
鹿児島県の訳あり不動産は、再建築不可・未接道・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、43ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。県は市町村の空き家バンクを一覧にしていますが、そこに載っていない3つの村があり、解体費の補助は他県より薄めです。
結論から書くと、鹿児島県全域に対応しています。離島も含めて、現況のままご相談いただけます。
すでに「空き家バンクに出したが動かない」「補助を当てにしたら足が出た」という段階でしたら、所在地と地番だけで話が始められます。鹿児島県の物件について相談する
鹿児島県の空き家は、なぜ動かないのか
数が多いからではありません。「その他の空き家」の割合が全国でいちばん高いからです。

令和5年住宅・土地統計調査で、鹿児島県の空き家率は20.5%です。徳島県21.3%、和歌山県21.2%に次ぐ3番目で、これだけなら「西日本に多い」という話に収まります。
数字が変わるのは、中身で分けたときです。
| 鹿児島県 | 全国 | 順位 | |
|---|---|---|---|
| 空き家率 | 20.5% | 13.8% | 全国3位 |
| 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家の割合 | 13.6% | 5.9% | 全国1位 |
| 一戸建の割合(居住世帯のある住宅) | 66.1% | 52.7% | — |
「その他の空き家」の割合が、47都道府県でいちばん高い県です。
この区分は売りにも貸しにも出されていない空き家で、鹿児島県では12万2千戸。
全国平均5.9%の2.3倍にあたります。2位の高知県12.9%、3位の徳島県12.2%とも差があります。
空き家が多い県はほかにもありますが、市場に出ていない空き家の割合では鹿児島県が突出しています。
人口の側も、節目を越えました。令和7年国勢調査の速報で、鹿児島県の人口は151万2969人。県の発表はこれを「戦後最少の人口」と書いています。これまでの戦後最少は令和2年の158万8256人でした。
増えたのは姶良市(+571人、+0.7%)の1市だけで、残る18市20町4村はすべて減りました。減少率が大きいのは南大隅町17.4%減、錦江町17.2%減、十島村13.4%減、さつま町13.2%減、伊佐市12.5%減です。
世帯数も5565世帯(0.8%)減りました。全国の世帯数は129万世帯増えているなかでの減少です。
物件のある市町村を選んでください
ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクと解体費の補助を、分かっている範囲で並べてあります。
物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。
地図か一覧から市町村を選んでください。
一覧から選ぶ
空き家バンクは鹿児島県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-04時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。
地域の区分は、鹿児島県が用いている鹿児島・南薩・北薩・姶良/伊佐・大隅・熊毛・大島の7区分に合わせています。
人口は県の人口移動調査(推計人口)(令和8年8月1日現在)、
市町村名と増減は令和7年国勢調査結果 鹿児島県速報によります。
空き家バンクに載せても動かない、補助も使えないという段階でしたら、そのままの状態でご相談いただけます。鹿児島県の物件について相談する
空き家バンクは、離島のほうが手厚いのですか
逆でした。県の一覧に載っていない3つは、すべて離島の村です。

県の空き家バンク制度のページから市町村のリンク集をたどると、43市町村のうち40の市町村が並んでいます。載っていないのは三島村・十島村・大和村の3つで、本土の市町村はすべて載っています。
県のページ自身が「全ての市町村で空き家バンク制度を設置しているわけではありません」と断っています。
ただし「空き家バンクが無い=何もしていない」ではありません。
十島村は村のサイトで「村の村営住宅及び村が所有者から借り上げ一部改修した空き家住宅の貸し出しを行っています」と説明しています。
理由として「宅地が少ないこと、また本土と比較して建設費用がかかること」を挙げています。
大和村はNPOあまみ空き家ラボと連携協定を結び、
サブリース形式で空き家を活用する形をとっています。
つまり、島では「空き家バンクに載せて売る」ではなく「借り上げて貸す」に寄っています。
この違いは、売りたい所有者にとって小さくありません。借り上げもサブリースも、住める家であることが前提です。傷んで住めない家、残置物が残ったままの家は、この入口に立てません。
奄美群島については、もうひとつ確かめておくべきことがあります。
奄美群島振興開発特別措置法があれば、空き家も対象になりますか
条文には書かれています。ただし「配慮するものとする」という方針の規定です。
奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)は、奄美市と大島郡を対象にした法律です。令和6年4月1日施行の改正で、第26条(生活環境等の整備)が次の形になりました。
国及び地方公共団体は、奄美群島への移住及び奄美群島における定住の促進に資するため、住宅の整備(空家等の活用によるものを含む。)及び水の安定的な供給の確保、廃棄物の適正な処理その他の快適な生活環境の整備について適切な配慮をするものとする。
同じ改正で、振興開発計画の基本方針に定める事項にも「住宅及び生活環境の整備(空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第1項に規定する空家等に関する対策……を含む。)」が書き加えられました。
空き家が法律の視野に入ったのは確かです。ただし、これは所有者が申請する制度ではありません。
「適切な配慮をするものとする」は、国と自治体に向けた方針の規定です。
この法律を根拠に解体費や改修費を受け取れるわけではありません。
実際に使えるかどうかは、奄美市・大島郡それぞれの市町村の制度を見ることになります。
「特別措置法があるのだから島は手厚いはずだ」という見立ては、空き家に関しては当てになりません。前の節で見たとおり、島の村ほど空き家バンクを持っていないというのが実際です。
解体費の補助は、いくら出るのですか
確認できた範囲では、解体費の3分の1・上限30万円が基準線でした。

同じ九州でも、金額の桁が違います。
大分市は老朽危険空き家等で補助対象経費の2分の1・上限100万円、
都城市(宮崎県)は解体費用の2分の1・最大75万円です。
鹿児島県の県庁所在地で3分の1・30万円というのは、解体費150万円なら自己負担が120万円という意味になります。
鹿児島市は、この自己負担を前提にした案内も置いています。補助のページに、鹿児島銀行・南日本銀行・鹿児島信用金庫の連絡先を並べ、空き家解体ローンの問い合わせ先として紹介しています。
制度として誠実な案内ですが、裏を返せば借りないと払えない金額が残るということでもあります。
要件のほうにも、当社の分野に直接かかわる記述があります。鹿児島市は補助対象の空き家について、次のどちらかを満たすことを求めています。
A:建物が隣地や道路と近接し、周囲に被害を与えるおそれがあるもの
B:道路に接していないなど、利活用の進みにくい敷地に建つもの
Bは、まさに未接道・再建築不可の敷地です。市も「利活用が進みにくい」と認めているということになります。
- 市税の滞納がある……鹿児島市の要件に入っています。法人も対象外です
- 塀・門扉・樹木・地下埋設物・家財の撤去……鹿児島市では補助対象に含まれません
- 抽選に外れた……霧島市は募集定数を超えると抽選です。要件を満たしても枠に入れないことがあります
- 契約・着工のあとに申請した……霧島市は対象外と明記しています。鹿児島市も事前協議が必要です
- 自己負担が出せない……3分の1・30万円では、残りの3分の2が手元から出ていきます
- 屋久島町・徳之島町など……両町の公式サイトの補助金一覧を確認した範囲では、解体費の補助が見当たりませんでした。島では、そもそも制度がない場合があります
抽選に外れた、要件から外れた、自己負担が出せない——そういう場合でも、建物を残したまま手放せることがあります。壊すことを前提にしないご相談も受けています。所在地と地番だけお知らせください。壊さずに手放せるかを調べてお答えします
相談したいとき、どこの課に電話すればよいですか
市町村によって課の名前が違います。ここで手間取る方が多いところです。
県が公開している空き家に関する相談窓口(市町村・専門家団体)には、43市町村の担当部署が並んでいます。「建築課」で通じる市町村ばかりではありません。
| 市町村 | 担当部署 |
|---|---|
| 鹿児島市・霧島市 | 建築指導課 |
| 鹿屋市 | 安全安心課 |
| 指宿市 | 危機管理課 |
| 薩摩川内市 | 防災安全課 |
| 垂水市 | 市民課 |
| 伊佐市 | 環境政策課 |
| 奄美市 | プロジェクト推進課 |
| 三島村 | 定住促進課 |
| 伊仙町 | 未来創世課 |
| 和泊町 | 土木課 |
空き家を「建築の話」として扱う市町村と、「防災の話」「環境の話」「移住の話」として扱う市町村があります。
どの課が持っているかで、返ってくる答えの角度も変わります。
建築の課なら再建築の可否から、防災の課なら倒壊の危険から入ります。
まず県の一覧でその市町村の担当課を確かめてから電話すると、たらい回しを減らせます。
県は市町村の窓口とは別に、かごしま空き家対策連携協議会を置いています。鹿児島地方法務局・県弁護士会・県司法書士会・県土地家屋調査士会・県行政書士会・県宅地建物取引業協会・県解体工事業協会・県しろあり対策協会など、18の団体が参加しています。
県のページには各団体の相談先と対応できる内容も載っています。
鹿児島県で多い3つの状態と、その答え
再建築不可・未接道・共有持分・未登記・山林のいずれであっても、それだけを理由に対象外とすることはありません。
鹿児島県でとくに多いのは、次の3つの形です。
| 状態 | 鹿児島県で起きていること |
|---|---|
| 未接道・再建築不可 | 鹿児島市が補助要件に「道路に接していないなど、利活用の進みにくい敷地」と書き込んでいるとおり、市街地でも集落でも珍しくありません |
| 相続した空き家で名義が古い | 名義人が亡くなったままだと、空き家バンクへの登録も補助の申請も止まります。相続人が県外・海外にいる案件も扱っています |
| 離島にある | 解体費も運搬費も本土より高くつき、制度は逆に薄くなります。現況のまま引き取るほうが現実的になることがあります |
登記や現況の食い違いで止まっている場合の解き方は、コラム鹿児島の空き家・土地を手放したいにまとめています。このページは制度の側、コラムは物件の側から書いています。
そのほかの条件については、分野別のページにまとめています。
手放すまでの流れ
売主様が先に整える段階はありません。接道・登記・相続の状況は当社で調べます。離島の物件でも、現地にお越しいただく必要はありません。詳しい手順は事業内容をご覧ください。
鹿児島県の対応エリア(全43市町村)
鹿児島県全域に対応しています。離島を含め、市町村で対象を絞っていません。
理由は前の節のとおりです。制度も担当課も市町村単位で違うため、県内をいくつかに区切ってあらかじめ対象を決めても意味がありません。
| 区分 | 市町村 |
|---|---|
| 鹿児島 | 鹿児島市/日置市/いちき串木野市/三島村/十島村 |
| 南薩 | 枕崎市/指宿市/南さつま市/南九州市 |
| 北薩 | 阿久根市/出水市/薩摩川内市/さつま町/長島町 |
| 姶良・伊佐 | 霧島市/伊佐市/姶良市/湧水町 |
| 大隅 | 鹿屋市/垂水市/曽於市/志布志市/大崎町/東串良町/錦江町/南大隅町/肝付町 |
| 熊毛 | 西之表市/中種子町/南種子町/屋久島町 |
| 大島 | 奄美市/大和村/宇検村/瀬戸内町/龍郷町/喜界町/徳之島町/天城町/伊仙町/和泊町/知名町/与論町 |
合わせて19市20町4村の43市町村です。
この一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
市町村名と区分は鹿児島県令和7年国勢調査結果 鹿児島県速報と
県の空き家に関する相談窓口で確認しています。
なお、県は市町村別の空き家率を公表していません。表に空き家率が出ないのはそのためで、
出典のない推計値を当社で作ることはしていません。
ご相談の前に用意していただくもの
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 前面の道路の幅と、道路に何メートル接しているかの見当
- 市町村に解体の補助を相談したことがあれば、そのときの回答(抽選・受付終了と言われた場合はその内容)
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。
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