底地は売れる?相続したくない・いらないときの3つの出口と価格の違い

山あいの細い舗装路沿いに建つ古い平屋

底地は売れます。ただし「どう売るか」で価格がまったく違います。相続して初めて底地を持ったという方から、「地代は入るが自由に使えない」「売ろうとしたら安く言われた」というご相談をよくいただきます。地主の側から見ると、出口は3つあります。

目次

底地とは、貸している土地のこと

土地を貸し、その上に借地人が建物を建てている——このときの土地側の権利が底地です。建物側の権利が借地権になります。

所有者は自分ですが、自由に使えません。借地借家法によって借地人の権利が強く守られているためです。

第三条 借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

——借地借家法第3条(e-Gov法令検索)

しかも契約は簡単には終わりません。同法5条は、期間が満了しても建物がある限り、借地人が更新を請求すれば従前と同じ条件で更新したものとみなすと定めています。

地主は異議を述べられますが、6条により、土地を使う必要や明け渡しの際の立退料の申し出などから見て正当の事由があると認められなければ、異議は述べられません。

また、平成4年8月の借地借家法の施行より前に設定された借地権は、契約の更新について旧借地法の例によります(同法附則6条)。親の代から貸している底地なら、契約書で借地権を設定した日付を見てください。旧法か新法かは、最後の節の「進め方」で最初に見るところです。

「期間が来たら返ってくる」わけではありません。
借地の上に建物が建っている限り、土地は戻ってこないのが原則です。
だからこそ、底地は「いつか使える土地」ではなく「今どうするか」で考えることになります。

相続した底地がいらないとき、使える道と使えない道

親から底地を相続して、地代は入るが持ち続けたくない、という方がいます。手放し方として思いつくものから、使えるかどうかを見ていきます。

相続放棄は、底地だけを選べません。他の財産も一緒に手放すことになり、期限は相続を知ってから3か月です。相続土地国庫帰属制度は、建物がある土地や、使用収益を目的とする権利が設定されている土地を対象外としています。

借地権が付いた底地は、この要件に当たります。所有権の放棄は、届け出る窓口がありません(土地の所有権放棄、国庫帰属の要件)。自治体への寄付も、使い道がない土地は断られることが多い道です(自治体への土地の寄付)。

そうなると、残るのは売る道で、次の節の三つです。借地権を相続する側の話は借地権を相続したらにあります。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

出口は3つ、価格はまったく違う

底地の3つの出口と、それぞれの値の付き方を示した図解
借地権と一つにまとまると扱いが変わる
出口相手価格の傾向
底地だけ売る底地専門の買取会社、投資家最も低い。更地評価から大きく下がる
借地人に買ってもらうその土地の借地人中間。借地人にとって価値が高いぶん、底地だけ売るより高くなりやすい
借地権とまとめて一体で売る一般の買主総額は最も大きい。分け方の合意が要る

同じ土地でも、相手によってここまで変わります。「安く言われた」という場合、底地だけを単独で売る前提で査定されていることが多いです。

出口1:底地だけを売る

買主は地代を受け取れますが、土地を使うことはできません。買い手が限られるため、価格は下がります。相続税の評価額を下回ることもあります。

一方で、話をまとめる相手が1人で済むという利点があります。借地人と交渉する必要がなく、早く終わらせたい場合には現実的な選択です。

出口2:借地人に買ってもらう

多くの場合、最も自然な相手です。借地人にとっては、自分の家が建っている土地が自分のものになり、地代の支払いも終わります。

伝え方に配慮してください。
「買わないなら第三者に売る」という言い方をすると、関係が一気に悪くなります。
借地人の方はそこに住み続ける前提でいるので、不安にさせない伝え方が要ります。
断られた場合も、その後何年も関係が続くことを忘れないでください。

出口3:借地権とまとめて、一体で売る

底地と借地権が一つになれば、普通の土地に戻ります。買主は自由に使えるので、総額は最も大きくなりやすい。

その代わり、借地人との合意が要ります。そして合意の前に決めておくべきことがあります。

売却代金をどの割合で分けるか(借地権割合が目安になりますが、実際の交渉で調整します)。借地人が引っ越し先をどうするか、その費用を誰が持つか。いつまでにまとめるか。

当社では、地主の方と借地人の方の間に入って条件を取りまとめる役もお引き受けしています。実際に、借地権と底地を一つにまとめたうえで売却に至った案件もあります(借地と底地を一つにまとめて売った話)。当事者同士で直接交渉していただく必要はありません。

地代の値上げより、出口を考えるほうが早いことがある

「地代が安すぎる」というご相談も多くいただきます。借地借家法11条により増額を請求できる場合はありますが、借地人の同意が得られなければ調停や訴訟になり、時間も費用もかかります。

そして、値上げが通っても底地であることは変わりません。手放すつもりがあるなら、値上げ交渉より先に出口を検討したほうが早く終わることがあります。

進め方の順番

契約書を探す(旧法か新法か、残存期間、地代の額と改定の履歴)。契約書が無ければ、地代の受領記録から遡る。無いことは珍しくありません。

借地人の方の状況を把握する(年齢、建物の使用状況、今後の意向)。3つの出口のうち、現実的なものを絞る。借地人に打診する場合は、伝え方を準備してから。

借地人の方の状況を把握するところが要になります。借地人の方が高齢で建て替えの予定がなければ、まとめて売る話が進みやすい。逆に建て替えたばかりなら、底地だけを売る道が現実的です。

底地と借地の全体像は共有持分・借地・底地の買取相談に、借地権側から見た話は借地権付きの家の売却にまとめています。

よくある質問

親から底地を相続しましたが、いりません。放棄できますか。

相続放棄は底地だけを選べず、他の財産も手放すことになります。相続土地国庫帰属制度は、使用収益を目的とする権利が付いた土地を対象外とするので、借地権が付いた底地は使えません。

手放すなら、借地人に買ってもらう、借地権とまとめて売る、底地だけ売る、のどれかになります。

底地だけ売ろうとしたら、ずいぶん安く言われました。そんなものですか。

底地だけを単独で売る前提なら、安くなります。相手は底地を扱う買取会社や地代収入が目当ての投資家で、土地を自由に使えないぶん、価格は更地の評価から大きく下がり、相続税の評価額を下回ることもあります。

借地人に買ってもらう道や、借地権とまとめて売る道と比べてから決めても遅くありません。

借地人さんに買ってもらうのが一番いいんでしょうか。

多くの場合、最も自然な相手です。借地人にとっては自分の家が建つ土地が自分のものになり、地代の支払いも終わります。決め手は、資金を用意できるかと、そもそも買う気があるかです。

借地権とまとめて売ると、どう変わりますか。

所有権に戻るため、普通の土地として売れます。総額は最も大きくなりやすい一方、借地人との合意が要り、売却代金の分け方を最初に決めておかないと後で揉めます。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

借地・底地を、地主と揉めずに手放せるか

どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。

相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。

片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。

資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

地主との交渉は当社が間に入ります。先に話を付けていただく必要はありません。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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