固定資産税の通知が、亡くなった親の名前のまま届き続けている。名義変更しようと戸籍を取りにいったら、途中で切れていた。親名義の土地を相続で名義変更するのに必要な書類は、亡くなった親の戸籍一式、相続人の戸籍と住民票、固定資産課税明細書が土台です。
当社に届く相談は、過疎地や地方の土地の話が中心で、山林や原野の相談も相当数あります。書類の一覧と、そろわない場面の動き方を、法務局や市区町村の資料に当たって書きます。
ここで扱うのは相続の場合です。親が存命で、贈与や売買で名義を移すなら書類は別になります。
贈与なら、親の登記識別情報(権利証)と3か月以内の印鑑証明書、贈与契約書など、受け取る人の住民票を使い、令和8年10月5日以降は国籍等を示す書類も付けます(法務局 贈与の記載例)。売買の様式も法務局の様式ページにあります。
集める書類は、親の分と自分の分に分かれる
相続登記(亡くなった人から相続人へ名義を移す登記)の申請に集める書類は、法務局の案内で、亡くなった人の分と相続人の分に分けて載っています(法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」)。法定相続分で登記する場合は、次の表のとおりです。
| 誰の | 書類 | 入手先 |
|---|---|---|
| 亡くなった親 | 出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍・改製原戸籍 | 本籍地の市区町村 |
| 亡くなった親 | 住民票の除票または戸籍の附票(登記簿の住所と戸籍の本籍が違うとき) | 除票は住所地、附票は本籍地の市区町村 |
| 相続人 | 戸籍謄本(親の死亡日以降に発行されたもの) | 本籍地の市区町村 |
| 相続人 | 住民票(新しい所有者になる人) | 住所地の市区町村 |
| 土地の分 | 固定資産課税明細書(申請する年度のもの) | 毎年4月頃に市区町村から届く |
作る書類は、登記申請書と相続関係説明図(誰が誰の相続人かを書いた図)です。相続関係説明図は、戸籍・除籍謄本の原本を返してもらわないなら要りません。委任状は、司法書士などの代理人に申請を頼むときだけ付けます。
申請先は、土地の所在地を管轄する法務局です。
相続人が複数でも、法定相続分で登記するなら、相続人のうち1人が全員分を申請できます。ただ、申請人にならない相続人には、後で売る登記で出す登記識別情報(権利証)が通知されません(法務局 法定相続の記載例の注3)。
申請人になる相続人は、氏名ふりがな、生年月日、メールアドレスも申請書に書き、令和8年10月5日以降は国籍等も加わります(法務省 検索用情報の申出)。日本国籍の人は相続人の戸籍で足り、国籍を示す書類を重ねて出す必要はありません(同じ記載例の注8)。
山林や原野で迷うのが、固定資産課税明細書です。刈谷市は、市内に持つ土地・家屋・償却資産の課税標準額の合計がいずれも免税点未満なら、明細書も納税通知書も送っていません(刈谷市)。
免税点は、土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円です。土地が30万円未満でも、家屋が免税点以上なら通知は届きます。
届かないときは、市町村の窓口か郵送で、固定資産評価証明書か名寄帳を取ります。大網白里市は、相続人であることが分かる戸籍・除籍謄本と本人確認書類を求めています(大網白里市)。
名寄帳なら、親がその市内に持っていた固定資産がまとめて載ります。台帳に価格が登録されていない土地は、登記官が認定した価額で税額を計算するので、管轄の登記所に聞きます(国税庁 No.7191)。

遺産分割や遺言では、書類が増えて、一部は変わる
話し合いで誰かひとりが土地を受け取るなら、遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書が加わります。印鑑証明書は、協議書に押した印鑑に関するものです。
遺言があるときは、遺言書そのものを付けます。自筆の遺言が法務局に保管されていれば「遺言書情報証明書」、それ以外の自筆遺言は家庭裁判所での検認が必須です。公正証書遺言は、公証役場で書類を取ります。
変わるのは親の戸籍です。遺言の場合に求められるのは「死亡の事実の記載がある戸籍・除籍謄本」で、出生からそろえる指定は載っていません。出生から死亡までが必要なのは、遺産分割協議と法定相続分の場合です。
遺言で配偶者・子以外(兄弟姉妹、孫など)が受け取るときは、法定相続人であることが分かる戸籍も添えます。どれを付けるかは、誰が土地を受け取るかで決まります。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
書類が揃わないのは、たいてい戸籍の途中
遺産分割協議と法定相続分の場合、戸籍は「出生から死亡まで、在籍していた全ての」ものとされています。戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍と種類が分かれ、1通では足りません。
途中で切れたら、手元でいちばん古い戸籍を開きます。婚姻などで移っていれば、身分事項欄に「従前戸籍」や「○○から入籍」と前の本籍が書いてあります。転籍なら戸籍事項欄に書かれ、改製なら同じ本籍地に改製原戸籍があります(新宿区 連続した戸籍のさかのぼり方)。
読み取った本籍地へ請求し、これを繰り返します。入籍日が出生によるものになれば、そこが出生当時の戸籍です。
前後がつながったかは、古い戸籍の除籍日と新しい戸籍の入籍日が同じかで見ます。読み切れないときは、窓口で相続登記に出生から死亡までの連続した戸籍が要ると伝え、次に請求する市区町村と戸籍を教えてもらいます(東京ブロック管内法務局 相続登記ガイドブック)。
本人、配偶者、父母や祖父母、子や孫の戸籍は、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます。ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍等は、この方法の対象から外れています。そこで止まったら、その戸籍の本籍地の市区町村へ請求します。
兄弟姉妹の戸籍は、請求できる範囲の続柄に入っていません。兄弟が相続人になる場面では、本籍地ごとの請求になります。
古い除籍や改製原戸籍が、焼失などで残っていないこともあります。その場合は、残っている戸籍・除籍の謄本に、滅失等で「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書を付ければ、相続登記ができます。
相続人全員で「他に相続人はない」と証明する書面は、平成28年の通達で要らなくなりました(法務省民二第219号)。明治5年式戸籍(壬申戸籍)は、この扱いから除かれています。
保存期間を過ぎて廃棄された戸籍が同じ扱いになるかは、通達の文言だけでは言い切れません。そこに当たったら、管轄の法務局か司法書士に聞いてください。
相続人が誰か分からない、という状態は、戸籍が最後までつながってはじめて解けます。つながらないうちは、相続人の数も決まりません。
登記簿の住所が戸籍の本籍と違うときは、住民票の除票か戸籍の附票を付けます。
相続人がすでに亡くなり、その人の相続人まで広がっている土地もあります。法定相続情報証明制度を使える人は「被相続人の相続人(又はその相続人)」とされており(法務局 具体的な手続)、数次相続は制度が想定している場面です。
法定相続情報一覧図は、相続人(または委任を受けた代理人)が作り、戸除籍謄本の束とあわせて登記所へ出します。登記官が民法の相続関係と合っているかを照らし、認証文を付した写しを交付します。
写しは無料で、令和6年4月1日以降は、登記申請書に法定相続情報番号を書けば写しの添付を省けます(法務局 法定相続情報証明制度)。複数の窓口へ何度も戸籍の束を出す人には使えます。取り方は法定相続情報一覧図の制度にあります。
費用と期限は、公的に決まっている
登録免許税は、相続による土地の所有権移転で、固定資産課税台帳の登録価格を原則とする価額の1,000分の4です。令和9年3月31日までの相続登記で土地の価額が100万円以下なら、この税は課されません(国税庁 No.7191、令和8年4月1日現在)。
免税を受けるには、申請書に「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と書きます。書かないと受けられません(法務局 登録免許税の免税措置)。
申請の期限は、相続で不動産の取得を知った日から3年以内、施行前に始まった相続は原則として令和9年3月31日までです(法務省 相続登記の申請義務化)。
細かい分かれ目と過料は相続登記の義務化に、遺産分割がまとまらないときの手続きは相続人申告登記の記事に書きました。
司法書士の報酬などは、依頼先で変わるため、ここでは扱いません。
名義が親のままで、売ることはできるのか
名義が親のままの土地は、そのままでは買主へ名義を移せません。売るには、まず相続人への名義変更が必要です。手順は相続登記をしていない家は売れる?に書きました。
書類が揃わず、相続人どうしの連絡も取れない状態では、売る話に進めません。戸籍集めと登記申請は、司法書士に頼めます。ただ、相続人が揃わなければ、遺産分割協議そのものが始まりません。

戸籍が途中で切れたまま、土地のことを聞いてもらう
相談の中で繰り返し出てくるのは、「手放したい」という言葉です。名義変更の書類を全部そろえてから相談する、という順番でなくて構いません。
他で断られた土地も、当社なら引き受けられる場合があります。片付けも、解体も、測量もしないまま、現況のまま手放す道があります。引き受けられるかどうかは、物件ごとに個別に判断します。
戸籍集めと登記の申請は、司法書士の領域です。当社が代行するものではありません。
当社が見るのは、次の点です。
- 名義が誰になっているか、登記簿の住所が古くないか
- 相続人が何人いるか、連絡が取れる状態か
- 土地の形、前の道路との接し方、建物があるか
戸籍の1通目を取りにいく前の段階でも構いません。登記簿の名義と所在地だけ分かれば、話は始まります。返事は翌営業日までにお返しします。
兄弟に連絡がつかない、戸籍が昭和の途中で切れている。その状態のまま、登記簿の名義と所在地を書いて送ってください。
よくある質問
親の戸籍を集めたいのですが、本籍地が遠くて行けません。
本籍地の市区町村へ郵送で請求できます。広島市の案内では、請求書、手数料分の定額小為替、返信用封筒、本人確認書類の写しを送ります(広島市 戸籍謄抄本のよくある質問)。
近くの窓口で取る広域交付は、本人・配偶者・直系の戸籍が対象で、本人が窓口へ行き顔写真付きの身分証を見せます(法務省 戸籍の広域交付)。郵送や代理人では使えず、コンピュータ化されていない一部の戸籍も対象外です。
名義変更をしないまま、家を売ることはできますか。
名義が亡くなった親のままだと、買主へ名義を移す前に、相続人への名義変更が必要です。名義変更の書類が揃っていない段階でも、相談はできます。
兄弟とは連絡を取っていません。書類は誰が集めますか。
兄弟姉妹の戸籍は、本籍地以外の窓口で請求できる範囲(本人・配偶者・直系)に入りません。本籍地の市区町村に請求します。遺産分割は相続人全員の合意が前提なので、連絡先が分からないままでは話が進みません。
まず戸籍をつなげて相続人を確定し、そのうえで司法書士や弁護士に連絡の取り方を相談する順になります。行方が分からない相続人がいるときの制度は、不在者財産管理人の記事にあります。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
このような物件のご相談は、相続した空き家の買取相談のページへ。
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資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
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お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

