3社目にも「うちでは扱えない」と言われ、次に電話した会社には、話を進める前に調査費を求められた。負動産を手放す業者を探していると、こういう場面に続けて当たります。
業者の比べ方そのものは、訳あり物件の買取業者の選び方と空き家の買取業者は何で比べるに書きました。ここでは、断られたあとに次の相手をどう探すかと、費用を前払いで求められたときの見方に絞ります。
最初に見るのは、業者の名前ではなく、これまでに断られた理由です。理由が分かると、次に当たる相手が変わります。
断られた理由を聞いたか
何社かに断られたとき、多くの人は「うちの物件は誰も引き受けない」と考えます。実際には、断る理由は物件ごとに違います。
理由は、大きく4つに分かれます。値が付かない、接道や境界などの権利が整っていない、建物の状態が悪い、場所が遠い。この4つのどれかで、次に当たるべき相手が変わります。
値が付かないと言われたのが仲介の会社なら、買主を探すのではなく自分が買う、買い取る会社に当たります。権利の問題なら、名義は司法書士、境界は土地家屋調査士に何が足りないかを聞くか、整っていないまま話を聞く会社を探します。
建物の状態が理由なら、解体の見積りを取る前に、建物があるまま相談を受ける会社に一度聞いてみます。遠いことが理由なら、物件のある地域の不動産会社か、遠方でも現地を見に行く会社に当たります。
兵庫県加東市の事例では、売主様は最初に相談した先で断られていました。前面道路が私道、建物が未登記、水道が隣地と共同、都市計画区域外。どれか1つなら扱う会社はありますが、4つ重なるとほぼ全部の会社が手を引いた物件です(加東市の事例)。
断られた会社に、理由を一言だけ聞き直す。それだけで、次の相談の中身が変わります。
引き受ける側は、4種類に分かれる
不動産会社と言っても、手放したい人が頼める相手は一つではありません。何をしてくれるのかが違います。
| 種類 | 何をするか | 手放せるか |
|---|---|---|
| 買い取る会社 | 売買で自分が所有者になる | 売買が成立すれば、手放せる |
| 仲介の会社 | 買主を探し、売買をまとめる | 買主が見つかるかどうかで決まる |
| 片付け・解体の会社 | 作業を請け負う | 作業は終わるが、不動産は残る |
| 国の制度(相続土地国庫帰属制度) | 相続や遺贈で土地を取得した相続人が申請し、承認されると土地が国に帰属する。負担金の納付が要る | 要件に合う土地だけが対象 |
国の制度の負担金は、法務省の案内では、土地の種目ごとに10年分の標準的な管理費用を考慮して算定されます(法務省 相続土地国庫帰属制度)。使えない土地の条件も、同じ法務省のページに載っています。
仲介の報酬は、宅地建物取引業法46条で、代理または媒介の報酬の額を国土交通大臣が定め、業者はその額を超えて受け取れないとされています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。
買主が見つかりにくい物件では、仲介は時間がかかります。手放すことが目的なら、買い取る会社に当たるのが近道になる場面があります。買取と仲介の違いは買取と仲介の違いに書いています。
片付けや解体を済ませてから相談したほうがよいかどうかは、物件によります。片付けだけで終わらせず、手放す相手を決めてから作業に入る順番もあります(残置物の処分費用)。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
免許は、番号で検索する
宅地や建物の売買を業として行うには、宅地建物取引業の免許が要ります。宅地建物取引業法3条は、事務所の置き方に応じて、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければならないと定めています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。
免許は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで調べられます。掲載情報は許可等行政庁が登録したもので、月2回の頻度で更新されると、同システムの案内に書かれています。
調べるのは、会社名と免許番号が合っているか、事務所の所在地が実在するかです。名刺やサイトに書かれた番号をそのまま検索します。
気をつけたいのは、負動産に多い山林や原野です。国民生活センターが2018年(平成30年)1月25日に出した原野商法の二次被害の注意喚起は、山林や原野などの土地は宅地ではないため、基本的には宅地建物取引業法の適用はないとしています。
山林や原野では、免許の有無だけで業者を見分けることはできません。
同じ注意喚起は、宅地建物取引業の免許を持っていても安易に信用しないように、とも呼びかけています。免許は入り口にすぎません。

契約前に、書面で聞く6点
売れない物件の引き受けでは、金額よりも、条件の書き方でトラブルが分かれます。契約前に、次の6点を書面で出してもらいます。
| 聞くこと | 引っかかる答え |
|---|---|
| 誰が買う(引き受ける)のか。会社名と免許番号 | 社名や免許番号を言わない |
| 買取(その会社が買う)か、仲介(買う人を探す)か | 「買い手を探します」だけで、いつまでに見つからなければどうなるかが書面にない |
| 費用が出るなら、名目と金額と払う時期 | 「諸費用」とだけ言い、内訳がない |
| 名義変更と、代金や費用の精算を、いつ行うか | 精算が先で、名義変更の時期が曖昧 |
| 現況のまま引き渡す場合の、売主の責任の範囲 | 「何も責任はない」と言い切る |
| 解除や白紙になる条件 | 契約書に書かれていない |
5つ目は、条文から整理できます。民法572条は、担保責任を負わない旨の特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れないと定めています。現況渡しでも、知っている不具合は伝えるのが前提です。
引き渡した物の品質が契約の内容に合わないとき、買主は追完などを請求でき(民法562条)、不適合を知った時から1年以内に通知しないと請求できなくなる定めもあります(同566条)。現況渡しの考え方は現況渡しとはで整理しています。
原野や山林は、「あなたの土地を買い取る」という勧誘で、手続き費用や税金対策の名目の請求を受ける被害が出ています。2018年1月の同センターの発表では、売るために調査や整地が要ると言って費用を請求する手口も挙げられています。
同じ発表で国民生活センターは、こうした話はきっぱり断る、根拠がはっきりしない請求には支払わない、おかしいと思ったら消費生活センターに相談する、と案内しています。
原野商法の二次被害については、原野商法で買った土地を処分したいに書いています。契約の前に費用を求められたときは、この注意書きを思い出してください。
契約前に費用を求められたとき
他社から費用を求められたとき、それだけで悪い会社とは限りません。見るのは、費用の中身と、払う時期です。決済のときに精算されるのか、契約前に調査費や広告費を先に払うのか。この違いは、あとで大きく効いてきます。
契約前に調査費や広告費を求められたら、何の作業に使うのか、金額、払う時期、話がまとまらなかったときに返ってくるのかを、書面で出してもらいます。
書面を出さない、その場で払うよう急かす、向こうから電話や訪問で持ちかけてきた買取話で先に費用を求める。こうした場面では、払わずに断ってかまいません。迷ったときは、消費者ホットライン188で近くの消費生活センターを案内してもらえます。

断られた理由ごと、そのまま見せてください
当社は、売れない物件、いわゆる負動産を、現況のまま取り扱う相談を受けています。片付けも解体も測量も、済ませていただく必要はありません。まず訳あり不動産の相談から、状況をお知らせください。
他社に断られた物件は、断られた理由ごと教えてください。理由が分かっていれば、当社が何を確認すればよいかが早く決まります。
当社が確認するのは、次のような点です。
- 断られた理由と、そのときに言われた内容
- 接道、境界、登記の名義など、権利の状態
- 建物の状態と、残っている家財の量
他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。引き受けられるかどうかは、物件ごとに判断します。
売れない土地や家の種類によっては、売れない土地の処分方法と地方の空き家が売れない理由も参考になります。税務や法務の判断は、税理士・司法書士・弁護士へご確認ください。
ご相談への返事は翌営業日までにお返しします。断られたときに言われた言葉は、メモ書きのままで構いませんので、所在地と一緒にお送りください。
よくある質問
3社に断られました。もう手放せないんでしょうか。
断られた理由によります。値が付かないだけなのか、接道や権利の整理が足りないのか、建物の状態なのかで、次に当たる相手が変わります。理由を聞いてから、あらためて相談してみてください。
手放すのにお金がかかると言われました。それは普通のことですか。
会社によって扱いが分かれます。見るのは、費用の内訳と、いつ払うかです。契約前に調査費や手続き費用を先に求められたときは、いったん立ち止まって、書面で内訳を出してもらってください。
免許を持っている業者なら任せて大丈夫ですか。
免許は最低限の目安です。国民生活センターは、免許を持っていても安易に信用しないよう呼びかけています。山林や原野は基本的に宅地建物取引業法の対象外なので、契約書の中身と費用の根拠を書面で出してもらってください。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
地域ごとの事情は、加東市の空き家の手放し方のページにまとめています。
「売れない」と言われた不動産を、どうするか
どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。
相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。
片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
どこで断られたかを伺うことはしません。断られた理由の方が、判断に必要です。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

