遠方の実家が被災した|見に行けないときの順番

遠方の実家が被災した。すぐには行けない。それでも、いま動かせることがあります。この記事では、本人でないとできないこと、誰かに頼めること、そして名義が故人のままだとどこで止まるかを順に整理します。

目次

できることと、できないこと

遠方の被災家屋で代われることと代われないことを示した図解
誰かに頼めるかどうかで、動き方が変わる
内容
本人(または代理人)でないとできないり災証明の申請、支援金の口座指定、売買契約
誰かに頼める被害状況の撮影、災害ごみの搬出、応急の養生、鍵の管理
放っておくと進むカビと腐朽、り災証明の申請期限

分かれ目は「本人の意思が要るかどうか」です。書類に判を押す場面は代われませんが、現地でやることの多くは代われます。

いちばん急ぐのは写真です

撮影は本人でなくてもできます。近隣の方、親戚、地元の業者——誰かに頼んでください。

浸水なら、乾く前が肝心です。
水は引き、泥は片付き、壁は乾きます。見た目が戻ると、被害の程度を示せなくなる。
撮ってほしいものを具体的に伝えてください。

  • 建物の外観を四方から
  • 各部屋の全体(どこまで水が来たかが分かる引きの写真)
  • 定規やメジャーを壁に当てて、浸水の高さ(部屋ごとに)
  • 床下(点検口が開けられれば)
  • 水回りと設備(給湯器、室外機、ブレーカー)

自治体が求める写真の要件は決まっていることが多いので、先に窓口で聞いてから頼むと二度手間になりません。詳しくは浸水した家は片付ける前に撮るにまとめました。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

電話1本で確かめること

現地に行けなくても、窓口への電話でここまで分かります。

  1. り災証明の申請方法と期限(期限は自治体ごとに違います)
  2. 代理申請ができるか、委任状の様式はどれか
  3. オンライン申請を受け付けているか(マイナンバーカードで可の自治体があります)
  4. 求められる写真の要件
  5. 災害ごみの出し方(分別、受付期間、持ち込み先)
  6. 使える支援制度の一覧

1を最初に聞いてください。期限を過ぎると申請できなくなります。

名義が故人のままだと、そこで止まる

これがいちばん多い詰まり方です。

り災証明も、支援制度も、公費解体も、「所有者が誰か」を前提に進みます。登記が亡くなった親や祖父母の名義のままだと、手続きが進みません。

災害のあとに相続人を探し始めると、間に合いません。
能登半島地震では、公費解体の申請が15,614件に対し完了227件という時期がありました。
詰まった最大の原因が、相続登記の未了です。
詳しくは公費解体は相続が壁になるに書きました。

相続登記は2024年4月から義務になっています(相続登記の義務化)。被災を機に、そこから整理することになる方も少なくありません。相続人が確定していない場合は相続人が後から出てきたらもご覧ください。

濡れたまま置かないこと

現地に行けないと、どうしても後回しになります。ただし濡れたまま放置すると、被害が広がります。

  • 断熱材や壁の内部が乾かず、カビと腐朽が進む
  • 畳や家具から臭いが出て、近隣の問題になる
  • 電気設備が濡れたままだと、通電したときの火災につながることがある

最低限、換気と通電の確認だけでも誰かに頼んでください。応急の養生(ブルーシート、除湿)を地元の業者に依頼できることもあります。

手放すことを考える場合

修繕の費用が出せない、遠方で管理し続けられない——そう考えるのは自然なことです。

修繕も片付けも、先に済ませていただく必要はありません。現況のまま引き受ける買い手であれば、費用を先に負担せずに済みます。当社も役所調査と現地確認を行いますので、何度も足を運んでいただく必要はありません。

ただし2つ前提があります。

  • 被害の事実は買主に伝える必要があります民法572条。知りながら告げなかった事実は、免責の特約があっても責任を免れません)
  • 名義が故人のままなら、相続登記が前提になります

災害のあとは、被災した方に近づく事業者が増えます。
急かす、その場で契約を求める、契約前に費用を求める——
そうした相手とは決めないでください。まず自治体の窓口に相談し、使える制度を先に確かめる。
遠方にいると判断の材料が少ないぶん、ここは特に気をつけてください。

順番

  1. 市区町村に電話し、り災証明の期限と申請方法を確認する
  2. 誰かに写真を頼む(乾く前に。要件を聞いてから)
  3. 登記の名義を確認する(故人のままなら、そこから着手)
  4. り災証明を申請し、区分が出てから使える制度を確認する
  5. 修繕か、手放すかを決めるのはそのあとで構いません

1と2を今日のうちに。制度を調べるのは後からでもできますが、期限と写真は待ってくれません。

よくある質問

遠方に住んでいて現地に行けません。何から始めればいいですか。

市区町村の窓口に電話し、り災証明の申請方法と期限を確認することです。期限は自治体ごとに違い、過ぎると申請できなくなります。あわせて、被害状況の写真をどう用意すればよいかも聞いてください。多くの自治体が写真を求めており、乾いて片付いた後では被害を示せなくなります。

り災証明は代理で申請できますか。

委任状があれば代理申請を認めている自治体が多くあります。ただし様式や必要書類は自治体ごとに違うため、まず窓口に確認してください。マイナンバーカードがあればオンライン申請を受け付けている自治体もあります。

写真を撮ってもらうよう頼めますか。

頼めます。撮影自体は本人でなくてもできます。近隣の方、親戚、地元の業者に依頼してください。建物の全体と被害箇所ごと、そして浸水なら定規などを壁に当てて高さが分かる写真を撮ってもらってください。これは早いほどよく、乾く前が肝心です。

名義が亡くなった親のままです。手続きできますか。

そのままでは止まります。り災証明も支援制度も公費解体も、所有者が誰かを前提に進むためです。相続登記が済んでいない場合は、そこから着手する必要があります。相続人が複数いれば全員の関与が必要になることも多く、時間がかかります。

そのまま手放すことはできますか。

できる場合があります。修繕も片付けも先に済ませていただく必要はありません。ただし被害の事実は買主に伝える必要があり、名義が故人のままなら相続登記が前提になります。まず所在地と状況をお知らせいただければ、何が要るかを整理してお答えします。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷再建築不可市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

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片付け・解体・測量の費用を、先にご負担いただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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