市街化調整区域の空き家に固定資産税だけ払っている方へ

白いガードパイプで囲われた草だらけの空き地と背後の集落

住んでいないのに、毎年の固定資産税だけは払い続けている市街化調整区域の空き家をお持ちの方から、いちばん多くお聞きする状態です。

「いっそ解体してしまおうか」と考える方は多いのですが、市街化調整区域では、それが最も避けたい選択になることがあります。この記事では、税の仕組みと建築の制限を合わせて、何が起きるのかを整理します。

目次

いまの税額は、建物があるから成り立っている

住宅が建っている土地には、固定資産税の軽減があります。住宅用地特例と呼ばれるものです。

地方税法349条の3の2第2項は、小規模住宅用地に対する固定資産税の課税標準を、その価格の6分の1の額とすると定めています。

つまり、いま届いている納税通知書の金額は、建物が建っていることを前提にした金額です。「使っていないのにこの額」ではなく、「建物があるからこの額で済んでいる」というのが実際のところです。

解体すると、二重に不利になることがある

解体で崩れた壁材が積み上がった室内
解体は税と建築の両方に効く。順番を間違えると元に戻せない

ここが市街化調整区域の難しいところです。解体には、2つの不利が同時に起こり得ます。

1つ目:軽減がなくなる

建物を取り壊せば、その土地は住宅用地ではなくなります。上の軽減が外れ、土地の税額は上がります。維持費を減らすつもりの解体が、逆に負担を増やすことになります。

2つ目:建て直せなくなることがある

市街化調整区域では、建築に知事の許可が必要です。要件に当てはまらなければ許可されません。

いま建っている家は、建てられた当時の事情で建っています。同じ場所に、同じように建て直せるとは限りません。解体してから「建てられない土地だった」と分かっても、元には戻せません。

解体費用を払い、税額が上がり、建物も建てられない。この3つが重なると、土地の使い道はかなり狭くなります。解体を決める前に、建て替えの可否を確認してください。

ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。

放置していても、特例が外れることがある

「では、そのまま置いておけばよいのか」というと、そうとも言い切れません。

地方税法349条の3の2第1項は、住宅用地から次の土地を除くと定めています。

  • 空家等対策の推進に関する特別措置法13条2項により、所有者等に対し勧告がされた管理不全空家等の敷地
  • 同法22条2項により、所有者等に対し勧告がされた特定空家等の敷地

つまり、建物が建っていても、勧告を受ければ軽減の対象から外れます。傷みが進んだまま置いておくと、税額が上がる可能性があるということです。

「解体しても上がる、放置しても上がりうる」。これが、市街化調整区域の空き家が置かれている状況です。

勧告は、ある日突然は来ない

勧告の前には、通常、助言や指導といった段階があります。通知が届いた時点が、実質的な期限だと考えてください。その段階で動けば、まだ選べる方法が残っています。

逆に、通知を受け取ったまま何もしないでいると、勧告に進み、税負担が増えたうえで建物の状態はさらに悪くなります。悪い条件が重なっていく形です。

時間が経つほど、選べる方法が減る

蔦が入り込み荒れ果てた台所
傷みが進むほど、引き受けられる相手は限られていく

建物の状態は、そのまま売却の可否と価格に影響します。

時間の経過起きること
建物が使える状態現況のまま引き渡せる可能性が高い
傷みが進む買い手が限られ、価格が下がる
勧告を受ける住宅用地特例から外れ、税負担が増える

判断を先延ばしにするほど不利になる、という点では例外の少ない分野です。

固定資産税は、使っていない年でも同じようにかかります。5年置けば5年分、10年置けば10年分が積み上がります。そのうえで建物の傷みが進み、売却の条件は悪くなっていきます。支払った税額と、下がった価格の両方が失われているというのが実際のところです。

建て替えができないと分かった場合の使い道

調べた結果、建て替えができないと判明することもあります。その場合でも、使い道が消えるわけではありません。

  • 隣地の所有者に買っていただく — 自分の敷地を広げたい方にとっては価値があります
  • 資材置場や駐車場として使っていただく — 建物を建てない用途なら建築の許可は問題になりません
  • 現況のまま買い取る会社に相談する — 建物を残したまま引き渡す方法です

いずれも「新しく建てること」を前提にしない使い方です。建て替えができない=価値がない、ではありません。

いま確認しておきたいこと

解体するにせよ売るにせよ、先に確認しておくべきことは同じです。

  • 都市計画法34条の許可が下りる可能性があるか
  • 既存宅地にあたるか
  • 分家住宅などの属人性が付いていないか
  • 建物の状態と築年数

これらは市区町村の都市計画課で確認できます。制度の全体像は市街化調整区域の家は売れない?売却できる条件を解説にまとめています。

ごえん株式会社の取り扱い

当社では、市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。

ご相談いただいた物件については、上の4点を確認します。この調査は当社で行いますので、売主様に調べていただく必要はありません。遠方にお住まいで現地に行けていない場合も、所在地と分かる範囲のご事情をお知らせいただければ結構です。

確認したうえで、当社でお取り扱いできるかどうかと、その条件をご提示します。なお、すべてのご相談が成立するわけではありません。ご希望額との開きや、相続人の方々の間で合意ができていない場合など、条件がまとまらないこともあります。

解体も片付けも測量も、していただく必要はありません。現況のままご相談ください。

市街化調整区域の取り扱いについては、市街化調整区域の不動産買取・売却相談にまとめています。

よくある質問

解体して更地にすれば、維持費は減りますか?

むしろ増えることが多くなります。住宅が建っている土地は固定資産税の課税標準が軽減されており、小規模住宅用地では価格の6分の1です(地方税法349条の3の2第2項)。解体するとこの軽減がなくなります。

空き家のまま放置していても、特例は続きますか?

続かないことがあります。管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けた土地は、住宅用地から除かれます(地方税法349条の3の2第1項)。建物が建っていても、軽減が外れます。

市街化調整区域だと、解体後に建て替えられませんか?

建て替えができない場合があります。市街化調整区域では建築に知事の許可が必要で、要件に当てはまらなければ許可されません。解体を決める前に、建て替えの可否を確認する必要があります。

遠方に住んでいて、様子を見に行けていません。相談できますか?

できます。物件の所在地と、分かる範囲のご事情をお知らせいただければ、調査は当社で行います。

家財が残ったままですが、片付けてから相談すべきですか?

その必要はありません。現況のままご相談いただけます。

この記事の監修者

小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)

不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家ごみ屋敷再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。

ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号

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片付け・解体・測量の費用を、先にご負担いただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。

お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp

ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

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