玄関を開けた瞬間に、2日や3日では終わらないと分かる。帰省中に実家の片付けを始めた人の多くが、最初の半日でそこに気づきます。
だから帰省の日程でやることは、全部を片付けることではありません。何を残し、何を持ち帰り、何に触らないかを決めて帰ることです。
帰省の数日で、実家は片付かない
押し入れ1つの中身を出して仕分けるだけで、半日かかることも珍しくありません。台所、仏間、納戸、物置と数えていくと、家族全員で動いても数日では足りません。
仕分けに時間がかかるのは、捨てるかどうかの判断が一つずつ要るからです。母の着物、父の工具、子どもの頃の学用品は、手を止めて話し込む品でもあります。
進まないのは、手が遅いからではありません。
そこで日程の使い方を変えます。帰省中は片付ける日ではなく、決める日にします。
3日間で決めること
次の表は、2泊3日の帰省を想定した配分です。部屋を片付ける作業は、あえて最後の半日に寄せています。
| 日程 | やること | 決めて帰ること |
|---|---|---|
| 1日目 | 貴重品・書類の置き場所を見つける。写真を撮りながら家を一周する | 権利証・通帳・保険証券のありか |
| 2日目 | 家族と話す。残したい物を一人ずつ挙げてもらう | 持ち帰る物、誰が預かるか |
| 3日目 | 持ち帰る物を箱に詰める。触らない部屋を決める | 次に動く人と、次に集まる日 |
1日目に家全体の写真を撮っておくと、帰ってから遠方の家族に見せられます。「見ていないから決められない」という足止めが減ります。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
「残す」「持ち帰る」「触らない」の3つに分ける
物を一つずつ見るより、部屋ごとに行き先を決めるほうが早く終わります。
残すは、そのまま家に置く物です。仏壇、家具、布団など、持ち帰れない大きな物がここに入ります。
持ち帰るは、箱に入る物です。アルバム、手紙、通帳、印鑑、思い出の品を、1人1箱までと決めておくと、車に積み切れなくなる事態を避けられます。
家族の中に相続放棄を考えている人がいる場合は、持ち帰る前に手を止めてください。家財を処分したり、放棄したあとに通帳や家財を持ち出して隠したり使ったりすると、相続を単純承認したとみなされるおそれがあります(民法921条)。
どこまでなら触ってよいかは、相続放棄の前の片付けで整理しています。
触らないは、今回は開けない部屋です。ここを決めるのが、実はいちばん効きます。

触らない部屋があると、帰省の最終日に「やり残した」と感じなくなります。次回までの宿題が、家族全員に見える形になるからです。
仏壇や位牌のように、家族の気持ちが分かれる物は、この日に結論を出さなくて構いません。「触らない」に入れて、次に集まる日まで動かさないと決めておきます。
迷う物を「保留」の箱に入れる手もありますが、箱が増えるだけで終わりがちです。保留を作るなら、1家族1箱までにします。
仕分けの途中で意見が割れたら、その品は誰が持つかではなく、誰が捨てる役を引き受けるかで話すと、揉めにくくなります。
家族が揃う夜に、話しておくこと
昼は手を動かし、夜は話す時間に使います。家族が全員そろうのは、帰省の中でもこの時間だけです。
話す順番は、物ではなく家の行き先からにします。この家に、この先だれか住むのかを、最初に聞いてください。
住む予定がないなら、片付ける理由は「住むため」から「手放すため」に変わります。変わると、残す物の量も変わります。
誰も住まず、貸す話も出ないのに、全部を丁寧に仕分けて通い続ける。この組み合わせが、片付けが何年も終わらない家の典型です。
見つけた書類は、その場で整理しない
片付けの最中に、権利証や納税通知書、保険証券が出てくることがあります。これらは捨てる・残すの仕分けに混ぜず、別の箱にまとめて持ち帰ります。
手元にあると助かるのは、固定資産税の納税通知書、登記に関する書類、火災保険の証券、鍵です。売るにしても貸すにしても、最初に聞かれる物ばかりです。
見つからなくても、そこで作業を止めないでください。名義は、法務局で登記事項証明書を取れば分かります。
書類の山をその場で読み込み始めると、半日が消えます。箱に入れて帰り、家で広げるほうが進みます。
片付けないまま手放した家の例
当社が扱った埼玉県内の戸建は、室内に家財が残り、境界も明示できない状態でした。売主様が片付けや測量を済ませるのを待たず、現況のまま引き受けています。
売れなかった理由は、建物ではなく、「引き渡す前に整える話」が重なっていたことでした。整える費用を先に出せない人ほど、この段階で止まります。
実家の片付けでも、同じ形が起きます。帰省のたびに少しずつ進めても、費用の見通しが立たないまま年数だけが過ぎるからです。
全部を自分たちで終わらせる道と、その限界
自分たちで進めるなら、家族で通い続けるか、片付け業者に頼むか、仲介で売るかのどれかです。
家族で通う場合、帰省のたびに数日ずつ進めることになります。遠方だと年に数回が限度で、終わるまでに何年もかかる家は珍しくありません。
業者に頼む道もあります。費用は荷物の量と家の広さで変わるため、見積もりを取らないと分かりません。残置物の費用の考え方は、残置物の処分費用で整理しています。
仲介で売る道は、片付けを済ませてから買い手を探す流れになりがちです。買取と仲介の違いは、買取と仲介の違いにまとめました。
実家じまい全体の順番は、実家じまいは何から始める?に譲ります。
当社に届く相談では、「解体費」という言葉が繰り返し出てきます。「解体+家財処分費用がチャラになる金額が最低ライン」と書かれた方もいました。片付けや解体の費用を先に出せず、そこで手が止まっている人は少なくありません。
帰省の最終日に、次の帰省日を決める
3日目の午後は、箱詰めの手を止めて、次に集まる日をカレンダーに入れる時間にします。日付のない「また今度」は、たいてい半年、1年と延びます。
次の帰省でやることも、この場で1つだけ決めます。「触らない」に入れた部屋を1つ開ける、仏壇をどうするか話す、といった大きさで足ります。
年に何度か集まれる家族がいれば、この繰り返しで少しずつ進みます。集まれる見込みが立たないなら、今の状態のまま手放す道を調べるかどうかも、この日に家族で話しておくと、帰ってからの連絡が短く済みます。
帰ったあとの1週間で、話が止まるかどうかが決まる
帰省の熱は、帰りの新幹線を降りた頃には下がり始めます。決めたことは、その週のうちに書き出して家族に送ります。
書くのは3行ほどです。持ち帰った物は誰の手元にあるか、触らなかった部屋はどこか、次に集まる日はいつか。
送らないまま1か月たつと、「あの時どうなったんだっけ」から話し直しになります。話し直しは、集まった日の勢いがない分、最初より重くなります。
次の帰省まで待てないなら、写真を添えて相談するのも一つの動き方です。家の状態を第三者に見てもらうと、通い続けるか手放すかの判断材料が1つ増えます。
当社の扱い|片付けていない家でも、状態を聞くところから
当社では、片付けが終わっていない実家でも、現況のまま相談を受けています。片付け・解体・測量を、売主様が先に済ませる必要はありません。
調べるのは当社の側です。次の点を、物件ごとに確認します。
- 建物の状態と築年数、雨漏りや傾きの有無
- 室内の荷物の量と、仏壇・大型家具の有無
- 名義が誰になっているか、相続登記が済んでいるか
- 前面道路の幅と、敷地への入り方
確認した結果、お引き受けになることもあります。条件によっては成立しない場合もあり、引き受けられるかどうかは個別に判断します。
片付ける前に電話していい理由
片付けは、一度始めると途中でやめにくい作業です。先に業者を呼んで捨ててしまうと、その処分費は、手放し方が決まる前に自分たちで払うことになります。
先に相談すれば、片付ける範囲を狭められることがあります。持ち帰る物だけを箱に詰め、残りは触らずに話を進める形も取れます。
ご相談はお電話でもフォームでも受けています。帰省中のお電話なら所在地を伝えていただくだけで足り、フォームなら散らかったままの写真を添えていただければ十分です。返事は翌営業日までにお出しします。
片付ける前に、いまの状態のまま聞いてみてください。玄関を開けて撮った1枚が、最初の資料になります。
家を手放す方向でお考えなら、訳あり物件の買取相談のページから、所在地と写真をお知らせください。
よくある質問
帰省は3日しかありません。実家の片付け、どこから手を付けますか。
押し入れや納戸ではなく、貴重品と書類の置き場所から見ます。権利証や通帳、保険証券が見つかれば、残りの部屋は急ぐ理由が減ります。
荷物が残ったままでも、実家は手放せますか。
荷物が残った状態で相談できる場合があります。片付けを済ませてから連絡する必要はありません。建物の状態や権利関係を確認したうえで、物件ごとに判断します。
片付けの途中で見つけた写真や手紙は、どうすればいいですか。
その場で捨てるかどうかを決めず、箱ひとつに入れて持ち帰る形が現実的です。家族が集まる席で見せれば、残すものを決める手がかりにもなります。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
このような物件のご相談は、相続した空き家の買取相談のページへ。
相続した家を、そのまま手放せるか
どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。
相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。
片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
相続登記が終わっていなくても、名義が複数でもご相談いただけます。順番は当社でご案内します。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

