
石川県の訳あり不動産は、再建築不可・共有持分・未登記・相続した空き家のいずれであっても、19ある市町のどこにあるかで打てる手がまったく変わります。県内の空き家率は志賀町の33.0%から白山市の8.1%まで4倍の開きがあります。ここでは県と市町の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、石川県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
「空き家バンクに出したが動かない」「補助の判定に届かなかった」という段階でしたら、所在地と地番だけで話が始められます。石川県の物件について相談する
北陸3県なのに、持ち家率が全国24位なのはなぜか?
県内の住宅の半分が金沢市と野々市市にあり、その2市の持ち家率が低いからです。数字を見てください。
人口
1,088,221人
国勢調査で初めて110万人を割った。直近の推計人口は1,081,020人(令和8年8月1日現在)
令和7年10月1日/令和7年国勢調査 速報集計結果(石川県県庁デジタル推進課統計情報室)
隣の富山県は持ち家率74.9%で全国3位、福井県は73.5%で全国7位です。同じ北陸でも石川県は67.8%の全国24位。県が公表している市町別の集計を見ると、理由がはっきりします。
| 市 | 持ち家率 | 一戸建率 | 共同住宅率 |
|---|---|---|---|
| 石川県全体 | 67.8% | 68.7% | 29.2% |
| 金沢市 | 56.8% | 55.9% | 41.7% |
| 野々市市 | 43.5% | 43.2% | 54.8% |
| 志賀町 | 94.7% | 94.9% | 3.0% |
野々市市は、一戸建より共同住宅のほうが多い市です。
県内の「居住世帯のある住宅」46.4万戸のうち、金沢市と野々市市で約半分を占めます。
石川県の持ち家率は昭和58年には全国12位でしたが、40年かけて24位まで下がりました。
一方で1住宅当たりの延べ面積は120.31平方メートルで全国7位。家は大きいのに、持ち家の比率は低いという組み合わせです。
人口の動きも急です。令和7年国勢調査で石川県の人口は1,088,221人となり、国勢調査で初めて110万人を割りました。県の速報によると、5年で44,305人(3.91%)の減少で、減少数・減少率とも過去最大です。
増えたのは野々市市・かほく市・津幡町の2市1町だけ。残る16市町は減っています。一方で世帯数は6,987世帯増えていて、1世帯あたりの人員は2.41人から2.28人に下がりました。同じ家族が複数の家に分かれて住むようになれば、そのぶん元の家が余ります(地方の空き家が売れない3つの理由)。
物件のある市町を選んでください
ここから先は市町ごとに事情が変わります。空き家バンク、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。
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空き家バンクは石川県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-10-18時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。
老朽度の判定に届かなかった、市町内の業者に頼めない、補助を使っても自己負担が出せない——そういう段階でしたら、壊さずにそのままお引き受けできる場合があります。物件の状況を伝える
同じ県の中で、空き家率が4倍違う

石川県は市町別の空き家率を県自身が公表している数少ない県のひとつです(令和5年住宅・土地統計調査 石川県結果 付表3)。その数字を並べると、県の平均を見ても意味がないことが分かります。
売る・貸すあてのない「その他の空き家」で見ると、差はさらに開きます。
| 市町 | その他の空き家率 |
|---|---|
| 輪島市 | 23.7% |
| 志賀町 | 23.3% |
| 能登町 | 22.9% |
| 珠洲市 | 22.4% |
| 野々市市 | 1.6% |
| 金沢市 | 4.7% |
全国平均は5.9%です。能登の4市町はその4倍近くにあたります。
人口でも同じ形が出ています。令和7年国勢調査では、加賀地域が1.90%減、金沢市が1.98%減なのに対し、能登地域は9.97%減。しかも能登地域は世帯数まで3.25%減っています(県全体は1.49%増)。
世帯が減るというのは、買い手も借り手も地域の中にいないということです。
人口が減っても世帯が増えている地域なら、分かれて住む人が空き家を使う可能性があります。
世帯そのものが減っている地域では、その可能性も細ります。
能登の物件で「空き家バンクに出したのに1年間まったく問い合わせがない」ということが起きるのは、この構造によるものです。
なお、川北町・宝達志水町・穴水町は人口規模の関係で市町別の集計対象になっておらず、空き家率の公表値がありません。数字が無いことと、空き家が無いことは別です。
市街化調整区域があるのは5市町だけ

石川県は白地地域における容積率・建ぺい率制限等のページで、こう書いています。「17地域、17市町に都市計画区域を指定していますが、このうち、金沢、小松、白山の3都市計画区域で市街化区域及び市街化調整区域の区域区分(いわゆる線引き)を行っており」。
- 金沢都市計画区域……金沢市(行政区域の一部)・内灘町(同)・野々市市(全域)。昭和45年7月1日設定、令和元年10月29日に第7回見直し
- 小松都市計画区域……小松市の一部。昭和50年5月1日設定
- 白山都市計画区域……白山市の一部。昭和50年6月6日設定
- 市街化調整区域があるのは、この5市町だけ。残る14市町には市街化調整区域という区分そのものがありません
七尾市や加賀市など8つの区域は用途地域だけを定めていて、用途地域の外は白地地域です。能登の多くの区域は区域全体が白地。「市街化調整区域だから建て替えができない」という説明は、石川県の大半の土地には当てはまりません。
県の都市計画法第34条第1〜13号の判断基準にも11号・12号の項目はなく、県の所管区域では条例による区域指定をしていないと読めます(中核市の金沢市と、独自基準を持つ白山市は別枠です)。
| 調べること | 分かれ目 |
|---|---|
| どの都市計画区域か | 金沢・小松・白山の3区域だけ市街化調整区域があります。それ以外は白地地域の扱い |
| 建築基準法43条 | 幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しているか。足りなければ再建築不可です |
| 白地地域の容積率・建ぺい率 | 用途地域の外では県が制限を定めています。上の県ページで確認できます |
| 建物の状態と築年数 | 現況のまま扱えるかを見るためのもので、対象を外す理由にはしません |
小松市だけが始めていることがある
石川県内で、放置された家の出口を制度として用意しはじめているのが小松市です。3つあります。
- 市街化調整区域の空き家の用途変更を認める条例改正(令和8年4月1日施行)。市が現地調査で「適法に建築された空家等」と判定した物件について、取得または賃借した人が、同じ規模の範囲で戸建住宅・店舗・宿泊飲食施設・社会福祉事業施設に用途変更できます
- 老朽危険空家を解体した土地の固定資産税減免(令和8年4月1日開始)。住宅用地特例が外れて上がるぶんの差額を、除却の翌年から最大3か年度減免します
- 老朽危険空き家跡地活用事業。老朽危険空き家とその土地を市に寄付すると、市が解体して町内で管理するか売却します
1つめの条例改正について、市自身がこう書いています。「市街化調整区域では自己居住や自己業務用の建物しか認められないことから、居住する人や業務を行う人が建物を自己所有する必要があり、これが市街化調整区域の空家等が活用できにくい理由のひとつ」。問題の所在をそのまま書いている、珍しい記述です。
ただし、どれも条件があります。
用途変更には地元町内会等の理解・同意と、原則として10年以上前から継続して適正に利用された建築物であることが要ります。転貸もできません。
固定資産税の減免は法人・不動産業を営む個人事業主が対象外で、税の滞納があっても使えません。
跡地の寄付は解体費が売却費以下であることと町内会の同意が条件です。
つまり、いちばん困っている「売れない・使われていない・町内会とも縁が切れた」物件ほど、これらの外に落ちます。
解体の補助は、判定のしきい値が市町でばらばら
石川県には県独自の解体補助がありません。県・市町の補助制度一覧(令和8年7月1日時点)で県の欄にあるのは木材利用・省エネ・感震ブレーカーの3つで、解体は市町の制度だけです。
そしてその市町の制度が、判定の基準からして揃っていません。
| 市町 | 老朽度のしきい値 |
|---|---|
| 川北町 | 評点の要件なし。1年以上使用していない住居等でよい |
| 志賀町 | 判定基準表の合計60点以上 |
| 小松市 | 危険度75点以上かつ構造危険度25点以上 |
| 能美市・津幡町 | 100点以上(能美市は100点未満だと上限が10万円に落ちます) |
| 加賀市 | 特定空家等の認定、または市の定める危険度基準以上 |
同じ建物でも、建っている町が違うだけで対象になったりならなかったりするということです。
ここから外れる型も具体的です。
- 市町外の業者に頼んだ……小松市は市内に本社・本店を置く法人か市内に住所を置く個人、輪島市は市内業者以外が直接行う費用を対象外、志賀町は町内の事業者に限っています
- 市町税を滞納している……かほく市・七尾市・輪島市が明記。川北町は直近3年間の滞納がないことを求めます
- 権利者の同意がそろわない……加賀市には「抵当権等の設定がある場合の同意書」という専用様式があります。志賀町は所有者が亡くなっている場合、全相続人の同意が要ります
- 法人が持っている/区分所有/建て替え目的……輪島市は個人所有に限り、共同住宅・長屋・区分所有建物を定義から外し、建て替え目的の除却も対象外としています
- 先に壊した……金沢市・小松市・加賀市・かほく市・川北町・志賀町はいずれも着工前または契約前の申請を求めます
- 母屋だけ壊した……かほく市・小松市・志賀町は敷地内をすべて解体して更地にすることが条件です。志賀町は家財道具の撤去・処分費も対象外です
中能登町の「空き家等解体支援補助金」は、名前から想像するものと中身が違います。
空き家バンクで売買契約が成立した物件を解体し、その土地に一戸建てを新築して入居する人が対象で、
町の定住促進奨励金の交付を受けていることが前提です。
更地にして売るだけでは使えません。
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
判定に届かなかった、業者の要件に合わない、権利者の同意が取れない——その段階からのご相談で結構です。
この状態でも扱えるか聞いてみる
空き家バンクは19市町すべてにある。それでも止まる物件は?
石川県は県のいしかわ空き家情報ナビが19市町の空き家バンクをまとめていて、掲載のない市町はありません。外部サービスに任せている市町はなく、すべて市町直営か市町の移住サイトの中にあります。空き家の相談窓口も19市町すべてに置かれ、県は別に石川県宅地建物取引業協会の石川空き家総合相談窓口を用意しています。
金沢市だけは2本立てで、かなざわ空き家活用空き家バンク(空き地・空き家に加えてマンションの空き住戸も扱う)と、昭和25年以前の町家だけを扱う金澤町家情報バンクがあります。
2026年9月時点で、県の一覧に載っている志賀町のURLは開かず、輪島市の空き家データベースはサーバーの初期ページが表示される状態でした。
このページの市町セレクタでは、志賀町は町の公式ページ、輪島市は市の移住・定住ページに差し替えています。
一覧に載っている=いま探せる、とは限りません。
登録できても、動かない物件がある
- 前面道路の幅が足りず建て替えができない土地。買主側で住宅ローンの審査が通りにくくなります
- 家財がそのまま残っている家。写真を出せず、見学の申し込みが入りません
- 名義が共有のまま、あるいは建物が登記されていない状態。買主が現れても決済まで届きません
- 買い手になりうる世帯そのものが地域から減っている。能登側で起きているのはこれです
県の情報ナビは斡旋・仲介を行わないと明記しています。情報を並べる場所であって、動かす場所ではありません。空き家バンクへの登録と、買取の検討は同時に進められます。
県の制度には、期限が付いている
石川県には、住宅を売るときに使える県の補助が2つあります。どちらも申請の期限が決まっています。
| 制度 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 中古住宅流通活性化事業 | 売却する住宅の家財整理費(上限20万円)と修繕費を合わせて最大100万円 | 家財整理は令和9年3月10日、修繕の交付申請は令和9年1月15日まで |
| 被災宅地流通活性化事業 | 土地測量費(2分の1・上限18万円)と仲介手数料(2分の1・上限12万5千円) | 令和9年3月10日まで |
どちらも、外れる型がはっきりしています。
中古住宅流通活性化事業は、被災者生活再建支援金の加算支援金など指定の給付を受けている人は対象外です。
申請者や配偶者、2親等以内の親族が今後その住宅に住む予定でないことも要件になっています。対象は個人のみで、県税の滞納があると使えません。
被災宅地流通活性化事業は仲介手数料の補助が基本で、測量費だけを出してもらうことはできません。
市町が「まちづくりに影響がない」と判断することも条件です。
公費解体については、県が実施した16市町すべてで受付を終えています(令和8年2月時点の県の表記)。県の進捗資料によると、令和8年8月末までに44,325棟の申請に対し43,683棟が完了しました。
つまり石川県では、いま次の2つが同時に起きています。
- 制度の受付が終わったあとに残る建物と土地がある
- 県の売却支援の期限は令和9年3月10日で、そこから先は制度のない状態に戻る
どちらの線からも外れた物件を、現況のまま扱う道があります。建物が残っていても、家財が残っていても、相続登記が済んでいなくても、まずは所在地と地番だけで結構です。
県外に住んでいても進められますか
進められます。石川まで出てきていただく必要も、現地に立ち会っていただく必要もありません。固定資産税の課税明細で所在地と地番をお知らせいただければ、登記・都市計画の区域・接道・白地地域の制限は当社で調べます。ここまで費用はいただきません(事業内容に手順をまとめています)。
石川県からのご相談では、次のような形もよくいただきます。
| よくある状態 | 進め方 |
|---|---|
| 共有持分だけを持っている | ほかの共有者の同意がなくても、ご自身の持分の話は進められる場合があります |
| 未登記建物が建っている | 登記を先に済ませていただく必要はありません |
| 残置物が残ったまま | 片付けずにご相談いただけます |
| 相続登記がまだ済んでいない | 何が足りないかを一緒に確認します |
| 山林・原野や農地が付いてくる | 宅地だけ、という区切り方はしていません |
再建築不可であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。共有持分については先に1点。持分の割合をそのまま価格に掛けた額にはならないのが普通です(共有持分の買取価格)。
石川県の対応エリアはどこまで?
石川県全域に対応しています。能登か加賀かで断ることはしていません。上のセレクタに、県内19市町をすべて並べています。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。空き家率も、線引きの有無も、解体補助の判定基準も、市町ごとに違います。県の区分に合わせて南加賀・石川中央・中能登・奥能登の4つに分けていますが、これは並べ方であって、対応の線引きではありません。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町へご確認ください。
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相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。
ご相談の前に
石川県の物件では、その市町がどの区分に入るかを先に押さえておくと話が早くなります。線引きの有無も、解体補助の判定基準も、市町で違うためです。
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 市町の判定や罹災の証明を受けたことがあれば、その書類
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。お引き受けできるかは物件ごとの個別の判断で、条件によっては成立しないこともあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。
ほかの都道府県をお探しですか
石川県以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。都道府県は日本地図から選べます。
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お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町村の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。
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ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
