不動産の売却に必要な書類は多く見えますが、3つに分けて考えると整理できます。再発行できるもの、できないもの、無くても売れるが「あると強い」もの。権利証を無くしていても売れます。この記事では、それぞれの扱いと、無いときの代わりの方法をまとめます。
3つに分けて考える

| 例 | 無いとき | |
|---|---|---|
| 再発行できる | 登記事項証明書、固定資産評価証明書、印鑑証明書、住民票、戸籍 | 取り直せます |
| 再発行できない | 権利証(登記済証)、登記識別情報 | 代わりの方法があります |
| あると強い | 建築確認済証・検査済証、測量図、設備の保証書、リフォームの記録 | 無くても売れますが価格に影響 |
権利証を無くしても、売れます
登記済証や登記識別情報は、再発行されません。ただしそれで売却が止まるわけではありません。
- 司法書士による本人確認情報の提供……最もよく使われる方法。費用がかかります
- 公証人による認証
- 法務局からの事前通知……登記申請後に本人へ通知が届き、返送して本人であることを確認する
「無くした=売れない」ではありません。
費用と手間は増えますが、売却そのものは進められます。
決済の日程に影響するので、早い段階で司法書士に伝えておいてください。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
再発行できるものは、慌てて取らない
登記事項証明書、印鑑証明書、住民票——これらは取り直せます。ただし有効期限があるものがあります。
先に全部そろえてしまうと、決済までに期限が切れて取り直しになります。司法書士や仲介会社と相談し、日程に合わせて取得してください。
「あると強い」もの
無くても売れますが、あると買主の不安が減り、価格の交渉が楽になります。
- 建築確認済証・検査済証……無い場合の扱いは検査済証がない家の売却にまとめました。市区町村で建築計画概要書を閲覧できることがあります
- 測量図……無くても売れます。境界未確定のまま売る場合を参照
- 増築の記録……増築部分が未登記の家
- 設備の保証書、リフォームの記録……いつ何を直したかが分かると、買主が判断しやすくなります
相続した不動産は、書類が増えます
売買の前に相続登記を済ませる必要があるため、次の書類が加わります。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍(これがいちばん時間がかかります)
- 相続人全員の戸籍と印鑑証明書
- 遺産分割協議書(相続人全員の実印)
- 被相続人の住民票の除票
戸籍集めに数週間から数か月かかることがあります。売ると決めてから始めるのではなく、先に着手しておいてください。相続人が確定していない場合の進め方は相続人が後から出てきたらにまとめています。
揃っていなくても、相談はできます
書類を全部そろえてからでないと相談できない、ということはありません。
当社にご相談いただく場合、所在地と地番が分かれば、登記や都市計画の情報はこちらで調べられます。手元に何も無い状態でも構いません。固定資産税の課税明細が1枚あれば、地番も評価額も分かるので話が早く進みます。
準備の順番
- 固定資産税の課税明細を探す(これ1枚で地番と評価額が分かります)
- 権利証・登記識別情報があるか確認する(無くても売れます)
- 相続が絡むなら、戸籍集めに着手する(最も時間がかかる)
- 建築確認済証・測量図があれば出しておく
- 再発行できるものは、決済の日程に合わせて取る
書類が足りないことを理由にお断りすることはありません。まず所在地と、いまお手元にあるものをお知らせください。
よくある質問
権利証を無くしました。もう売れませんか。
売れます。権利証(登記済証)や登記識別情報は再発行されませんが、司法書士による本人確認情報の提供、公証人による認証、法務局の事前通知といった代わりの方法が用意されています。費用と手間は増えますが、売却そのものは進められます。
どの書類が再発行できますか。
登記事項証明書、固定資産評価証明書、印鑑証明書、住民票、戸籍謄本などは、法務局や役所で取り直せます。有効期限が定められているものもあるので、決済の日程に合わせて取得してください。慌てて先に取ると期限が切れることがあります。
建築確認済証や検査済証が無いと売れませんか。
売れなくなるわけではありません。ただし買主が住宅ローンを使う場合や、将来の建て替えを考える場合に不安材料になり、価格に影響します。市区町村で建築計画概要書を閲覧できることがあるので、代わりの資料として用意しておくと話が進みやすくなります。
測量図が無い場合はどうなりますか。
境界が確定していない状態で売ることは可能です。契約書で境界の扱いを明記し、公簿売買にするか実測売買にするかを決めます。買主が求める場合は確定測量が必要になりますが、売主が先に済ませておく必要はありません。
相続した不動産の場合、何が余分に要りますか。
被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍と印鑑証明書、遺産分割協議書などが必要になります。売買の前に相続登記を済ませておく必要があるため、書類集めには時間がかかります。早めに着手してください。
この記事の監修者
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