不動産会社に「検査済証はありますか」と尋ねられて探したが、見つからない。確認済証はあるのに、検査済証だけがない。古い家では珍しくない状態です。
検査済証がない家でも、売却はできます。ただ、買い手の層が変わります。
検査済証とは何か
建築基準法7条1項は、工事が完了したとき、建築主は建築主事等の検査を申請しなければならないと定めています。同条5項は、検査の結果、建築物と敷地が建築基準関係規定に適合していると認められたときに、検査済証を交付しなければならないとしています。
つまり検査済証は、完成後の検査で適合と認められた建物にだけ交付される書類です。着工前に受ける建築確認(確認済証)とは別のものです。
「確認済証はあるのに検査済証がない」家には、二通りあります。完成後の検査を受けていない場合と、交付された書類をなくした場合です。手元の書類だけでは分からないことも多く、台帳記載事項証明書の記録で見分けます。
なぜ、無い家があるのか
かつては、完了検査を受けないまま使われる建物が少なくありませんでした。国土交通省の資料(平成31年3月、建築確認検査制度の概要)によると、完了検査率は平成10年度に約4割、平成28年度に約9割です。この率は、検査済証の交付件数を確認件数で割ったものです。
中間検査制度の創設や執行体制の強化を経て上がってきた数字で、古い建物ほど、検査済証がないものが多いと考えられます。
相続で引き継いだ方は、建てた当時の事情を知りようがないはずです。検査済証がないことが、いま持ち主になった方の落ち度とは限りません。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
売るときに、何が起きるのか

検査済証がないことを理由に売買を禁じる決まりはありません。困るのは、買う側の手続きです。
まず、買主の住宅ローンです。長野県は、不動産の売買や金融機関からの借り入れの際に、確認済証や検査済証の提出を求められる場合があると案内しています(長野県の台帳記載事項証明書の案内)。
どの書類を求めるか、融資をするかは金融機関の判断なので、買う側が事前に相談することになります。融資が使えなければ、買える人は現金で買える方などに絞られます。
次に、増改築です。将来、確認申請が要る増築や改修をするときは、既存部分が法令に適合しているかを調べる場面が出てきます。国土交通省は、増築等をしようとする建物について、建築士が適合状況を調べる手順をガイドラインで示しています(既存建築物の活用の促進について)。
検査済証がなければ、適合を示す材料を別に用意することになります。買主にとっては、買ったあとに手を入れにくい家に見えます。
最後に、買主の不安があります。書類が揃っていないというだけで敬遠され、建物の状態とは別のところでブレーキがかかります。
建物の品質は、書類の有無だけでは分かりません。検査を受けていない建物に図面と違う施工や届け出のない増築が混じっていても、書類からは読めません。検査済証があっても、その後に手が入っていれば同じです。今の状態は、現地を見て判断します。
「再発行」はできません
検査を受けていなければ、検査済証はそもそも交付されていません。検査を受けてなくした場合も、作り直しはできません。東京都の案内でも、台帳記載事項証明書は確認済証や検査済証の再発行ではないとされています。この証明書が示すのは、台帳に残っている記録です。
証明書は、建物の場所や建てた年、規模によって、市区町村か都道府県の窓口で出してもらいます。検査済証の交付年月日が載っていれば、検査を受けて書類をなくした家だと分かります。
ただ、東京都の案内にもあるとおり、台帳が現存しなければ証明書は発行できず、検査済証の交付年月日が台帳に載っていないこともあります。その場合、この方法では見分けが付きません(東京都の台帳記載事項証明書の案内)。
発行の窓口や手数料は自治体ごとに違います。まず建物がある市区町村の建築指導の窓口に尋ね、都道府県の担当であれば、そちらを案内してもらってください。
現況調査という方法は、売却のための制度ではない
検査済証がない建物の適合状況を調べる方法として、以前は「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」がありました。
国土交通省は、この旧ガイドラインを令和7年4月1日に「既存建築物の現況調査ガイドライン」へ統合・一本化しています。
現行のガイドラインは、既存建築物の増築、改築、移転、大規模の修繕・大規模の模様替をしようとするときに、建築士が建築基準法令への適合状況を調べるための手順や方法を示したものです。
つまり想定されているのは改修の場面で、売却のために受ける調査として位置づけられているわけではありません。調査には費用と期間がかかり、適合しないという結果が出ることもあります。結果が出るまで、買い手に示せる材料はそろいません。
売ることだけが目的なら、調査を受けるかどうかは、買い手が付く見込みや改修の予定とあわせて考えることになります。詳しくは、上で挙げた国土交通省の案内にあります。
断られたとき、売れないときは、何が止まっているか
検査済証がない家が売れないとき、止まっているのは建物そのものより、買い手が使うお金と手続きのことが多いです。誰に断られたかで、次に当たるところが変わります。
| 断られた相手 | 止まっていること | 次にやること |
|---|---|---|
| 金融機関(買主の住宅ローン) | 求められた検査済証を出せない | 現金で買える相手を探す。買主側で金融機関に事前に相談してもらう |
| 一般の買い手 | 書類がそろわないことへの不安 | 台帳記載事項証明書で、建築確認や検査の記録が残っているか調べる |
| 不動産会社 | 将来の増改築の確認申請が通るか分からない。未登記の部分も重なると、「整えてから」と言われて話が止まりやすい | 整える前に、現況のまま引き受ける会社に当たる |
検査を受けていない家に届け出のない増築が重なると、建築確認を受けた部分と後から足した部分の境目を、書類で示せなくなります。
建築確認のときの図面が残っていれば現地と見比べて増築の場所と広さをつかめるので、話を進められるかを考えるときは、まずその図面が残っているかを見ます。
検査の記録が見つかれば、状況は変わります。見つからなくても、現況のまま手放す道は残っています。
検査済証がないまま、誰に売るか

検査済証がないまま売る方法は、あります。現金で購入する買主なら、融資を使わないため、書類の有無が壁になりにくくなります。買取会社も、書類の不足を承知で引き受ける会社であれば、揃える必要がありません。
どちらも、書類を揃えてから動くのではなく、今の状態で買い手に当たるやり方です。
当社に届く相談では、「手放したい」という言葉を繰り返し聞きます。持ち続ける負担を止めたい方なら、書類探しに時間をかける前に、今のまま渡せる相手がいるかを見たほうが話が早くなります。
ごえん株式会社の取り扱い
当社は今の状態のままお引き受けすることを基本にしています。書類が揃っていなくてもご相談いただけますし、他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。
検査済証がない家で当社が見るのは、次の3つです。確認済証が手元にあれば、建築確認を受けた家だと分かります。台帳に検査の記録が残っていれば、検査を受けた家だと分かります。記録がなくても、受けていないとは言い切れません。届け出のない増築があるかは、現地で見ます。
役所の窓口への確認は、お引き受けする前の段階で当社が行いますので、売主様に調べていただく必要はありません。
調べたうえで、お取り扱いできるかどうかをお伝えします。すべてのご相談が成立するわけではありません。相続人の方々の間で合意ができていないと、話がまとまらずに終わります。
書類を探すところから始める必要はありません。確認済証が手元にあるか、いつ建てた家か、その2つが分かる範囲で教えてください。
よくある質問
検査済証がなくても、家は売れますか。
売ること自体はできます。検査済証がないことを理由に売買を禁じる決まりはありません。ただ、買主が住宅ローンを使えるかは金融機関の判断なので、買い手は現金で買える方や買取会社に絞られやすくなります。
役所で再発行してもらえないんですか。
再発行はありません。検査を受けていない建物にはそもそも交付されておらず、検査を受けてなくした場合も作り直しはできません。自治体で出してもらえる台帳記載事項証明書は、再発行ではなく、台帳に残る記録の証明です。
台帳そのものが残っていない建物や、検査済証の交付年月日が載っていない建物もあります。
不動産屋に「検査済証は?」と聞かれたけど、見つかりません。
確認済証はあるのに検査済証だけがない、という古い家は珍しくありません。完了検査を受けていない場合と、交付された書類をなくした場合があり、台帳記載事項証明書の記録で見分けます。
書類が何もないままで、相談していいですか。
かまいません。当社は現況のままお引き受けすることを基本にしており、書類をそろえてからでなくてもご相談いただけます。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
このような物件のご相談は、未登記・私道・境界の買取相談のページへ。
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片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
測量や登記を先にしていただく必要はありません。現況のまま確認します。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

