リゾートマンションを手放したい|管理費が続き0円でも売れない訳

管理費と修繕積立金の引き落としだけが続いて、最後に部屋を使ったのがいつだったか思い出せない。手放したいという相談では、「0円でもいいので」という言葉が繰り返し出てきます。ところが、0円にしても売れにくいのです。

買った人が管理費・修繕積立金・税金を毎年負担し、滞納があればその精算まで引き継ぐからです。

使わない部屋を持ち続けるなら、本題は「いくらで手放せるか」より「いつ負担が止まるか」です。手放す道は、仲介で売る・買取に出す・無償で譲る・管理組合や管理会社に相談するの4つで、どれを選ぶにも、先に年額と滞納を押さえておくと進めやすくなります。

目次

リゾートマンションで、毎年出ていくもの

持っているだけで毎年出ていくのは、次の3つです。管理費は共用部分の管理・清掃・管理人などの費用で、使っていなくても請求されます。修繕積立金は将来の大規模修繕のための積立で、足りなければ一時金を求められることがあります。

固定資産税・都市計画税は、区分所有でも毎年かかります。温泉・大浴場・プールなどの共用施設があれば、その維持費や利用料も加わり、施設の中身は物件ごとに違います。

金額は物件ごとに大きく違うので、ここには書きません。管理組合か管理会社の請求書で年額を見てください。リゾートマンションは通常のマンションより共用施設が多く、管理費が高くなる例があります。

使う頻度が低いほど、負担と便益の差は開きます。「手放したい」と考える一番の理由は、たいていここです。

管理費・修繕積立金・固定資産税の年額を足して、「あと何年持つといくら出るか」を出しておくと、売る・譲る・買取に出すときも相手に数字を示せて、話が早くなります。

リゾートマンションが売れない理由は、0円でも買い手が負担を引き継ぐから

売値を下げても売れない理由は、価格ではなく買った後の負担にあります。買い手は、買った日から管理費と修繕積立金を払い始めます。積立が足りなければ、大規模修繕の一時金が回ってきます。

前の所有者の滞納も、請求の対象になります。民泊や貸し出しができるかは管理規約で決まり、できなければ収入で負担を埋めることもできません。

そして、買ったあとに自分も手放せないかもしれません。買い手も、自分が手放せない物件は買いません。リゾートマンションは買い手が限られるため、「タダならもらう」という人が現れにくくなります。

滞納があると、どうなるか

管理費の滞納があると、区分所有法の定めが関わってきます。

区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。

——区分所有法第7条第1項(e-Gov法令検索)

前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

——区分所有法第8条

先取特権とは、ほかの債権者より先に、その区分所有権から回収できる権利のことです。条文上、この権利を持つのはほかの区分所有者と、管理者・管理組合法人です。特定承継人とは、売買などで区分所有権を引き継いだ人のことです。

つまり滞納した管理費は、買った人にも請求できます。

だから売却の場面では、滞納分は決済のときに売主が精算するのが通常です。滞納を残したまま手放せるわけではありません。滞納がある場合の考え方は、別荘地の管理費を扱った別荘地の管理費が払えないも参考になります。

滞納したままマンションを売れるかを中心に知りたいときは、管理費を滞納したままマンションは売れる?にまとめています。

リゾートマンションの滞納と先取特権、買い手への請求の流れを示した図解
滞納分の請求は買い手にも及ぶため、精算は決済でする

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

売れないリゾートマンションを出す前に、手元に揃えるもの

買取や仲介に出す前に、手元にあると話が早いものがあります。管理費・修繕積立金の年額と、滞納の有無・金額。管理規約(民泊や貸し出し、名義変更に条件がないか)。

修繕積立金の残高と、大規模修繕の予定・一時金の見込み。温泉・大浴場などの共用施設の維持費・利用料。会員制施設の権利が付いている場合は、その名義変更の条件です。

どれも管理会社か管理組合に問い合わせれば分かります。買い手が最初に聞くのもこの項目なので、揃えておくと相談先との話が早く進みます。

管理会社が出す「重要事項調査報告書」を取る

売却のときに、上の項目をまとめて見られる書類があります。管理会社が、売却の依頼を受けた宅建業者や所有者に出す開示書面で、一般に重要事項調査報告書と呼ばれます(名称は管理会社によって違います)。

国土交通省のマンション標準管理委託契約書(第15条・別表第5)は、管理組合と管理会社が結ぶ契約のひな形で、開示する事項を次のように定めています。実際の扱いは、その管理組合の契約によります。

書面に載る主な事項買い手にとっての意味
売主の管理費・修繕積立金・修繕一時金の額と、滞納額決済で精算する額が分かる
管理組合の収支、修繕積立金会計の残高、借入金の残高積立が足りているかの目安になる
管理費・修繕積立金の変更予定買った後に負担が上がるかが分かる
長期修繕計画の有無、大規模修繕工事の予定一時金を求められる見込みが分かる
専有部分の用途(住宅宿泊事業が可か不可か)、ペット・工事などの制限民泊で使えるかが分かる

取り方は、売却を依頼した宅建業者が管理会社に書面で申し込むのが一般的です。ひな形では、所有者本人が売却のための情報収集として求めた場合も同じように扱うとしています。管理会社の窓口に、申込の方法を問い合わせてください。

発行手数料について、ひな形は管理会社がこの業務の費用を開示を受ける相手から受け取れると定めています。金額は管理会社ごとに違うので、申し込むときに聞いておきます。

リゾートマンションでは、民泊ができるか、貸し出せるかが、買い手が値段を付けられるかどうかに直結します。住宅宿泊事業が「不可」とされていれば、民泊で収入を得たい人は買い手になりません。貸し出しの制限は、管理規約と使用細則に書かれています。

手放す道は、4つあります

道中身向いている場合注意点
仲介で売る一般の買い手を探す値下げに応じる余裕がある買い手が限られ、時間がかかる
買取に出す業者が直接買い取る早く手放したい価格は仲介より低くなりやすい。条件によっては成立しない
無償で譲る親族・知人などに渡す受け取る人が決まっている受け手や譲り手に税金がかかることがある(下で説明)
管理組合・管理会社に相談する譲渡先の情報などを聞く滞納があり、規約の読み込みが必要譲り受けまでは約束されない

表の4つのほかに、当社のようにお引き受けを相談できる先もあります。他で断られた物件も、物件ごとに見て引き受けられる場合があります。

無償で譲るときの税金

0円で譲っても、税金がかからないとは限りません。

  • 受け手が個人の場合:贈与税の対象になります。贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産の合計から基礎控除110万円を差し引いた残りにかかります(国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合)。
  • 受け手が法人の場合:贈与税ではなく、法人の側で、無償で受け取った資産が益金として法人税の計算に入ります(法人税法第22条第2項)。
  • 個人が法人に譲る場合の譲り手:その時の価額で譲渡したものとみなされ、譲り手の側で譲渡所得の計算が必要になります(所得税法第59条第1項第1号)。

このほか、名義変更の登録免許税や不動産取得税が受け手にかかります。費用の全体は土地をタダであげる費用と税金で整理しています。個別の税額は、税理士か税務署に聞いてください。

建物のある区分所有は、相続土地国庫帰属制度の対象にもなりません。引き受ける相手が見つからないと、費用が止まる道がありません。共有名義の物件の扱いは共有持分だけ売れる?に、管理契約が残る理由は別荘地の管理契約は解約できる?にあります。

親から相続して、使う予定がないとき

親から相続したリゾートマンションを使わないなら、選べる道が少し変わります。相続放棄は、放棄をすると、その相続については初めから相続人でなかったことになります(民法第939条)。

リゾートマンションだけを放棄することはできず、預貯金なども含めてすべての財産が対象です。期限は、原則として自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です(民法第915条第1項。家庭裁判所に請求して延ばせる場合があります)。

相続土地国庫帰属制度は、建物がある土地は対象にならないため、リゾートマンションには使えません。残るのは、ほかの財産は受け取ったうえで、リゾートマンションだけを上の表の道(売る・買取に出す・譲る)や、お引き受けの相談で手放す形です。

放棄の期限と管理費の扱いはリゾートマンションの相続放棄に、相続したあとで管理費の滞納が見つかったときはリゾートマンションの管理費滞納を相続したらにあります。

放棄した後に残る管理の責任については、相続放棄しても管理義務は残る?で説明しています。放棄するかどうかは、ほかの財産や借金も含めて決めることなので、迷うときは弁護士か司法書士にご相談ください。

業者に出すなら、条件を並べて比べる

業者に出すと、買い手を探す手間がないのが利点です。1社で決めず、条件を2〜3社で並べてください。買取かお引き受けか、滞納の精算、引き渡しの時期を見比べます。

滞納額は、自分から伝えられる形にしておくこと。後で分かると、条件が変わります。決済までに管理会社の開示書面(重要事項調査報告書)が必要になることがあるので、時間に余裕を持っておくと安心です。

当社は、リゾートマンションについても、管理費の滞納額や管理規約を見たうえで、引き受けられるかを個別に判断しています。建物の状態と築年数も見ます。現況のままで、片付けや解体は不要です。遠方にお住まいの方でも、現地にお越しいただかずに契約から決済まで進められます。

リゾートマンションの屋上から見たスキー場のリフトと山
スキー場に面したリゾートマンションの一室

お引き受けできるかは、年間の管理費・修繕積立金の額、滞納額(決済で精算が必要な額)、修繕の予定(大規模修繕の時期、一時金や積立金の値上げの見込み)で判断します。管理会社の開示書面があれば、この3つがまとめて分かります。

その判断は、資料を見てからお伝えします。物件の種類を問わない全体のご案内は、訳あり物件の買取相談のページにまとめています。

条件によっては、お引き受けできないこともあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。

リゾートマンションを手放す4つの道と、それぞれの入口の条件の図解
道ごとに、入口の条件が違う。先に年額と滞納を確かめる

手元に今年の管理費の請求書が1枚あれば、そこから話ができます。

本稿は2026年10月16日時点の法令にもとづきます。管理規約や費用は物件ごとに違います。法律に関わる点は弁護士へ、税金は税理士へ、登記は司法書士へご確認ください。

よくある質問

0円でもいいので、手放せませんか。

代金が0円でも、買った人は管理費・修繕積立金・固定資産税を毎年負担し、将来の大規模修繕の一時金を求められることもあります。出口が見えない物件を受け取ることになるため、価格より持ち続ける費用で、買い手がためらいます。

他で断られた物件でも、物件ごとに見て引き受けられる場合があります。

管理費を滞納しているけれど、このまま売れますか。

手放すことはできますが、滞納は残ります。区分所有法7条1項は、管理費などの債権について、ほかの区分所有者と、管理者・管理組合法人が、滞納した人の区分所有権に先取特権を持つと定めています。

8条により、その債権は買った人(特定承継人)にも請求できるため、売却の場面では決済で精算するのが通常です。滞納額が大きいと、買い手が付きにくくなります。

買取と、お引き受けは、何が違うのですか。

買取は、業者が物件を買い取る形です。お引き受けは、他で断られた物件でも、物件ごとに見て引き受けられる場合がある、という当社の受け方です。どちらの話をしているのか、業者から話を聞くときに最初に確かめてください。

親から相続したけれど使いません。どうすればいいですか。

相続放棄をすると、リゾートマンションだけでなく預貯金なども含めて、初めから相続人でなかったことになります。原則として、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きをします。

建物がある区分所有は相続土地国庫帰属制度の対象にならないため、相続したうえで売る・譲る・お引き受けを考えることになります。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

「売れない」と言われた不動産を、どうするか

どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。

相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。

片付け・解体・測量の費用を、先にご負担いただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。

資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

どこで断られたかを伺うことはしません。断られた理由の方が、判断に必要です。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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