犬を二匹飼っていた親の家を、片付けに入った子どもが玄関で立ち止まる。長年吸っていたタバコで、天井が黄色い。住んでいた本人には、もう分からない臭いです。
そういう家は、消臭やクロス張替えをしなくても、現況のまま売る道があります。分かれ目は、臭いが表面だけか、下地や設備まで染みているかです。
臭いは、内見の第一印象を決めてしまう
臭いは、入った瞬間に伝わります。写真や図面には出ないので、実際に来た人の印象だけで決まります。
買主が気にするのは、臭いそのものより、直るのかどうかです。壁紙だけなのか、床や天井、設備まで及ぶのか。張り替えても残るのか。
ペットなら柱や床の傷、ヤニなら付着した汚れが重なることもあります。工事が1か所で済むのか全体なのかも読めません。家族にアレルギーがあれば、それだけで避けられます。
売主が自分の家の臭いに気づきにくい、というのも厄介な点です。

湿気やカビが重なっているなら、雨漏りのある家の売却も合わせて読んでください。
表面だけか、奥まで染みているかを見分ける
消臭やクロス張替えで済むかは、臭いがどこまで及んでいるかで決まります。業者を呼ぶ前でも、自分で確かめる手がかりはあります。
| 確かめる場所 | 見るところ | 奥まで及んでいる手がかり |
|---|---|---|
| 壁紙(クロス) | 目立たない隅や、めくれた所の裏 | クロスの裏や下地のボードが黄ばみ・茶色く変色している |
| 床(フローリング・畳) | 継ぎ目、ペットがよくいた場所、トイレを置いていた場所 | 継ぎ目に染みや黒ずみがある。床材が浮いている・柔らかい |
| 天井・天井裏 | 喫煙していた部屋の天井、点検口から見える天井裏 | 天井が全体に黄ばむ。点検口を開けると臭いが強くなる |
| 換気扇・エアコン | 換気扇の羽根やフード、エアコンの吹き出し口 | ヤニがべたつく。運転すると臭いが強く出る |
| 部屋全体 | 窓を閉め切って数日おいた後に入る | 換気した直後より、閉め切った後のほうがはっきり臭う |
クロスの裏が変色していない、床の継ぎ目に染みがない、閉め切った後でも弱い。この三つが揃えば、表面の張替えで済む見込みがあります。下地や床、天井裏、設備に手がかりが出ていれば、クロスだけ替えても臭いは残ることがあります。
分からないうちは、工事を決めないでください。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
消臭して売る道は、直しても売値に戻らない
自分で動くなら、消臭・クロス張替えをして売る道と、仲介で現況のまま出す道があります。売る前に換気と掃除だけする手もありますが、見た目がよくなっても、染みついた臭いには届きにくい。
| 道 | 先に出る費用 | 限界 |
|---|---|---|
| 消臭・クロス張替えをして売る | 工事費 | 下地や床に染みていると残ることがある。売値に反映される保証はない |
| 仲介で現況のまま売り出す | 売れるまでの税と管理費 | 内見で敬遠されやすく、買主が見つかるまで時間がかかる |
費用の額は、広さと傷みで大きく変わるので、ここには書きません。直しても売値に戻るとは限りません。出す前に、売り先の条件を聞いてください。
売り方の違いは買取と仲介の違い、出口全体はいらない土地の処分方法に書いています。
臭いがあるなら、言葉で具体的に伝える
臭いがあると知っている以上、現況のまま売る場合でも、伝えるのが前提です。黙って売ると、あとで責任を問われるおそれがあります。民法572条は、こう定めています。
売主は、第五百六十二条第一項本文又は第五百六十五条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。
引き渡した建物が契約の内容に適合しないとき、買主は追完などを請求できます(562条)。買主が不適合を知った時から1年以内に通知しないと請求できなくなる定めもあります(566条)。
ただ、売主が引渡しの時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかったときは、この1年の制限はかかりません(同条ただし書)。知っていて黙って売った売主は、この期間では守られない、ということです。
臭いは数字で測れません。だから言葉で、具体的に。ペットかタバコか、どの部屋で強いか、どのくらいの期間か、柱や床の傷や壁紙の変色はあるか、掃除や換気や張替えをもうしたか。
仲介で売るなら、売主が建物の状態を書いて買主に渡す物件状況報告書(告知書)を使うことが多くあります。様式は仲介会社で違い、臭いの専用欄がなければ備考に書きます。
内見の前に買主へ伝えてもらえば、知ったうえで見に来る人だけになり、内見のあとで話が止まるのを減らせます。
現況渡しの考え方は現況渡しとは、残置物が多いなら残置物の処分費用はいくら?にあります。
当社が見る点
当社は、消臭も片付けもしていない状態の相談を、空き家の買取相談として受けています。臭いの広がりや原因の調査は当社で行うので、業者探しから始める必要はありません。
当社が現況のまま引き受けた例には、築年が分からず、雨漏りがあり、家財も残ったままの家があります。雨漏りは雨漏りのまま、家財は家財のまま、現地には当社が行きました(取り扱い例)。直してからでないと相談できない、ということはありません。
- 臭いの種類と強い場所、続いた期間
- 建物の状態と築年数、床や柱の傷み
- 接道・権利関係などの土地の条件と、残置物の有無
お引き受けになることもあります。他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。
見積もりを取る前に、臭いごと渡せるか
直しても残るかもしれない工事に、先に費用を出さずに済む順番があります。現況のまま相談する道です。

所在地と、臭いが気になる場所の写真を送ってください。返事は翌営業日までにお返しします。遠方でも、現地にお越しいただかずに契約から決済まで進められます。
税務や法務の判断は、税理士・司法書士・弁護士にご確認ください。
よくある質問
ペットの臭いが残る家は、消臭しないと売れませんか。
消臭しないと売れないと決まったわけではありません。臭いは内見の第一印象に出やすく、買主の判断が止まりやすいので、売り先が狭まる、というのが実際のところです。
クロスを張り替えれば、臭いは消えますか。
表面を替えても、下地や床、天井、設備に染みた臭いが残ることがあります。見積もりを取る前に、臭いがどこまで及んでいるかを確かめてください。
臭いがあるのを黙って売ったら、どうなりますか。
民法572条は、売主が知りながら告げなかった事実について、責任を負わない特約をしても免れないと定めています。知っている臭いは買主に伝えるのが前提です。個別の判断は弁護士にご確認ください。
自分では臭いが分かりません。どうすればいいですか。
長く住んだ家の臭いは、住んでいる人には気づきにくいものです。家族以外の人に入ってもらい、どこでどう感じるかを聞いてください。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
このような物件のご相談は、訳あり不動産の買取相談のページへ。
「売れない」と言われた不動産を、どうするか
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相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。
片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
どこで断られたかを伺うことはしません。断られた理由の方が、判断に必要です。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

