古家付き土地は解体せずに売れる?更地にする前に比べる3つの違い

草に埋もれた敷地に積まれた古材とブルーシート

解体費の見積もりを取ったら、思っていた額の倍近くだった。そこで手が止まっている古家付き土地の持ち主に向けて、壊さずに売れるのかを書きます。

答えは、売れる場合があります。古家付き土地のまま仲介に出す道と、現況のまま買取を相談する道があり、どちらも売る前に解体を済ませる必要はありません。分かれ目は、壊す費用を先に出すのか、壊さずに売り先を探すのかです。

目次

古家付き土地を買う人は、古家を負担に見る

買う人の多くは、建物を壊して新しく建てたい人です。その人から見ると、古い建物は解体の手間と費用に映ります。値引きを求められるのは、そのためです。

建物を使って住みたい人もいますが、雨漏りやシロアリの範囲が分からないと買えません。築年数が古いと、融資の対象になりにくいこともあります。家財が残っていれば、その片付けも買主の負担と見られます。

買主から見て負担が見えないほど、売り先は狭まります。地方は買主そのものが少ないので、時間もかかります。

解体すると、税と手続きはどう変わるか
解体すると、税の特例と登記がこう動く

地方の空き家が売れにくい仕組みは、地方の空き家が売れない3つの理由に書いています。

壊す前に、建て直せる土地かを見る

再建築不可の土地や市街化調整区域では、壊すと新しく建てられないことがあります。そのわけは空き家の解体費用は何で決まる?に書きました。建て直せるかは、市区町村の建築指導課(建築担当)で接道や区域の指定を聞けば分かります。聞く前に解体を契約しないこと。

相続した空き家なら、一定の要件で譲渡所得から3,000万円を控除できる特例もあります(租税特別措置法35条3項)。

対象は昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、譲渡の時に一定の耐震基準を満たすか、家屋を全部取り壊してから敷地を売ることが要件です。売ったあと、その年の翌年2月15日までに耐震基準を満たすか取り壊した場合も対象になります。

令和6年1月1日以後の譲渡で、その家屋と敷地を相続または遺贈で取得した相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円までです。特例の対象は令和9年12月31日までの売却です。

解体の前に国税庁のタックスアンサー(No.3306)を読み、税務署か税理士に確かめてください。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

更地で売る場合と、古家付きで売る場合

更地にすれば売りやすくなる、とは限りません。最初に出る費用と、その後の負担が変わるだけです。

解体して更地で売る古家付き土地として売る
最初に出る費用解体費と滅失登記の費用解体費は出ない
固定資産税住宅用地の特例が外れる場合がある建物が残っていれば特例が続く場合が多い。勧告を受けると外れる
買主新築したい人に説明しやすい壊すか使うかを買主が選ぶ
売れるまで更地のほうが短い場合もある条件の合う買主を待つ

手残りで比べるなら、解体して売る場合は「売値 − 解体費 − 滅失登記の費用 − 売れるまでの税と管理費」。古家付きなら「売値(解体費分の値引きを含む) − 売れるまでの税と管理費」。

金額は物件で違うので、見積もりを取ってから当てはめてください。更地にしても、売れるまでが短くなる保証はありません。

買主は、古家付き土地の値段をどう付けるか

多くの場合は、更地の値段から、買主が負う手間と費用を引いて考えます。壊して建てたい買主が引くのは、解体費、残置物の処分費、手間と時間、そして壊してみないと分からない部分です。地中に埋まった物や、解体時に追加の費用が出そうな材料がそれに当たります。

資料が何もないと、買主は分からない分を多めに見込みます。値引きの幅が広がるのは、ほぼここです。

見積もりが無いと、値引きの話は買主の見込みから始まりがちです。「壊すならこのくらいはかかる」という額に、分からない部分の余裕を上乗せした数字が出てきます。売主の手元に比べる数字が無いので、その額が高いのかどうかを言い返せません。

見積書が1枚あると、話の出発点が変わります。

買主の示す値引きを、見積額と並べて話せるからです。差が大きければ、どこを多めに見込んだのかを聞けます。

それでも、見積もりに入らない部分は残ります。地中の埋設物や、壊してみて分かる材料は、見積書でも別途の扱いになりやすく、買主はその分をなお見込みます。値引きが見積額ちょうどに収まるとは限りません。

売主にできるのは、分からない部分を減らすこと。解体の見積もりを1社でも取っておく。建てた時期、増改築、雨漏りなど知っている傷みを書き出す。残置物をどこまで残すかを決める。

見積もりを取ることと、解体を契約することは別です。取っても、壊すかどうかは売り方を比べてから決めてください。

住むために買う人は、解体費ではなく、直して住めるまでの費用を引いて考えます。同じ古家でも、どちらの買主に向けるかで値段の付き方が変わります。

壊すと変わる、税と登記

固定資産税は、1月1日の状況で決まります(地方税法359条)。住宅用地の特例(同349条の3の2)は、壊して住宅の敷地でなくなると外れる場合があります。

12月に壊すと、翌年1月1日にはもう住宅の敷地ではないので、翌年度から特例が外れることがあります。壊す時期は、売る時期とあわせて決めてください。

建物が残っていても、特定空家等や管理不全空家等として勧告を受けると、特例の対象から外れます(同条第1項)。古家を置いて売るなら、傷みを放置しないのが前提です。

壊したら、滅失の日から1か月以内に滅失の登記です(不動産登記法57条)。

税の考え方は空き家を解体すると固定資産税は上がる?、滅失登記の流れは公費解体の後の手続きに書いています。

自分で動く道には、待ち時間がついてくる

解体して更地で売る道は、売れる前に解体費を立て替えることになります。補助金があっても、条件と着手の時期に縛りがあります。仲介で古家付きのまま出す道は、買主が見つかるまで時間がかかり、その間も税と管理の手間が続きます。

解体補助金は、年度と予算で締め切られ、対象外になる建物も多い。

補助金は自治体と年度で条件が違います。対象外になりやすいケースは空き家の解体補助金は条件が違う、費用が出せないときは空き家の解体費用が払えないを読んでみてください。

古家付き土地の3つの出口
壊す前に、壊さない道を比べる

売り方の違いは買取と仲介の違いにあります。

建物の傷みは、知っているなら伝える

建物の傷みを知っているなら、古家付き土地でも伝えるのが前提です。売主が知りながら告げなかった事実は、責任を負わない特約をしても免れません(民法572条。e-Gov法令検索)。

引き渡した目的物が契約の内容に適合しないとき、買主は追完などを請求できます(562条)。種類または品質の不適合は、買主が知った時から1年以内の通知が要ります。ただ、売主が引渡しの時に不適合を知っていた場合などは、この期間制限を使えません(566条ただし書)。

現況渡しの考え方は現況渡しとは、残置物が多いときは残置物の処分費用はいくら?にあります。

当社が見る点

当社は、解体も片付けもしていない古家付き土地の相談を、訳あり物件の買取相談として受けています。建物の調査は当社で行うので、業者探しから始める必要はありません。

当社に届く相談では、「壊す費用が出ない」で止まっている方が目立ちます。築60年を超える木造で、残置物が多く、境界も示せない平家を、片付けも測量も求めずに現況のまま引き受けた例もあります(取り扱い例)。

  • 建物の状態と築年数、雨漏りや傾きなどの傷み
  • 接道・権利関係・境界などの土地の条件と、残置物の有無
  • アスベストなど、解体時に追加の費用が出そうな材料の心当たり

お引き受けになることもあります。他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。

見積もりを取る前に、今のまま渡せるか聞く

壊すと決める前に、壊さない道も当たってみてください。現況のまま買取になる場合と、お引き受けする形になる場合があります。どちらかは、見てからのお返事です。

所在地と、外観・室内の写真があれば足ります。返事は翌営業日までにお返しします。遠方でも、現地にお越しいただかずに契約から決済まで進められます。

税務や法務の判断は、税理士・司法書士・弁護士にご確認ください。

よくある質問

古い家が建ったままの土地でも、壊さずに売れますか。

売れないと決まったわけではありません。古い建物が付いたまま売る形を「古家付き土地」と呼びます。買主が建物を使うのか壊すのかで、売り先も条件も変わります。

壊すと固定資産税が上がると聞きました。

住宅用地には、課税標準を価格の3分の1とし、住居1戸につき200平方メートルまでの部分は6分の1とする特例があります(地方税法349条の3の2)。

建物を壊して住宅の敷地でなくなると、この特例の対象から外れる場合があり、課税は1月1日時点の状況で決まります。扱いは自治体にご確認ください。

建物を壊したら、何か手続きがありますか。

滅失の日から1か月以内に、滅失の登記を申請します(不動産登記法57条)。司法書士や土地家屋調査士に聞くのが早いです。

解体費が出せません。壊さずに相談してもいいですか。

できます。建物の状態と築年数、土地の条件、残置物を伺ったうえで個別に判断します。解体や片付けを先に済ませていただく必要はありません。

補助金を使うなら、工事の契約の前に窓口へ。着手してからの申請は対象外になる例があります。条件によっては、成立しないこともあります。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

このような物件のご相談は、訳あり不動産の買取相談のページへ。

「売れない」と言われた不動産を、どうするか

どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。

相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。

片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。

資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

どこで断られたかを伺うことはしません。断られた理由の方が、判断に必要です。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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