他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。この記事では、買取価格の相場の出し方、仲介との違い、業者を比べる軸、買い取りが成立しにくい条件を、売主の立場で整理します。
空き家を手放したい方の多くは、高く売ることより「費用と手間をかけずに終わらせたい」ことを望んでいます。その希望に合う業者かどうかは、査定額だけでは分かりません。
買取と仲介は、何が違うのか
買取は、不動産会社が自分で買主になって買い取る方法です。仲介は、不動産会社が買主を探して引き合わせる方法です。
| 買取 | 仲介 | |
|---|---|---|
| 売れる時期 | 条件が合えば早く確定しやすい | 買主が見つかるまで不確定 |
| 価格 | 再販の費用を見込むため、仲介より下がるのが一般的 | 一般の買主に売れれば高くなる可能性がある |
| 仲介手数料 | 仲介を挟まない場合は発生しない | 成約時に発生する |
比較の詳細は買取と仲介の違いに書いています。空き家の場合は、これに加えて売れ残っている間にかかるもので判断が分かれます。
- 固定資産税:その年の1月1日時点の所有者に課税されます。売れないまま年を越すと、翌年分も納めることになります。
- 管理の手間と費用:草刈り、通風、雨漏りの点検、遠方なら交通費や管理委託費がかかり続けます。
- 管理不全空家等の勧告:2023年12月13日施行の改正空家法により、放置すると特定空家等になるおそれがある空き家は「管理不全空家等」として市町村から指導・勧告を受けることがあります。勧告を受けた敷地は、建物が建っていても固定資産税の住宅用地特例から外れます(地方税法349条の3の2第1項)。
立地がよく、売れるまで管理を続けられる家は仲介、買い手がつきにくく管理の負担が重い家は買取、というのが基本の考え方です。
買取価格の相場は、こう考える
空き家の買取に、全国共通の「相場表」はありません。立地、築年数、状態、権利関係で大きく変わります。それでも、目安を自分で出すことはできます。
ステップ1:近隣の取引価格を調べる。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格を検索できます。
種類は、家付きで売れそうなら「宅地(土地と建物)」、更地として売られそうなら「宅地(土地)」を選び、市区町村と地区、直近数年の時期で絞ります。
結果は土地の坪単価(または㎡単価)と、建物の築年数・面積を見比べ、自分の家に近い条件の取引がいくらだったかを拾います。
ステップ2:再販までの費用を引いて考える。買取業者は、買い取った家を直したり、更地にしたりして再販します。その費用と販売の経費、業者の利益が、買取価格から差し引かれる前提になります。式にすると次のとおりです。
買取価格 = 再販想定価格 −(解体・片付け・測量・販売経費)− 業者の利益
たとえば(金額は説明のための架空の例です)、再販想定価格が500万円、解体150万円・片付け50万円・測量40万円・販売経費30万円、業者の利益を50万円と見込むと、500−270−50で、買取価格は180万円前後になります。

地方の空き家は、再販価格そのものが低く、解体や片付けの費用が上回ることがあります。他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。「相場はいくらか」より先に、どちらになるのかを確かめるほうが現実的です。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
業者を比べる5つの軸
査定額が同じくらいなら、次の軸で比べます。対応する地域は、全国対応かどうかも比べる軸の一つです。
| 比べる軸 | 確かめること |
|---|---|
| 費用の負担 | 片付け・解体・測量・登記を、売主・業者のどちらが払うか |
| 金額の根拠 | 査定の理由を、近隣の取引や費用の内訳で説明できるか |
| 終わる時期 | 契約から決済までの期間、手付金の有無と金額 |
| 責任の範囲 | 引き渡し後の責任(契約不適合責任)を免責にする特約を結ぶか |
| 会社の確かさ | 宅地建物取引業の免許番号、所在地、連絡先が明らかか |
「終わる時期」と「責任の範囲」は、口頭の説明ではなく書面で確かめます。手付金の有無と金額、決済日は、売買契約書の売買代金・支払い方法の欄に書かれます。
契約不適合責任を免責にするかどうかは、契約書の「契約不適合責任」の条項か、末尾の特約欄に書かれます。見積りの段階で契約書のひな形を見せてもらい、この2か所を確かめてください。
会社の見分け方そのものは、訳あり物件の買取業者の選び方にまとめています。
空き家の見積りで確かめる5項目
空き家の買取では、建物と敷地に手がかかる分、見積りに何が含まれているかで手取りが大きく変わります。次の5つは、見積書か契約書に書いてもらってください。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 残置物の処分費 | 家具・家電などの処分を業者が引き受けるか、売主が先に片付ける条件か |
| 解体費 | 建物を壊す費用を見積りに織り込んでいるか、売主に別途請求するか |
| 測量費 | 境界が確定していないとき、測量と隣地との立会いの費用をどちらが持つか |
| 固定資産税の精算 | その年の税を引き渡し日で日割りして精算するか、どの日を起点にするか |
| 建物の滅失登記 | 解体後の滅失登記を誰が申請するか。売主が先に解体する場合は、滅失の日から1か月以内に売主が申請する義務があります(不動産登記法57条) |
固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されるため、年の途中で売っても、その年分の納税通知は売主に届きます。精算するかどうかは契約で決めることなので、見積りの段階で確かめておきます。解体費の内訳は空き家の解体費用は何で決まる?で説明しています。
査定額が高くても、後から解体費や測量費が差し引かれると、手取りが変わります。見積りの段階で、費用の負担先を書面で確かめてください。

断られやすい条件
買取が成立しにくくなる条件があります。以下は当社の場合の例で、会社ごとに基準は異なります。
- 相続人が確定しない(相続人全員の協力が得られない)
- 共有者の一部が売却に同意しない
- 希望額と見込み価格の開きが大きい
- 農地(田・畑)のままで、非農地証明や転用の見込みがない土地
相続登記が済んでいないこと自体は、断る理由になりません。登記は当社で手続きを進められます。最初の2つも、相続人の調査や話し合いが進めば解消できることがあります。
相続登記の順番は相続登記していない家は売れない?、共有名義の同意は共同相続した不動産の売却をご覧ください。
売れない理由が見えにくいときは、地方の空き家が売れない3つの理由も参考になります。
すでに断られた後で、言われた言葉の意味や、相手に何を聞き返せばよいかを知りたい方は、空き家の買取を断られたときの読み方をまとめた記事をご覧ください。
1年以上売れない家を、買取に出し直すとき
仲介で1年以上売れない家や、売れない実家を買取に切り替えるなら、いま結んでいる媒介契約の中身を見るところから始めます。
宅地建物取引業者は媒介契約を結んだら、有効期間と解除に関する事項を書いた書面を依頼者に渡す決まりです(宅地建物取引業法34条の2第1項)。契約書の「有効期間」と「解除」の欄に、いつまで預けているか、途中でやめるときの扱いが書いてあります。
買取に出して断られたときは、理由を聞きます。買取は会社ごとに基準が違うので、その会社の基準に合わなかっただけ、という場合があります。断られた理由を聞き、理由が物件のどこにあるのかを書き留めておくと、次の会社に伝えやすくなります。
当社は、他で断られた空き家でも、引き受けられる場合があります。断られた理由も、相談のときに一緒にお知らせください。
現況のまま引き受けられるか
当社は訳あり不動産を現況のまま買い取っています。片付け・解体・測量を先に済ませていただく必要はなく、物件の調査も当社で行います。遠方にお住まいでも、現地に来ずに契約から決済まで進められます。
相続登記や抵当権の抹消も、当社で手続きできます。相続した空き家のご案内は、相続した空き家の買取相談にまとめています。
もちろん、すべての空き家を引き受けられるわけではありません。引き受けられるかどうかは、物件ごとの個別の判断になります。希望額との開きが大きい場合や、共有者の合意がまとまらない場合は、成立しないことがあります。
他で断られた物件も、お引き受けできる場合があります。その場合は、ご契約の前に金額をお示しします。
所在地と、築年数のめやす、登記簿上の名義をお知らせいただければ、物件として引き受けられるかを先にお答えします。他社にも相談中で構いません。条件を同じ表で比べてみてください。
よくある質問
空き家の買取の相場は、いくらですか。
一律の相場はありません。立地、築年数、状態、権利関係で大きく変わります。目安を出すには、国土交通省の不動産情報ライブラリで近隣の取引価格を調べ、そこから再販までにかかる費用を引いて考えます。複数の会社の査定を同じ条件で比べてください。
買取と仲介は、何が違いますか。
仲介は不動産会社が買主を探すため、売れるまでの期間と価格は不確定ですが、一般の買主に売れれば高くなる可能性があります。買取は不動産会社が直接買主になるため、売れる時期と条件が早く確定します。
その代わり、再販のための費用が見込まれ、価格は仲介より下がるのが一般的です。
空き家は、荷物が残ったままでも買い取ってもらえますか。
会社によります。片付けや解体を売主が先にする条件の会社もあれば、現況のまま買い取る会社もあります。見積りを取る段階で、片付け・解体・測量の費用を誰が負担するかを書面で確かめてください。
買取業者に断られるのは、どんな場合ですか。
当社の場合、相続人が確定しない(相続人全員の協力が得られない)、共有者の合意が取れない、希望額と見込み価格の開きが大きい、農地のままの土地である、といった条件では成立しないことがあります。
相続登記が済んでいないこと自体は、断る理由になりません。会社ごとに基準が違うため、複数社に確認してください。
この記事の監修者
小笠原 りえ(ごえん株式会社 代表取締役)
不動産業界10年。2010年創業のごえん株式会社で、相続した空き家・ごみ屋敷・再建築不可・市街化調整区域など、他社で断られた不動産の買取を全国で行っています。
ごえん株式会社/茨城県知事免許(4)第0006708号
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相続した空き家、ごみ屋敷、再建築不可、市街化調整区域、共有持分、未登記——他社で断られた物件こそご相談ください。全国対応です。
片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。建物が建ったまま、家財が残ったままの現況で査定します。役所調査も現地確認も当社が行いますので、遠方にお住まいでも、現地に行かずに手続きを終えられます。
資料が手元になくても、物件の所在地さえ分かればお答えできます。
お電話はこちら → 029-879-5683 / メール info@goen-fudosan.co.jp
ごえん株式会社(茨城県知事免許(4)第0006708号)/300-0045 茨城県土浦市文京町4-8

