実家じまいは何から始める?親の家の片付け・名義・売却の順番

玄関の棚に置かれた二本の鍵

親が住んでいた家を引き継いだものの、家財は残ったまま、名義も親のまま、何から手をつければいいのか分からない。実家じまいは、こうした状態から始まることが少なくありません。

多くの方が片付けから始めようとします。ですが、順番を変えるだけで、かかる費用も手間も変わります。親の家の片付けと売却は、どちらを先にするかで手残りが変わります。

目次

親の家を売るのは、親が存命かどうかで分かれる

親が亡くなっているか、まだご存命かで、売る手続きを動かせる人が変わります。

ご存命で名義も親のままなら、売れるのは親本人です。子が「親の家だから」と決めて進めることはできません。親が委任状を書いて任せる形はありますが、契約の相手方や司法書士は親の意思を確かめます。

施設に入って家が空いた、物忘れが出てきた、という段階でも、本人の意思がはっきりしているうちに話を聞いておくのが近道です。

判断能力が落ちていて売る意思を確かめられない場合は、契約そのものが無効になるおそれがあります(民法3条の2)。この場合は、家庭裁判所に成年後見人を選んでもらう手続きが必要です。

後見人が本人の住んでいた建物や敷地を売るときは、さらに家庭裁判所の許可が要ります(民法859条の3)。時間のかかる手続きなので、判断能力に不安が出た時点で、弁護士か司法書士に相談してください。

亡くなっている場合は、以降の順番どおり、名義の手続きから始まります。

先に片付けを始めると、何が起きるか

木々に飲み込まれたトタン屋根の建物と散乱した廃材
費用を出しても、売却先が決まっているとは限らない

家財の処分には費用がかかり、片付けを終えた時点で、まだ売却先は決まっていません。その後に「現況のままでも買い取ります」という相手が見つかれば、かけた費用は要らなかったことになります。

遠方にお住まいなら負担はさらに増えます。何度も現地へ通い、業者を手配して立ち会うことになります。

当社に届く相談でも、いちばん多く出てくる言葉は「解体」です。解体費や家財の処分費が出せず、そこで止まっている方が多くいます。「解体と家財処分の費用がチャラになる金額なら手放したい」という声も繰り返し届きます。

片付けの費用は、それだけで実家じまい全体を止める重さがあります。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

実家じまいの順番

順番やること理由
1名義(相続登記)期限がある。名義が故人のままでは売れない
2出口を決める売る・貸す・解体するで、必要な準備が変わる
3片付け出口によっては不要になる
4解体いちばん最後。取り返しがつかない

片付けと解体を後ろに置くのが要点です。この二つは費用が出ていくうえに、やり直しがききません。

1. 名義には期限がある

不動産登記法76条の2第1項は、相続により所有権を取得した者に、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請するよう求めています。同法164条1項により、正当な理由なく怠れば10万円以下の過料に処されます。

遺産分割がまとまっていなくても、期限は進みます。法定相続分のとおりに登記をした後で遺産分割がまとまり、法定相続分を超えて所有権を取得した人は、その分割の日から3年以内に登記を申請する必要があります(同条2項)。

実務上もっと重いのは、名義が故人のままでは売却できないことです。買主に所有権を移せないためです。いずれ必要になる手続きなので、最初に済ませたほうが早く終わります。

2. 出口を決める

名義の目処が立ったら、次は「どうしたいか」です。ここが決まらないまま片付けを始めるのが、いちばんの遠回りになります。

売る場合、買い手の種類で必要な準備が変わります。一般の方に仲介で売るなら、片付けや修繕が求められることが多くなります。買取なら、現況のままで話が進むことがあります。

貸す場合は修繕費が先に出て、借り手が付くかは立地次第です。持ち続ければ、固定資産税と管理の負担が毎年続きます。

準備を始める前に、どちらで進めるかを決めてください。順番が逆になると、要らない費用が出ます。

3. 片付けは、出口が決まってから

家財が残っていることを理由に相談をためらう方が多いのですが、その必要はありません。現況のまま引き受ける相手なら、残置物があるままで話が進みます。片付けを済ませても、その分だけ買取価格が上がるとは限りません。

自分で費用を出すか、価格に織り込んでもらうかの違いとして比べてください。

比べ方は単純です。片付け業者の見積額を1枚取り、買い手には「現況のままの価格」と「片付けた後の価格」を両方聞きます。二つの価格の差が見積額より小さければ、自分で片付けた分だけ手残りが減ります。

親の家の片付けは、売却の前にすべて済ませなければならないものではありません。手を付けるのは、現金、通帳、権利証、保険や契約の書類、写真や位牌のような取り戻せない物だけで足ります。残りの家財は、出口が決まってからで間に合います。

相続放棄をするかもしれないあいだは、家財の処分自体を控えます(相続放棄予定の家を片付けてしまったとき)。

4. 解体は、いちばん最後に判断する

山あいの細い舗装路沿いに建つ古い平屋
更地にしてから買い手が付かなければ、費用だけが残る

解体は取り返しがつかず、思っているのと逆の結果になることがあります。

住宅が建っている土地は課税標準が軽減されていて(小規模住宅用地は価格の6分の1/地方税法349条の3の2第2項)、更地にするとこの軽減がなくなって固定資産税が上がります。

再建築不可や市街化調整区域では、解体後に同じように建てられない場合があります。そして解体してから買い手が付かなければ、費用だけが残ります。

解体費が出せずに動けない場合の考え方は、空き家の解体費用にまとめています。

遠方の実家の場合

現地に行けないことを理由に止まっている方も多くいらっしゃいます。名義の手続きは司法書士に依頼でき、売却の相談も所在地と現状が分かれば始められます。まず現地に行く、から始める必要はありません。

ごえん株式会社の取り扱い

当社は、相続した実家を現況のまま買い取ることを基本にしています。買取の場合、片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物や土地の条件によって買取が難しいときは、お引き受けをご提案することがあります。

ご相談の物件は、建物の状態と築年数を見ます。再建築不可なら建築基準法43条2項2号の可否を、市街化調整区域なら都市計画法34条の許可や既存宅地、分家住宅などの属人性を調べます。

お引き受けする前の段階で当社が市区町村の窓口に問い合わせるので、売主様に調べていただく必要はありません。そのうえで、お取り扱いできるかと条件をお出しします。

すべてのご相談が成立するわけではありません。ご希望額との開きや、相続人の方々の間で合意ができていない場合など、条件がまとまらないこともあります。

片付けの前に、一度ご相談ください。要らない費用を出さずに済む例があります。

よくある質問

家の中に荷物が残ったままなんですが、片付けてからじゃないと相談できませんか。

そのままでご相談いただけます。順番としては、片付けより名義(相続登記)が先です。名義が故人のままでは売却できず、相続登記には3年以内の申請義務があります。

親はまだ施設で元気にしています。子どもの私が代わりに売れますか。

名義が親であれば、売れるのは親本人です。子が任される形は委任状で作れますが、親の意思が確認できることが前提になります。

判断能力が落ちている場合は、家庭裁判所に成年後見人を選んでもらい、居住用の建物や敷地を売るには家庭裁判所の許可も要ります(民法859条の3)。早めに弁護士か司法書士に相談してください。

名義が亡くなった親のままです。放っておくと何かありますか。

不動産登記法76条の2で、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請が義務づけられています。正当な理由なく怠ると、同法164条により10万円以下の過料に処されます。

片付けや解体のお金を先に出さないといけませんか。

当社が買い取る場合は、片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。物件の条件によっては買取が難しく、お引き受けをご提案することもあります。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

このような物件のご相談は、相続した空き家の買取相談のページへ。

相続した家を、そのまま手放せるか

どこも引き受けない「訳あり不動産」を現況のまま買い取る、全国対応の買取再販会社です。

相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。

片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。

資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

相続登記が終わっていなくても、名義が複数でもご相談いただけます。順番は当社でご案内します。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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