宮城県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、35ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。空き家率は12.4%と東北で唯一全国平均を下回りますが、それは「売れる」という意味ではありません。ここでは県と市町村の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、宮城県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。宮城県の物件について相談する
空き家率が低いのに、なぜ売れないのか?

県の平均が、仙台都市圏の数字に引っ張られているからです。まず県全体を見ます。
空き家率12.4%は、東北6県で唯一、全国平均(13.8%)を下回ります。賃貸にも売却にも出されていない空き家の割合も4.6%で、全国の5.9%より低い数字です。
この数字は「宮城県なら売れる」という意味ではありません。
仙台市だけで県人口の49.25%を占めます(令和7年国勢調査)。
仙台都市圏には賃貸住宅が多く、入れ替わりのある住宅が平均を押し下げます。
一方、令和7年国勢調査で人口が増えたのは仙台市・名取市・富谷市の3市だけ。
それ以外の32市町村はすべて減っており、気仙沼市は11.5%、南三陸町は11.3%、蔵王町は12.3%の減少でした。
県が空き家等対策のページで書いているとおり、県内の空き家数は「東日本大震災の影響により一時減少したものの、年々増加」しています。減ったのは一時的で、増加の流れは戻っています。
もうひとつ、見落とされやすい動きがあります。人口が3.2%減った同じ5年間に、世帯数は2.5%増えました。1世帯あたりの人数が減っているためで、親が亡くなったあとに誰も住まない家が1軒残る形が増えることを意味します。
数の少なさは、買い手が多いことを保証しません。売り出しても動かない理由は別のところにあります(地方の空き家が売れない3つの理由)。
物件のある市町村を選んでください
ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
上から市町村を選んでください。
空き家バンクは宮城県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。
県内最大の都市に、空き家バンクはあるのか?
ありません。宮城県が公開している市町村における空き家等対策の取組み(令和8年5月時点)の一覧で、空き家バンクの欄が空いているのは次の市町です。
| 市町 | 一覧での記載 |
|---|---|
| 仙台市 | 空き家バンクの記載なし。市の空き家対策ページにも見当たりません |
| 岩沼市 | 空き家バンクの記載なし |
| 富谷市 | 空き家バンクの記載なし |
| 大河原町 | 空き家バンクの記載なし |
| 角田市 | 空き家バンク事業【休止中】と明記されています |
残る30市町村にはバンクがありますが、形はさまざまです。石巻市はアットホームの空き家バンクに載せる形、大崎市は市の移住支援サイトの中、丸森町は町の移住・定住サポートセンターが運営しています。
バンクが無いことと、その市町が空き家対策をしていないことは別です。
仙台市は空家等対策計画と空き家対策ネットワーク会議、空き家総合相談会を持っています。
ただしそれらは、「持ち主が自分で何とかするのを手伝う」仕組みであって、買い手を連れてくる仕組みではありません。
登録できても、問い合わせが来ないことがある
空き家バンクは、買い手のほうから探しに来るのを待つ場所です。次のような条件が付くと、登録しても声がかかりにくくなります。
- 前面道路が狭く、建て替えができない土地。買主側で住宅ローンの審査が通りにくくなります
- 市街化調整区域の宅地。買える相手が資格のある人に限られます
- 家財がそのまま残っている家。写真を出せず、内覧の日程も組みにくくなります
- 名義が共有のまま、あるいは建物が登記されていない状態。買主が現れても決済まで届きません
- 人口が年1〜2%の勢いで減っている地域。近所に似た空き家が何軒も並びます
バンクへの登録と、買取の検討は同時に進められます。どちらかを選ばなければならないものではありません。登録から半年たっても内覧の申し込みが入らないのであれば、値段ではなく条件のほうが止めていることが多くあります。所在地と地番をいただければ、どこで止まっているかを当社で確かめます。
解体費の補助がある市町村は、いくつあるのか?
35市町村のうち7つです。県の一覧で「除却に関する助成制度」の欄が埋まっているのは、仙台市・気仙沼市・栗原市・大崎市・七ヶ宿町・丸森町・大衡村にとどまります(令和8年5月時点)。
しかも、その7つにも条件があります。実際の要綱を3つ並べます。
| 市町村 | 補助の額 | 要件で外れやすい点 |
|---|---|---|
| 仙台市 | 対象経費の3分の1・上限50万円 | 「特定空家等」と判定されていること。助言・指導または勧告の対象でなければ申請できません |
| 気仙沼市 | 除却工事費の2分の1・限度額60万円 | 令和8年度は5件分の予定。市の事前調査で不良住宅と判定されること。工事は市内業者 |
| 大衡村 | 対象経費の2分の1・上限50万円 | 所有権または賃借権以外の権利が設定されていないこと。抵当権が残っていると対象外です |
仙台市の条件は特に分かりやすい形です。ただ古いだけの空き家では申請できません。市から助言・指導や勧告を受けるほど傷んで、はじめて対象になります。手放したい人が「まだそこまで傷んでいない今のうちに」と考えて調べると、その時点では使えないという順番になります。
補助が下りても、自己負担は残る
3つに共通しているのは、全額は出ないことと、家財の処分費は対象外であることです。大崎市も大衡村も、立木の伐採処分費・家具家電の運搬処分費・敷地整備費を対象外と明記しています。
解体費が150万円かかる木造住宅で、上限50万円の補助が使えたとしても、100万円は自分で出すことになります。そこに残置物の処分費が別途乗ります(残置物の処分費用はいくら?、空き家の解体補助金は自治体で条件が違う)。
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、売主様に先にご負担いただくことはありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道をご案内できる場合があります。
沿岸と内陸で、事情はどう違うのか

宮城県は、県の統計で35市区町村を「沿岸」16と「内陸」23に分けています。分け方の基準は、県自身が「東日本大震災の津波による浸水被害が発生した市区町」としています。制度上の区分ではなく、統計を読むための区分です。
令和7年国勢調査の速報では、この2つの動きがはっきり分かれました。
| 区分 | 令和2年からの人口増減率 |
|---|---|
| 沿岸部(仙台市を除く) | -5.4% |
| 内陸部(仙台市を除く) | -7.1% |
| 仙台市 | +0.02% |
意外に思われるかもしれませんが、仙台市を除くと減り方が大きいのは内陸のほうです。沿岸に住宅再建が進んだ時期があったこと、内陸の中山間地で高齢化が先行していることが背景にあります。数字だけで「沿岸だから厳しい」と決めるのは正確ではありません。
一方で、市町村単位で見ると気仙沼市(-11.5%)、南三陸町(-11.3%)、石巻市(-8.1%)が大きく減っており、同じ沿岸でも差があります。
なお、災害で被害を受けた家屋については、市町村が所有者に代わって解体する公費解体という別の枠組みが設けられることがあります。通常の補助金とは仕組みが違い、相続が済んでいないと手続きが止まる点が共通の壁になります(公費解体は相続が壁になる)。
宮城県が独自にやっていることは?
県が直接お金を出す解体の補助は見当たりません。県は市町村を支える側に回っています。
- みやぎ住まいづくり協議会 空き家等対策部会……産学官が連携する体制として令和4年6月に設置されました
- 宮城県 管理不全空家等及び特定空家等の判断基準……市町村の職員が「特定空家等」かどうかを判断するときの物差しを、県が作って公開しています。仙台市のように判定が補助の前提になっている市では、この基準が直接効いてきます
- みやぎ空き家ガイドブック……所有者とその家族向けに、県と協議会が作った冊子です
- 国・県・市町村の住宅に関する支援制度……県内で使える住宅関係の支援を県が一覧にまとめています
- みやぎ空き家セミナー……住まいの終活をテーマに、県が毎年開いています
県が判断基準を作っている点は、宮城県の特徴です。どの市町村でも同じ物差しで「特定空家等かどうか」が判断される方向に寄せられているということでもあります。
ただしここにも外れる型があります。基準に当てはまるということは、行政から指導や勧告を受ける立場になるということでもあります。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、翌年度の税額が上がる場合があります(空き家を放置するとどうなる)。補助が使える状態になる頃には、別の負担が始まっているわけです。
そうなる前に手放したい、というご相談を承っています。
建て替えできるかどうかは、何で決まるのか?
敷地が何の区域に入っているかと、前面の道路がどう扱われているかで決まります。築年数ではありません。
宮城県で制度の入口に立てない理由は、建物の傷み方(仙台市は特定空家等の判定が要る)か、権利の状態(大衡村は抵当権が残っていると対象外)のどちらかに寄ります。再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。共有持分、未登記、残置物、相続登記の未了、借地権や底地が絡んでいる形も、そのまま伺います。
分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。
県外に住んでいても進められるのか
進められます。仙台まで出てきていただく必要も、現地に立ち会っていただく必要もありません。登記・区域・接道の調査は当社が引き受け、費用を先にご負担いただくことはありません。進め方は事業内容にまとめています。
宮城県の対応エリアはどこまで?
宮城県全域に対応しています。仙台市から遠いという理由で断ることはしていません。上のセレクタに、県内35市町村をすべて並べています。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。建て替えの可否も補助の中身も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。市町村名と広域圏の区分は、県の令和7年国勢調査人口速報集計結果で使われている7つの広域圏に合わせています。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
関連するコラム
宮城県に絞ったコラムはまだありません。全国共通の内容はコラム一覧にまとめています。<!– /chiiki:columns –>
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間
当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、売主様に先にご負担いただく必要はありません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
