
香川県の訳あり不動産は、再建築不可・共有持分・相続した空き家・ため池が付いてくる土地のいずれであっても、17ある市町のどこにあるかで打てる手が変わります。この県には市街化調整区域が1つもありません。
ここでは県と市町の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、島を含む香川県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「空き家バンクに出したが見に来ない」「補助の順番待ちが長い」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。香川県の物件について相談する
「市街化調整区域だから売れない」は、香川県では起きません

香川県には、市街化区域も市街化調整区域もありません。県の開発許可の手引き(令和8年4月1日版)に、そう書かれています。
県の都市計画の見直し(線引きの廃止)についてによると、平成16年5月に2つのことが同時に行われました。
- 都市圏の広がりに対応した都市計画区域の拡大再編……都市計画区域外だった地域が編入され、建築確認が必要になりました
- 新たな土地利用コントロール方策の導入を前提にした線引きの廃止……市街化区域・市街化調整区域が廃止され、用途地域と用途白地地域になりました
県はこう説明しています。
市街化調整区域においては、これまでの建築物等の用途に対する立地制限が大幅に緩和され、特に住居系の建築が可能になります
線引きをしていたのは旧香川中央都市計画区域(高松市・丸亀市・坂出市・牟礼町・宇多津町)だけで、これを廃止した結果、県内から市街化調整区域という区分が消えました。
全国向けの記事に出てくる「市街化調整区域だから建て替えができない」「都市計画法34条11号の区域に入っていないと建てられない」という説明は、香川県には当てはまりません。
県には34条11号・12号の条例そのものがありません。適用する対象が無いからです。
代わりに効くのは、建築基準法43条の接道と、用途白地地域に指定された特定用途制限地域です。
特定用途制限地域は、当初(平成16年)に高松市・丸亀市・坂出市・牟礼町・国分寺町・宇多津町、平成18年に善通寺市、令和5年にさぬき市が加わっています。
開発許可の対象規模も区域で分かれ、高松広域・中讃広域・坂出の3区域は1,000平方メートル以上、ほかの都市計画区域は3,000平方メートル以上、都市計画区域外は10,000平方メートル以上です。
つまり香川県では、「建てられるか」の答えがほぼ接道と用途の話に集約されます。再建築不可かどうかは建築基準法43条で決まる、というシンプルな構造です。
空き家率18.6%の中身は、何が占めているのか?

賃貸用の空き家が41.7%を占めています。アパートの空室が数字を押し上げているぶんが大きい、という点が中国地方の県と違います。まず県全体の数字を見てください。
空き家率18.6%は、5年前から0.5ポイント上がって過去最高です。全国の13.8%を大きく上回ります。県の100の指標からみた香川(令和8年版)では、空き家比率が小さい順で47都道府県中38位(=高いほうから10番目)とされています。
ところが中身を見ると、性格が違います。
香川県の空き家91,500戸の内訳は、賃貸用が41.7%。ほぼ半分です。
賃貸にも売却にも出されていない「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は52.3%で、
総住宅数に占める割合は9.7%。全国の5.9%は上回りますが、
一戸建の放置が9割を占める島根県(11.3%)のような姿ではありません。
アパートの空室が数字を押し上げている部分が大きいということです。
そのぶん、所有者の悩みは別のところに出ます。
| 数字 | 香川県 | 全国 |
|---|---|---|
| 一戸建の割合 | 66.5% | 52.7% |
| 持ち家の割合 | 69.4% | — |
| 昭和55年以前に建てられた住宅 | 24.4% | 19.8% |
新耐震基準の前に建てられた住宅が4軒に1軒。これは全国より4.6ポイント高い水準です。持ち家の一戸建で、築45年を超えている——という形が香川県では多くなります。
そして土地の性格も独特です。総面積1,876.86平方キロメートルは全国でいちばん小さい県ですが、人口密度は488.6人/平方キロメートルで全国11位。可住地面積比率は53.5%(全国10位)で、狭いけれど平地が多い県です。
森林率は47%と全国67%を大きく下回ります。
物件のある市町を選んでください
ここから先は市町ごとに事情が変わります。空き家バンク、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
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空き家バンクは香川県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。
人口は県が毎月公表している推計人口(令和8年8月1日現在推計)によります。
市町別の空き家率は、香川県として公表されていません。令和5年住宅・土地統計調査の県の公表資料は、結果の概要も付表もすべて県全体の集計までです。分からないものは推測で埋めていません。
解体の補助が17市町でほぼ同じだと、何が起きるのか?
外れたときの落差が、県内のどこでも同じ形になります。香川県は市町の解体補助がほぼ横並びという珍しい県です。県の老朽危険空き家除却支援事業(連絡先)(令和8年7月14日)にある一覧を見ると、こうなっています。
| 市町 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 16市町(丸亀市・坂出市・善通寺市・観音寺市・さぬき市・東かがわ市・三豊市・土庄町・小豆島町・三木町・宇多津町・綾川町・琴平町・多度津町・まんのう町ほか) | 5分の4 | 160万円 |
| 高松市(通常) | 3分の1 | 50万円 |
| 高松市(住民税非課税世帯) | 5分の4 | 120万円 |
| 直島町 | 制度なし | — |
上限160万円は、全国的に見てもかなり手厚い部類です。それだけに、枠から外れた人の行き場が無くなります。
- 対象は「住宅」だけ。倉庫・店舗など住宅以外の用途の建築物は対象外です(例外は小豆島町のみ。町独自に住宅以外も対象にしていますが、上限は40万円です)
- 不良度判定100点以上が必要。丸亀市・三豊市・小豆島町などで明記されています。事前審査で100点に届かなければ使えません
- 交付決定の前に契約・着工すると対象外。これは全市町で共通です
- 解体業者が市町内に限られる。高松市・三豊市・小豆島町・土庄町で明記されています。島や小さな町では業者の選択肢が実質的に狭まり、相見積りが取りにくくなります
- 不動産の販売・賃貸を業とする者が、その業のために行う除却は対象外。高松市・三豊市・小豆島町で明記されています
- 高松市は予定件数が決まっている。令和8年度は通常枠41件程度・非課税世帯枠12件程度で、先着です
いちばん重い外れ方が、土庄町で起きています。
町のページによると、2026年8月20日時点で本申請待ちが100件を超えており、
事前審査に通っても着手は国費の配分待ちになります。
さらに残置ごみ(一般廃棄物)は本申請の前に施主側で処分を終える必要があります。
片付けの費用と手間を先に出したうえで、順番を待つという形です。
そして、上限160万円が下りても全額ではありません。5分の4ということは、解体費200万円なら40万円は自分で出すことになります(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う、受付終了したら)。
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
住宅以外だから対象外、判定が100点に届かない、順番待ちが長い——そういう場合は、壊さずに手放す道があります。
物件の所在地と地番をお知らせください。香川県の物件について相談する
なお坂出市には、除却した土地の固定資産税を翌年度から最大5年間減免する制度があります(坂出市のページ)。昭和56年5月31日以前の建築確認、おおむね1年以上の空き家、除却後に有料駐車場など営利目的で使わないことなどが条件です。
観音寺市にも同種の減免があります。壊したあとに土地の税金が上がるという、空き家を放置する最大の理由に手を当てた制度です。
空き家バンクは、県が1つだけ運営しています
香川県には、市町ごとの空き家バンクがありません。県が香川県空き家バンク(かがわ住まいネット)を一元運営し、17市町すべての物件を1つのサイトに載せています。登録の受付だけを、それぞれの市町の担当課が行う形です。
市町の公式サイトにある「空き家バンク」のリンクも、この県のサイトに戻ってきます。
入口が1つというのは、探す側にとっては分かりやすい仕組みです。
そのぶん、載せたあとに動かなかったときの次の手が見えにくくなります。
市町の空き家バンクが別にあれば「別の空き家バンクにも出す」という選択肢がありますが、香川県ではそれがありません。
県が運営する香川県空き家ポータルサイトは、
サーバの障害で令和8年5月10日ごろから閲覧できない状態が続いています(復旧は未定)。
県は代わりに簡易版のページを公開しています。制度を調べるときは、この簡易版か各市町の担当課に当たってください。
県は補助以外の仕組みも持っています。
仲介・相続手続・リフォームの設計施工・融資保険・住宅確保要配慮者支援・管理代行のうち2業務以上を行う事業者の連合を県が登録する「香川県空き家利活用サポートチーム登録制度」、市町の空き家バンク登録住宅を改修する費用の補助(原則2分の1・上限100万円、実施主体は市町)などです。
- 改修の補助は、買って住む人・貸す人のための制度です。手放したい所有者のための制度ではありません
- 丸亀市には改修の補助がありません(県の一覧による)
- 家財道具の処分費の補助(2分の1・上限10万円)も、坂出市・東かがわ市・三豊市・多度津町にはありません
- 県レベルの空き家対策協議会は見当たらず、常設の組織は香川県居住支援協議会だけです
島の物件は、どうなるのか?
香川県には有人島が24島あり、そのすべてが離島振興法の離島振興対策実施地域に指定されています。県の香川県の離島についてによると、合わせて人口31,510人・14,442世帯・面積217.48平方キロメートルです。
| 地域 | 島(市町) |
|---|---|
| 小豆島地域 | 小豆島(土庄町・小豆島町)/豊島・小豊島・沖之島(土庄町) |
| 直島諸島地域 | 直島・向島・屏風島(直島町) |
| 高松市 | 大島・男木島・女木島 |
| 塩飽諸島地域 | 本島・牛島・広島・手島・小手島(丸亀市)/櫃石島・岩黒島・与島・小与島(坂出市)/粟島・志々島(三豊市)/佐柳島・高見島(多度津町) |
| 伊吹島地域 | 伊吹島(観音寺市) |
ところが、解体の側に島の加算はありません。17市町の除却補助を見ても、島しょ部だけ上限を上げる規定や、海上運搬費を対象に含める規定は見当たりませんでした。そのうえ直島町には除却の制度そのものがありません。
島の加算が付いているのは、壊す側ではなく「残す側」です。
丸亀市には離島空き家リフォーム補助事業(移住者用住宅は改修費の10分の9、店舗等は10分の5、上限200万円)と
離島空き家家財道具等処分費補助事業(処分費の10分の10、上限10万円)があります。
本島・広島・手島・牛島・小手島の5島が対象です。
直して残すなら手厚く、壊して手放すなら加算なし。島の所有者から見ると、選べる道が偏っています。
さらに土庄町・小豆島町は解体業者を町内の事業者に限っているため、島外の業者と相見積りを取ることができません。運搬費は見積りの中に溶け込みます。
島の物件も、現況のままご相談いただけます。現地へ渡っていただく必要はありません。解体を前提にしていないので、運搬費を先に見積もる必要もありません。
土地にため池が付いてきたら、どうなるのか?

香川県は、ため池が土地の問題になる数少ない県です。県の農政水産部土地改良課によると、県内のため池は12,187箇所(令和8年5月)。箇所数では兵庫県・広島県に次ぐ全国3位ですが、県土面積あたりの密度は全国一です。
| 区分 | 箇所数 |
|---|---|
| ため池の総数 | 12,187 |
| うち防災重点農業用ため池 | 3,080 |
| うち特定農業用ため池(民有で知事が指定) | 539 |
市町別では高松市2,487、三豊市2,356、さぬき市1,516、綾川町1,431と続きます(市町別ため池数)。1千トン未満の小さな池が約6,600箇所と、全体のおよそ半分を占めます。
相続や売却で効いてくるのは、香川県ため池の保全に関する条例(昭和42年1月1日施行)です。
- 条例でいう「ため池」は、堤高5メートル以上、または貯水量5,000立方メートル以上のもの
- 第4条……所在地・所有者・管理者・堤高・堤頂長・総貯水量を届け出る義務があります。変更したときは変更届、廃止するときは廃止届
- 自らため池を埋め立てようとするときは、埋立届出書が必要です
- 第5条……堤体の掘削・盛土・切土・竹木の植栽、水底の掘削、岸の形状の変更、取水設備・洪水吐きの変更または廃止が制限されます
つまり、ため池が敷地に接している土地は「隣が池」という話では終わりません。
堤体や岸に手を入れるだけで届出の対象になり、埋め立てるにも廃止するにも手続きが要ります。
所有者として届け出られている場合、点検と管理の責任も付いてきます(防災重点農業用ため池では、震度4以上または5弱以上の地震のあと、大雨特別警報の解除後に緊急点検が国で義務付けられています)。
特定農業用ため池は市町別の一覧が県のサイトに公開されているので、相続の段階で所在地と突き合わせられます。
もう一つ、香川県で押さえておくべきはがけ条例です。
香川県建築基準法施行条例第4条で、「がけ」は傾斜度30度以上かつ高さ3メートル以上の土地と定義され、上端・下端から水平距離でがけの高さの2倍以内に建てる場合は、原則として擁壁が必要とされています。
擁壁の費用は、土地の値段からそのまま引かれます。
この状態でも手放せるのか|条件別の答え
香川県では「調整区域だから」という説明が出てこないぶん、詰まるところがはっきりします。当社へのご相談で多いのは、次の形です。
| よくある形 | 香川県での見方 |
|---|---|
| 再建築不可・未接道 | 市街化調整区域が無いので、建て替えの可否はほぼ建築基準法43条の接道で決まります |
| 相続した築45年超の一戸建 | 昭和55年以前の住宅が24.4%(全国19.8%)。一戸建の割合も66.5%と高い県です |
| ため池・水路が付いてくる土地 | 12,187箇所。堤体や岸に手を入れるにも、埋め立てるにも届出が要ります |
| 島の空き家 | 有人島24島すべてが離島振興法の指定。除却の補助に島の加算はありません |
未登記、残置物、共有持分だけ、私道や境界が決まっていない、地主のいる土地——どれも、それだけを理由に取扱いの対象から外すことはしていません。分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。
県外に住んでいても進められるのか
進められます。香川まで出てきていただく必要も、島へ渡っていただく必要もありません。接道、用途の制限、ため池や水路の扱い、登記——この調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。手順は事業内容をご覧ください。
香川県の対応エリアはどこまで?
香川県全域に対応しています。上のセレクタに、県内17市町をすべて並べています。香川県に村はありません。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。解体補助の中身も接道の状況も市町ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町へご確認ください。
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香川県以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。
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お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町の制度と規制を当社で調べてお答えします。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
