。

荒れた竹林を手放す道
道ごとに、進み方と行き詰まりが違う

山林や原野の手放し方は、山林・原野・別荘地を手放したいで整理しています。売る方法の違いは、買取と仲介の違いをご覧ください。

売るときに、竹林のことをどう伝えるか

隣地への広がりや、境が分からないことを知っているなら、現況のまま売る場合でも、伝えるのが前提です。現況渡しにしても、売主の責任が消えない場面があります。考え方は、現況渡しとはで説明しています。

伝える材料は、場所と広さ(登記簿の面積と、写真つきの現地の様子)、竹が隣地や道路へ出ているか、いつごろからか、境の杭や石が見つかるか、車が入れるか、隣の方から言われたことがあるか、あたりです。メモにしておくと、仲介でも当社のような相談先でも、話が進みます。

放っておくと、どうなるのか

竹林は、放っておくほど広がり、伐採の難しさも増します。隣地や道路へ出れば、近所から草刈りや竹の始末を求める連絡が来ます。そのとき、持ち主の連絡先が分からないと、隣の方は役所に相談することになりがちです。

役所から連絡が届いたら、現況の写真と、いつからの状態かを返せるようにしておきます。

山林や原野は、売れないまま持ち続けると、税や管理の負担が続きます。使わない山林の税については、使わない山林の固定資産税を止めるにはで説明しています。国の制度で手放せるかを知りたい場合は、相続土地国庫帰属制度で山林は手放せるかが参考になります。

当社の扱いと、見る点

当社には、宅地の空き家だけでなく、山林・原野・農地の相談が届きます。いくらで売れるかより、持ち続ける負担を止めたいという声が目立ちます。

竹林の案件ではありませんが、島根県川本町では、約3万5千㎡の山林等が付いた家を、境界が明示されていないまま現況でお引き受けしました(川本町の事例)。

他で断られた山林でも、引き受けられる場合があります。竹林を含む土地は、現況を見たうえで個別に判断します。伐採や整地をしていただく必要はなく、現況のまま見ます。

現地や権利の調査は当社で行うので、売主様ご自身が業者を探す必要はありません。買取でお引き受けできる物件もあります。

見るのは、次の点です。

  • 登記の地目と現況(山林か、農地の扱いか)、面積
  • 現地までの道、接道、境界の目印、隣地との関係
  • 権利関係(共有、抵当権、相続登記の状況)

お引き受けできるかは物件ごとの個別の判断で、条件によっては成立しないこともあります。

竹の伐採を頼む前に、一度ご相談ください

荒れた竹林は、伐採を頼む前に、現況のまま相談してみる順番もあります。所在地と現地の写真があれば、相談できます。返事は翌営業日までです。相談の入口は訳あり不動産の買取相談のページです。

税務や法務の判断は、税理士・司法書士・弁護士に相談してください。

よくある質問

竹林が荒れた土地は、竹を切らないと売れませんか。

切らないと売れないと決まっているわけではありません。ただ、竹が密集していると境や形が見えにくく、買主が付きにくくなります。伐採してから売る道と、現況のまま売る道があります。

伐採を頼む前に、境と隣地への広がりを整理しておくと、どちらを選ぶ場合も進めやすくなります。

隣から「竹をどうにかしろ」と言われました。切らないといけませんか。

民法233条1項は、枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に切除させることができると定めています。根は同条4項により、越えた部分を隣の方が自分で切り取れます。

求めても相当の期間内に切除しないときなどは、同条3項で隣の方が枝を自分で切れます。どこまで切るか、費用をどうするかは条文に書かれていないため、まず現地で境と竹の出ている範囲を見て、隣の方と話をします。

条文にあるのは枝と根で、隣地に生えた竹そのものの扱いは事情で変わるので、もめそうなら弁護士に相談してください。

竹林の土地を売るとき、届出は要りますか。

森林法2条は、木竹が集団して生育している土地を森林と定めています。地域森林計画の対象の民有林を新たに取得した人は、森林法10条の7の2により、市町村長への届出が必要です(国土利用計画法23条1項の届出をしたときは不要)。

届出をするのは取得する側です。対象かどうかは市町村の林地台帳で分かります。所在地の地番を持って、森林担当課に問い合わせてください。

昔の田んぼや畑が竹林になっています。山林として売れますか。

登記の地目が田や畑のままでも、現地が竹林になっている場合があります。農地法2条1項は、農地を「耕作の目的に供される土地」と定めており、地目の名前だけでは決まりません。

現地が今も耕作に使える状態か、農地として扱われるかは、市町村の農業委員会が判断します。現況の写真を持って農業委員会事務局へ行き、扱いを確かめてください。農地の扱いなら、売り方にも制限がかかります。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

このような物件のご相談は、山林・別荘地の買取相談のページへ。地域ごとの事情は、川本町の空き家の手放し方のページにまとめています。

使っていない山林・原野・別荘地を、手放せるか

どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。

相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。

片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。

資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

現地に行ったことがなくても、地番か所在地が分かれば当社で調べます。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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