沖縄県で空き家の解体補助金を探していて、那覇市の家なら、ここに書く制度が使えるかもしれません。
那覇市の空家等除却費補助金は、接道しない敷地、または42条2項道路に接する敷地にある古い空き家が対象で、補助は経費の5分の2・上限20万円、募集は令和8年11月13日(金)までの先着順です。
解体の補助は市町村ごとに募集要領が別なので、那覇市以外の家は、所在する市町村の窓口で同じ制度があるかを聞いてください。ここで書くのは那覇市の制度で、市の募集要領(令和8年5月7日、一部改定 令和8年9月1日)にもとづいています。
対象の条件、金額、手続きの順番、枠が埋まった方や条件から外れた方が壊さずに手放す道もあわせて整理しました。
那覇市の解体補助金は、何が使えますか
2本立てで、募集予定は合計8件です。どちらも先着順で、予定件数に達した時点で受付が終わります。
不良住宅等除却費補助金は、補助率が経費の5分の4、上限は40万円(国庫補助の状況で下回ることがあります)、募集予定は3件で、対象は特定空家等、または不良度の評点100点以上の不良住宅です。
特定空家等とは、放置すると倒壊の危険や衛生上の問題が出るおそれがあり、市が審議会を経て認定した空き家のことで、自分で名乗って申し込む制度ではありません。
空家等除却費補助金は、補助率が経費の5分の2、上限は20万円、募集予定は5件で、下のa〜gにすべて当てはまる空き家が対象です。どちらも募集期間は令和8年5月7日から11月13日までです。
多くの方が当てはまるのは後者で、傷みの度合いではなく、敷地の条件で入口が決まります。
どんな空き家が対象になりますか
空家等除却費補助金は、次のa〜gにすべて当てはまることが条件です。1つでも外れると対象外です。
| 要件 | 内容(募集要領の表1から) |
|---|---|
| a | 一戸建て・長屋・共同住宅。店舗兼住宅は、住宅部分の床面積が2分の1以上 |
| b | 空家特措法第22条第3項の命令を受けていない |
| c | 昭和56年5月31日以前に建築された |
| d | 敷地が建築基準法43条1項・2項に適合しないか、42条2項の道路に接している |
| e | 抵当権など所有権以外の権利がない(権利者が解体に同意していれば可) |
| f | その空き家について、国や自治体から他の補助金を受けていない |
| g | 公共事業による移転・建替えなどの補償対象ではない |
いちばん絞りが強いのはdです。市の趣旨にも「建築基準法に基づく道路に接道しない宅地等において、老朽化した家屋が空家等となって取り残されている」とあります。
43条は、建物を建てる敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないという接道義務の条文で、1項がその原則、2項は例外的に許可などで認める場合を定めています。募集要領の文言は、この義務を満たさない敷地を対象にしていると読めます。
42条2項道路は、幅が4mに満たない昔からの道で、建築基準法上は道路とみなされるもの(みなし道路)です。
つまり、那覇市のこの補助金は、建て直しに制約のある敷地の古い空き家を壊すためのものです。どの敷地が該当するかは市の事前調査で判定されるので、自己判断では決まりません。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
補助額は、実際にはいくらになりますか
空家等除却費補助金は、経費の5分の2と上限20万円のうち低いほうです(千円未満切り捨て)。経費が40万円なら補助は16万円、50万円でちょうど上限の20万円に届き、100万円でも150万円でも補助は20万円で止まります。
この例は募集要領の補助率と上限額から計算したもので、実際の経費の算定は市の審査によります。
経費の計算には上限もあります。経費を延べ床面積で割った1平方メートル当たりの額が、国土交通大臣が定める標準建設費の除却工事費(交付決定時点の額)を超えるときは、その額に延べ床面積を掛けた額が経費とみなされます。
令和8年度は木造で36,000円、非木造で51,000円です。
家財の処分費は補助の対象外です。家具・電化製品・家庭ごみ・車両・機械などの処分費は経費から除かれます。一方で、塀などの付随する工作物の除去と、同じ敷地の立木の伐採処分費は含まれます。解体と家財の片付けは、費用を分けて見積もりを取ってください。
工事の中身にも条件があります。基礎やブロック塀、立木まですべて除却して更地にする工事であること、建設業法や建設リサイクル法に係る許可・登録を受けた事業者が行う工事であることです。
申請できるのは誰ですか
空家等の所有者または相続人(法人は除く)と、所有者または相続人の全員から同意を受けた方です。名義が亡くなった方のままでも、相続人として申請できる建て付けです。
所有者・相続人が複数いるときは、申請者分を除く全員の同意書が要り、相続人が申請するときは、相続関係図、遺産分割協議書、戸籍謄本の写し、法定相続情報一覧図の写しなどの書類一式がいります。
暴力団員または暴力団員と密接な関係のある方、当該年度中にすでに那覇市から補助金を受けて空き家を除却している方、市税を滞納している方は、補助対象者になれません。相続人が多いと、同意書と戸籍の収集に時間がかかり、募集期限が近いときは書類集めが最初の関門になります。
11月13日までに間に合う手順は
いきなり申請はできません。事前相談と事前調査を経て、交付決定を受けてから契約する順番です。
| 順番 | すること | 要点 |
|---|---|---|
| 1 | 事前相談(必須) | 要件に当てはまるか、必要書類は何かを聞く。来庁前に担当へ連絡 |
| 2 | 事前調査の申請 | 市の担当者が現地を調査。位置図・現場写真・登記事項証明書など |
| 3 | 事前調査結果の通知 | 要件に合っていれば交付申請ができる |
| 4 | 交付申請 | 2者以上の見積書(押印入り)、市税の完納証明、業者の許可の証明など |
| 5 | 交付決定の通知 | これを受けてから業者と請負契約を結ぶ |
| 6 | 解体工事 | 交付決定の年度の1月末までに完了 |
| 7 | 実績報告・請求 | 完了から14日以内または2月10日の早いほう |
交付決定の通知より先に契約すると、補助対象になりません。募集要領は、契約等の締結も「着手」に含めています。業者に急かされても、通知を受け取る前に契約書に押印しないでください。
本稿を公開した2026年11月1日の時点で、11月13日の締切まで2週間を切っています。その間に事前相談・事前調査・見積書2者分・同意書を揃える必要があり、間に合うかどうかは相続人の数と書類の揃い方次第です。
最初の一手は、市のまちなみ整備課(098-951-3251)への電話です。受付がまだ続いているか、枠が残っているかを聞きます。
11月1日に見た市の案内ページ(令和8年10月8日更新)では、募集期間は11月13日(金)までと案内されており、受付終了の告知は出ていませんでした。先着順のため、枠の残りはページからは分かりません。

枠が埋まった、または対象外のときは
外れるのは、昭和56年6月以降に建てた、敷地が接道の要件を満たしている(dに当たらない)、法人名義、相続人の全員から同意が取れない、市税の滞納がある、募集期限に間に合わない、5件の枠が埋まった、のどれかであることが多いです。
このときの道は、補助なしで自費で壊す、来年度の募集を待つ(同じ条件で募集されるかは市の発表次第です)、壊さずに手放す、のおおむね3つです。ほかの市の補助も含めた考え方は、補助金の受付が終わったときの選択肢にまとめています。
接道に問題のある敷地は、壊して更地になっても建て直しの制約が残ります。補助が20万円で止まるのに対して解体の費用は大きく、費用を出してまで壊す動機が生まれにくい土地です。
当社に届く相談でも「解体」は特に多く出てくる語で、「解体費が出せないから動けない」「解体と家財処分の費用がチャラになる金額が最低ライン」という声が、地域を問わず繰り返し寄せられています。
当社は、建物の状態と築年数を見て、建築基準法43条2項2号の許可の可否もあわせて調べたうえで、現況のままお引き受けできるかを判断しています。再建築不可であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはしていません。
再建築不可の買取相談では、調査は当社で行い、片付け・解体・測量は不要です。
他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。
お引き受けできるかは物件ごとの個別の判断で、条件によっては成立しないこともあります。
順番だけ、間違えないでください。先に壊してしまうと、補助金も、建物ごと手放す道も、どちらも消えます。壊すかどうかを決める前に、現況のままで話が進むかを聞いておくほうが、戻れる選択肢が多く残ります。
建て直せない土地そのものの扱いは、カミソリ地とは?再建築不可になる理由と売却の方法をご覧ください。
沖縄の空き家で、気をつけたいこと
沖縄県の空き家の事情は、本土と少し違います。沖縄県のページにも載せていますが、一戸建てのうち鉄筋・鉄骨コンクリート造の割合は87.9%(全国は3.7%)と突出して高くなっています。
沖縄県住生活基本計画(令和3年度~12年度)の第1章に載っている、平成30年住宅・土地統計調査の数字です。
コンクリート造は、木造より解体の費用がかさみやすいとされます。那覇市の補助で経費の上限に使う単価も、非木造のほうが高く設定されています(令和8年度は1平方メートル51,000円、木造は36,000円)。
上限20万円の補助では、費用の一部にしかなりません。補助金の条件は自治体ごとに違うので、空き家の解体補助金は自治体で条件が違うもあわせてご覧ください。
申し込む前に、手元でしておくこと
電話で枠を聞いたら、登記事項証明書を取って、名義と、抵当権などが残っていないかを見ます。昭和56年5月31日以前の建築かは、建築時期のわかる書類を探して見ます。相続人全員の同意が取れるかは早めに当たってください。
取れないなら別の道を考えたほうが早いこともあります。解体の見積書は2者以上に頼み、家財の処分費は別立てにしてもらいます。
解体の補助金の話が出る時期には、訪問営業も増えます。その場で契約せず、書面を持ち帰って比べてください。対象かどうかを決めるのは市であって、業者ではありません。
出典(那覇市の公式資料):令和8年度那覇市空家等除却費補助金 募集要領(令和8年5月7日、一部改定 令和8年9月1日) /那覇市不良住宅等除却費補助金および那覇市空家等除却費補助金(市の案内ページ) /沖縄県住生活基本計画 令和3年度~令和12年度(序章・1章)(第1章「構造別住宅の建て方」、資料:平成30年住宅・土地統計調査)
本稿は2026年11月1日時点(最終確認日)の公表内容にもとづきます。金額・期限・要件は変わるので、申請の前に市の最新の案内をご確認ください。相続登記・抵当権の抹消など登記に関わる手続きは司法書士へ、税金の取り扱いは税理士へご相談ください。
よくある質問
今から申し込んで、11月13日に間に合いますか。
募集期間は令和8年11月13日(金)までですが、先着順で、募集予定件数(空家等除却費補助金は5件、不良住宅等除却費補助金は3件)に達した時点で受付が終わります。
申請の前に事前相談と市の事前調査が要るので、まずまちなみ整備課(098-951-3251)に、受付が続いているかと枠の残りを電話で聞いてください。
古い家なら、どれでも補助が出るんですか。
出ません。空家等除却費補助金は、昭和56年5月31日以前の建築であることに加えて、敷地が建築基準法43条1項・2項に適合しないか、42条2項の道路に接していることが条件です。接道に問題のある敷地の空き家が対象で、当てはまるかは市の事前調査で判定されます。
親の名義のままなんですが、申請できますか。
補助対象者に「空家等の所有者又は相続人」が入っているので、相続人として申請できる建て付けです。相続人が複数いれば、全員の同意書と、戸籍・遺産分割協議書・法定相続情報一覧図の写しなどが要ります。登記の手続きは司法書士へご相談ください。
補助は結局いくら出ますか。
空家等除却費補助金は経費の5分の2で、上限は20万円です(千円未満切り捨て)。経費には、国土交通大臣が定める標準建設費の除却工事費(交付決定時点の額。
令和8年度は木造1平方メートル36,000円、非木造51,000円)を延べ床面積に掛けた額という上限もあります。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
地域ごとの事情は、那覇市の空き家の手放し方のページにまとめています。
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片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。所在地さえ分かればお答えできます。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

