県外に住んで何年も帰れていないのに、遠方の実家の固定資産税の通知だけは毎年届く。その実家は、現地に行かずに売却できます。片付け・解体・立ち会いのために何度も帰省する必要はありません。
当社には全国の物件のご相談が届いており、県外に住んでいて実家が空き家のまま何年も経っている、という方からのご相談も珍しくありません。
なぜ遠方の実家は動かなくなるのか
理由ははっきりしています。やるべきことが多すぎて、そのすべてに現地に行く必要があるからです。
片付け・遺品整理をするために帰省する。解体の見積りを取るために業者と現地で立ち会う。不動産会社に鍵を渡し、査定に立ち会う。内覧のたびに掃除や立ち会いが必要になる。近隣への挨拶や、草刈りの手配をする。
平日は仕事があり、往復の交通費と時間もかかります。一度の帰省で終わる作業ではないため、「まとまった時間ができたら」と先送りされ、そのまま年単位で止まります。
そして止まっている間も、固定資産税と管理の負担は続きます。建物は人が住まないと傷みが早く、時間が経つほど選べる出口が減っていきます。
県外に住んでいても、海外に住んでいても売れる
実家のある県に自分が住んでいない場合、売却を頼む先が地元の会社に限られるわけではありません。不動産会社の免許は事務所のある都道府県で区別されますが、取引できる物件の所在地は免許の種類によって制限されません。
県外の物件を扱う会社に依頼して構いません。地元の事情をよく知る会社のほうが話が早い物件もあるので、遠方であることは最初に伝えてください。
海外に住んでいる場合(日本国籍で在外にお住まいの方、いわゆる在外邦人)は、現地に行かないこととは別に、書類のところで止まります。日本に住民登録がないため、売却や相続登記で求められる印鑑証明書が取れないからです。
代わりに、在外公館で署名証明(サイン証明)と在留証明を取る形で進めます。取り方と、相続人が海外にいる場合の進め方は相続人が海外にいる不動産の売却にまとめています。
海外にいても、実家の現地には行かずに済みます。書類の郵送に日数がかかるぶん、早めに動き始めるほど有利です。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
現地に行かずに終える流れ
買取であれば、次の流れで進みます。
- ご連絡 — 電話・メール・LINE・フォームのいずれでも。所在地が分かれば十分です
- 状況をお聞きする — 分かる範囲で構いません。「何年も見ていない」でも問題ありません
- 当社が調べる — 登記・役所調査・現地の様子の把握。売主様は動かなくて構いません
- 買取価格のご提示 — 解体や片付けの費用が発生するかも含めてお伝えします
- 契約 — 書類は郵送でやり取りできます
- 決済 — 遠方の方に合わせた方法をご相談します
内覧はありません。買主を探す必要がないため、掃除も立ち会いも要りません。
仲介と比べると、遠方の物件では負担がここまで違います。
| 仲介で売る | 買取で売る | |
|---|---|---|
| 帰省の回数 | 片付け・立ち会い・内覧で複数回 | 0回でも可 |
| 片付け・解体 | 求められることが多い | 不要(費用の先出しなし) |
| 内覧対応 | そのつど掃除と立ち会い | なし |
| 近隣に知られるか | 看板・チラシで知られやすい | 知られにくい |
| 期間 | 買主が現れるまで。数か月〜1年以上 | 当社の場合の目安で数週間〜1か月程度 |
| 価格 | 市場価格に近い | 市場価格より低い |
よくある心配
鍵がない、中に入れない
珍しくありません。外観と役所での調査から判断できることが多く、必要であれば開錠の手配も相談できます。中の状態が分からないままご相談いただいて構いません。
何が残っているか分からない
家財がそのまま残っている状態で査定します。残しておきたい物がある場合は、事前にお伝えください。位牌、写真、権利証、通帳などは、引渡し前に選り分ける時間を取ります。
兄弟が別々の場所に住んでいる
共有名義であれば全員の同意が必要ですが、集まっていただく必要はありません。書類は郵送で持ち回りにできます。話がまとまらない場合は、自分の持分だけを売るという選択肢もあります。
相続登記が済んでいない
売却の前提として登記は必要ですが、登記の前でもご相談いただいて構いません。売却の見通しが立ってから登記を進めたほうが、順序として無駄がない場合もあります。提携する司法書士と連携して進められます。
相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前に開始した相続も対象です。こちらの期限は2027年3月31日で、何十年も前に亡くなった方の名義のままになっている実家も含まれます(法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。
相続登記には戸籍をそろえる必要がありますが、2024年3月1日から戸籍証明書の広域交付が始まりました。本籍地が遠くにあっても、住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で、全国各地の戸籍をまとめて請求できます。
請求できるのは本人・配偶者・父母などの直系尊属・子や孫などの直系卑属に限られ、郵送や代理人による請求はできません。コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍も対象外です(法務省)。
近所に知られたくない
買取であれば広告を出さないため、売却活動を近隣に知られずに進めやすいという利点があります。仲介では現地に看板が立ったり、チラシが配られたりすることがあります。
管理できないまま置いておくと、税の扱いが変わることがある
遠方の空き家で難しいのは、変化に気づけないことです。庭木が伸びている、瓦がずれている、郵便物があふれている。近隣からの連絡が市区町村に入って、初めて知るという流れになりがちです。
2023年12月13日に施行された改正空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)で、倒壊のおそれがある「特定空家等」になる手前の段階でも、「管理不全空家等」として指導・勧告の対象になりました。
| 管理不全空家等 | 特定空家等 | |
|---|---|---|
| どんな状態か | そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態(空家法13条1項) | 倒壊等著しく保安上危険、著しく衛生上有害、著しく景観を損なう等の状態(同法2条2項) |
| 市町村長ができること | 指導 → 改善されなければ勧告 | 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 代執行 |
| 勧告を受けると | 土地が住宅用地から外れる | 土地が住宅用地から外れる |
勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地は、住宅用地から除かれます(地方税法349条の3の2第1項)。
住宅用地であれば、200㎡以下の部分は固定資産税の課税標準が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されますが、この軽減が使えなくなるということです。
勧告の前に、まず指導があります。遠方だと、通知が届いてから現地の状態を確かめるだけでも時間がかかります。草を刈るにも、まず業者を探すところから始めることになります。
「そのうち帰省したときに」で先送りできる期間が、以前より短くなったと考えたほうが安全です(国土交通省 空き家対策特設サイト)。
遠方だからこそ、費用を先に出さない

「片付けてから」「解体してから」と言われると、遠方の物件では特に動けなくなります。現地に行けないのに費用だけ立て替える判断は、簡単ではないからです。
当社は片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。必要な作業は当社が引き受け、買取価格に織り込みます。
ご相談いただく方の多くが「0円でもいいので手放したい」「費用がかからなければそれでいい」とおっしゃいます。高く売ることより、負担が止まることのほうが切実なケースが多いためです。
相続した実家なら、3,000万円の控除が使えることがある
売れたときに利益(譲渡所得)が出ると、そこに税金がかかります。ただし相続した実家の場合、一定の条件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける制度があります。「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特別控除の特例」といいます。
親が一人で住んでいた古い家、というのは、まさにこの制度が想定している状況です。

2024年1月1日以後の譲渡で、その家屋と敷地を相続または遺贈により取得した相続人が3人以上いる場合は、1人あたりの上限が2,000万円になります。兄弟で分けて相続したケースでは、ここが変わります。
遠方の方がつまずきやすいのは「確認書」
図の4番、被相続人居住用家屋等確認書です。家屋の所在地の市区町村に申請して交付を受けます。郵送で受け付けている自治体が多くありますが、様式・必要書類・交付までの日数は自治体ごとに異なります。
とくに手間取りやすいのが、電気やガスの使用中止日が分かる書類です。何年も前に止めた分の明細や通帳を探すことになるため、時間がかかります。確定申告の時期は窓口も混み合いますので、早めに手をつけておくほうが安全です。
耐震基準を満たさない家をそのままの状態で売る場合でも、譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、家屋が一定の耐震基準を満たすこととなるか、家屋の全部の取壊し等が行われれば対象になります(2024年1月1日以後の譲渡。
国税庁タックスアンサーNo.3306)。売った後の工事は買主側で行うことになるため、この特例を使うつもりであれば、売買の相手方に事前にお伝えください。
適用の可否は個別の事情によって変わります。実際の判断は税理士か所轄の税務署に聞いてください。
開けてみたら想定と違ったとき
何年も見ていない実家では、実際に開けてから分かることがあります。
想像以上に物が残っていた(ごみ屋敷に近い状態)。前面道路が狭く、再建築不可だと分かった。市街化調整区域で、建て替えができないと言われた。そこで人が亡くなっていた(事故物件にあたるか気になる)。
いずれも当社が扱っている領域です。状況が分かった時点でお知らせいただければ、査定をやり直します。「そんな状態では断られるだろう」と考えて連絡をやめてしまうのが、いちばんもったいないパターンです。
地方・過疎地の物件でも
「地元の不動産会社に、買い手がいないと言われた」というご相談も多くあります。それは、物件に価値がないからとは限りません。
仲介は買い手を探して待つ仕組みなので、買い手の母数が小さい地域では機能しにくいだけです。買取は業者自身が買主になるため、成立の仕方が違います。
当社は全国からご相談を受けています。「遠いから」という理由でお断りすることはありません。
現地に行かずに、費用も出さずに、まず相談だけできます。
資料が手元になくても、鍵がなくても、何年も見ていない状態でも構いません。
物件の所在地さえ分かれば、お答えできます。
相続登記や税務の具体的な手続きについては、司法書士・税理士にもご確認ください。当社では提携する専門家と連携して進めます。
よくある質問
一回も帰らずに売れますか?
売れます。現地調査も役所調査も当社が行い、書類は郵送、打ち合わせは電話・メール・LINEで進められます。
海外に住んでるんですが、実家は売れますか?
売れます。ただし日本に住民登録がないと印鑑証明書が取れないため、在外公館で署名証明(サイン証明)と在留証明を取る形になります。書類の郵送に日数がかかるので、売却を考え始めた時点で早めに動いてください。取り方は、相続人が海外にいる場合の記事にまとめています。
遠くて管理できず、放ったままなんですが、まずいですか?
2023年12月13日施行の改正空家法により、倒壊のおそれがある「特定空家等」の手前でも「管理不全空家等」として市町村長の指導・勧告の対象になりました。
勧告を受けるとその敷地は住宅用地から外れ、200㎡以下の部分で6分の1、200㎡超の部分で3分の1という固定資産税の軽減が使えなくなります(地方税法349条の3の2第1項)。
親から相続した家を売ったら、税金で持っていかれませんか?
利益(譲渡所得)が出れば課税されますが、相続した空き家には最高3,000万円の特別控除があります。昭和56年5月31日以前に建てられた家で、相続の直前に被相続人が一人で住んでいたことなどが条件です。
売却の期限は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までの譲渡です。適用の可否は税理士または所轄の税務署にご確認ください。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
このような物件のご相談は、相続した空き家の買取相談のページへ。
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片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。所在地さえ分かればお答えできます。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

