再建築不可の物件で買主が見つからないとき、原因は価格ではないことが多いです。買いたい人はいる。ところが住宅ローンが使えないため、現金で買える人に限られてしまう。この記事では、その仕組みと、価格以外に動かせる条件を整理します。
買主の母数が減る仕組み

金融機関が見ているのは、担保として処分できるかどうかです。建て替えができない土地は、返済が滞ったときに売りにくい。だから担保価値が低いと判断されます。
物件の状態が悪いから融資が付かない、のではありません。
建て替えられるかどうかを見られています。
きれいにリフォームしても、接道の条件が変わらなければ評価は変わりません。
値下げが効きにくい理由
価格を下げても、払える人の数が増えないからです。
- 現金で数百万円を用意できる人は、そもそも限られる
- その中で、その地域・その物件を欲しい人はさらに少ない
- 下げ続けても母数は増えず、時間だけが過ぎる
売り出し期間が長引くこと自体が、不利に働きます。
長く出ている物件は「何か問題がある」と見られます。
価格を下げる前に、価格以外に動かせる条件が無いかを確かめてください。
ご自身の物件が当てはまるか判断が難しい場合は、個別にお答えします。
物件の所在地さえ分かれば、現況のまま買い取れるかをお伝えできます。
動かせる条件は、接道です
再建築不可の原因はほぼ接道です。そこが変われば、評価がまるごと変わります。
| 方法 | 現実性 |
|---|---|
| 隣地の一部を買う | 相手次第だが、効果は大きい |
| 私道の持分・通行掘削の承諾を取り付ける | 私道所有者との交渉次第(私道の通行・掘削承諾) |
| 43条但し書きの許可を得る | 要件を満たせば可能(43条但し書きの許可) |
| セットバックで幅を確保する | 2項道路であれば(セットバックとは) |
まず市区町村の建築指導課で、前面道路の扱いを確認してください。2項道路の指定を受けているのか、そもそも建築基準法の道路ではないのか。ここが分からないまま値下げしても、判断ができません。
隣地に売るという道
接道を満たせるようにするのではなく、接道を必要としない相手に売るという考え方もあります。隣地の所有者です。
隣の人にとっては、買うことで自分の土地が広くなり、場合によっては自分の側の接道条件も改善します。市場価格とは別の価値が生じるため、話がまとまることがあります。詳しくは再建築不可の土地を隣の人に売るにまとめました。
現金で買う人に届ける
母数が少ないなら、その少ない層に確実に届けることが現実的です。
- 現況のまま買い取る買取会社に当たる(融資を使わないため、接道が障害になりにくい)
- 投資家向けの媒体に出す(賃貸に出す前提なら、事業用の資金で判断されることがある)
- 隣地の所有者に当たる
進め方の順番
- 建築指導課で、前面道路の扱いを確認する(2項道路か、そもそも道路でないか)
- 接道の幅と間口を実測する(あと何センチ足りないのかを数字で把握する)
- 足りない分を埋める方法があるかを検討する(隣地・私道・但し書き・セットバック)
- 難しければ、現金で買える相手に絞って当たる
- 値下げは最後。母数が増えないので、効きにくい
2をやってください。「20cm足りないだけ」なのか「そもそも道路に接していない」のかで、打てる手がまったく違います。
当社は再建築不可の物件を現況のまま扱っています。接道の整理を先に済ませていただく必要はありません。役所調査は当社で行います。ただし接道の状況によってお引き受けできないことがあります。まず所在地と、前面道路の状況をお知らせください。
全体像は再建築不可物件の買取相談、売れない理由の整理は再建築不可物件が売れない理由にまとめています。
よくある質問
なぜ再建築不可だと住宅ローンが使えないのですか。
金融機関は担保として評価できるかを見ます。建て替えができない土地は、返済が滞ったときに処分しにくく、担保価値が低いと判断されます。そのため住宅ローンの対象外とされるか、大幅に低い評価しか付きません。物件の状態ではなく、建て替えの可否が理由です。
価格を下げれば売れますか。
効きにくい面があります。買える人が現金を用意できる方に限られるため、価格を下げても母数そのものが増えないためです。下げ続けて時間だけが過ぎることがあるので、価格以外の条件を動かせないかを先に検討してください。
買主が使えるローンはありますか。
住宅ローンが難しくても、金利の高い別の融資を検討する買主はいます。また建物を賃貸に出す前提の投資家であれば、事業用の資金で買うことがあります。ただしいずれも条件は厳しく、一般的な住宅取得と同じようには進みません。
接道を満たせるようにする方法はありますか。
隣地の一部を買う、私道の持分や通行・掘削の承諾を取り付ける、43条但し書きの許可を得る、セットバックで幅を確保する、といった道があります。どれが現実的かは前面道路の状況によります。まず市区町村の建築指導課で道路の扱いを確認してください。
そのままでは手放せませんか。
現況のまま買い取る会社があります。再建築不可であること自体はお断りの理由になりません。ただし接道の状況、建物の状態、隣地との関係によってお引き受けできないことがあります。
この記事の監修者
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