島根県の訳あり不動産|線引き廃止の検討と隠岐

松江湖畔から望む宍道湖と嫁ヶ島(イメージ)
写真はイメージです(松江湖畔から望む宍道湖と嫁ヶ島をもとに作成したもので、実際の風景とは異なります)

島根県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、19ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。県内で唯一の線引き区域がいま廃止を検討されている、という点が他県と大きく違います。

ここでは県と市町村の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。

結論から書くと、隠岐諸島を含む島根県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。

すでに「空き家バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。島根県の物件について相談する

一戸建の空き家の9割が、売りにも貸しにも出ていない

島根県の一戸建の空き家のうち、その他の空き家が占める割合を示した図解
一戸建の空き家の90.5%が放置されたまま

これが島根県の空き家のいちばん大きな特徴です。まず県全体の数字を見てください。

空き家率

17.0%

全国は13.8%。平成30年の15.4%から1.6ポイント上昇し過去最高

令和5年/島根県建築住宅課「空き家対策について」/令和5年住宅・土地統計調査

空き家数

54,600戸

うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が36,300戸

令和5年/島根県統計調査課「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要(島根県)」

人口

622,452人

令和2年→令和7年の減少率6.2%は前回(3.3%)から2.9ポイント拡大

令和8年8月1日現在/島根県政策企画局統計調査課「島根県の推計人口」

空き家率17.0%は、平成30年の15.4%から1.6ポイント上がって過去最高です。ただ、率そのものより中身のほうが効きます。

島根県の一戸建の空き家36,800戸のうち、90.5%にあたる33,300戸が
「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」です。

つまり売りにも貸しにも出ていない。共同住宅のほうは「賃貸用の空き家」が中心なので、
放置の問題は一戸建に集中しているということです。
(島根県統計調査課令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要(島根県))

県全体で見ても、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は36,300戸、総住宅数の11.3%。全国の5.9%のおよそ1.9倍です。5年前から3,100戸増えています。

人口の減り方も速まっています。総務省統計局の令和7年国勢調査 人口速報集計によると、島根県の5年間の人口減少率は3.3%から6.2%へ2.9ポイント拡大しました。

この拡大幅は静岡県(2.7ポイント)や広島県(2.6ポイント)を上回り、全国でいちばん大きな部類です。

減り方が加速するということは、「あと数年待てば買い手が現れる」という前提が崩れるということです。
総住宅数は増え続けているのに、住む人が減っています。
新しく建つ家のほうが選ばれ、古い一戸建が順番待ちの後ろに回るという状態が進みます。
売り出しても動かない理由の一つがここにあります(地方の空き家が売れない3つの理由)。

物件のある市町村を選んでください

ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、使える補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

松江市浜田市出雲市益田市大田市安来市江津市雲南市奥出雲町飯南町川本町美郷町邑南町津和野町吉賀町海士町西ノ島町知夫村隠岐の島町

濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。

地図か一覧から市町村を選んでください。

一覧から選ぶ
松江・安来(線引きのある区域)
出雲・雲南
石見(浜田・益田・大田ほか)
隠岐(離島)

空き家バンクは島根県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。

人口は県が毎月公表している推計人口(令和8年8月1日現在)によります。
市町村別の空き家率は、島根県として公表されていません。令和5年住宅・土地統計調査の県の公表資料は県全体の数字までなので、表示していません。分からないものは推測で埋めていません。

島根県で市街化調整区域があるのは、どこか?

島根県で線引きがあるのは松江圏だけで、その廃止が検討されていることを示す図解
県内で唯一の線引き区域が、いま廃止の検討中

松江圏都市計画区域だけです。県の松江圏都市計画区域区分(線引き)廃止の検討についてに、はっきり書かれています。

松江圏都市計画区域は、島根県内の都市計画区域で唯一区域区分(市街化区域・市街化調整区域)を定めています。

この区域区分は昭和45年12月10日に決定され、その後7回の定期見直しを行いながら、約55年が経過しました。

範囲は松江市と安来市の一部からなる25,206haで、そこに194,840人が住んでいます(令和2年国勢調査)。つまりそれ以外の17市町村には、市街化調整区域という区分そのものがありません。

そのうえで、いま起きていることが特殊です。

松江市は「区域区分を廃止し、新たな土地利用制度に移行したい」、安来市は「線引きの廃止を希望しない」。
同じ都市計画区域を構成する2つの市の意向が、真逆になりました。
区域区分を決めるのは県の権限なので、県は都市計画審議会の中に専門家を含めた専門小委員会を設置して、
松江市案の妥当性を検証しています。
検証の視点には「既成市街地における空き家・空き地が増加しないか」も含まれています。

線引きが廃止されるかどうかは、まだ決まっていません。県の検証がこれからです。ただ、ご自身の物件が松江市の市街化調整区域にある場合、「いまの区分がこの先も続く」とは限らないという前提で考える必要があります。

売るか持つかを決める材料として、この動きは無視できません。

34条11号の区域も、松江圏の中だけの話

県の開発許可制度の手引きによると、都市計画法34条11号の条例区域(隣接・近接区域)は、次の要件をすべて満たす土地に限られます。

  • 市街化区域との境界から2キロメートルの範囲内であること
  • 災害危険区域・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域・土砂災害警戒区域などに当たらないこと
  • 市街化区域内のものを含めておおむね50以上の建築物が連たんしていること
  • 建築物の敷地の間隔がおおむね50メートル以内であること

さらに、条例で定める最低敷地面積は200平方メートルです。

要件を1つ落とすだけで、11号の枠から外れます。
境界から2キロを1メートル超える、途中で建物が途切れて連たんが切れる、土砂災害警戒区域が敷地にかかっている——
山と海に挟まれた集落が多い島根県では、これらのどれかに当たる土地が少なくありません。
そして11号の話がそもそも出てこない17市町村では、代わりに建築基準法43条の接道が分かれ目になります。

区域の名前だけで判断せず、順番に確かめてください(再建築不可/市街化調整区域)。

隠岐の4町村では、何が違うのか?

島根半島の北方40〜80キロの海上に隠岐諸島があり、隠岐の島町・西ノ島町・海士町・知夫村の4町村が置かれています。令和8年8月1日時点の人口は合わせて17,368人。うち知夫村は575人で、県内で唯一の村です。

島の物件では、本土と前提が変わります。

変わること内容
解体費重機も職人も船で渡すことになり、本土の見積りがそのまま当てはまりません
廃材の処分解体で出たものを島の外へ出すなら、海上運搬費が乗ります
買い手の数内覧そのものが1日仕事になるため、見に来る人の数が本土と違います
空き家バンク4町村のうち、県の一覧に載っているのは隠岐の島町と西ノ島町の2町だけです

海士町には空き家バンクがありません。
町の移住の流れによると、
移住する場合は基本的に町が管理している住宅への入居になり、
「住宅の申請から、実際に住み始めるまで1年以上お待ちいただくことがあります」と書かれています。
知夫村には空家情報のページがありますが、「現在、情報はありません」の表示です(2026年9月時点)。
島で空き家を持っている側から見ると、「空き家バンクに出す」という選択肢そのものが無いということになります。

島の物件も、そのままの状態でご相談いただけます。現地へ渡っていただく必要はありません。解体を前提にしていないので、運搬費を先に見積もる必要もありません。

島根県の空き家バンクと、県の助成が届く範囲

市町村ごとにあります。県として統合した空き家バンクは持っていません。県の空き家対策については、(公財)ふるさと島根定住財団の移住ポータル「くらしまねっと」を案内する形になっています。

19市町村のうち、このポータルに掲載があるのは17。海士町と知夫村の名前がありません。飯南町はリンクが切れており、現在の空き家バンクは町の公式ページにあります。

運営の形も分かれます。市の直営(出雲市・江津市など)、市町の移住サイトの中(雲南市・大田市・益田市・川本町・邑南町・安来市・奥出雲町)、専用サイト(松江市・浜田市)と、入口がばらばらです。

県の助成は「これから住む側」に向いている

所有者が解体費を受け取れる県独自の制度は見当たりません。県が用意しているのはしまね長寿・子育て安心住宅リフォーム助成事業で、空き家バンク登録住宅を購入して改修する場合に10万円が加算されます。受付は令和9年2月15日まで、予算がなくなり次第終了です。

  • 対象は昭和56年5月31日以前に着手された、階数2以下の一戸建て木造住宅……それ以外は入りません
  • 耐震診断を実施し、改修前の上部構造評点が1.0未満であること……診断を受けないと申請できません
  • 改修後に所定の耐震性能を満たすこと……直す前提の制度です
  • そもそも手放したい所有者ではなく、買って住む人のための加算です

市町村の制度も、解体そのものに直結するとは限りません。たとえば出雲市の空き家バンク登録支援事業補助金は残置物処分・ハウスクリーニング・登記・現地調査の費用を2分の1(上限5万円)補助しますが、条件が付きます。

「事業完了後に対象家屋をいずも空き家バンクに継続して2年以上掲載すること」。
そして2年経過する前に解体した場合は、補助金の返還になります。
市内業者への依頼が条件で、市税の滞納があると対象外です。
残置物を片付ける費用を市から受け取ると、2年間は空き家バンクに出し続けるほうを選んだことになる、ということです。

松江市のように、補助ではなく窓口で支える市もあります。令和7年7月1日から松江市空き家相談窓口が開設され、解体・売却・管理委託・相続の相談を無料で受けています(すままちプラザ2階、月〜金9時〜17時)。

制度の外に出ても、道が無くなるわけではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
空き家バンクに2年出し続ける前提が飲めない、耐震診断から始める気力がない——そういう段階でのご相談を普通にいただきます。
物件の所在地と地番をお知らせください。島根県の物件について相談する

解体費が出せないまま止まっている場合は、空き家の解体補助金は自治体で条件が違う、受付終了したらもあわせてご覧ください。

山が県土の8割。雪の指定は旧町村単位

林野庁の都道府県別森林率・人工林率によると、島根県の森林率は78%で、中国地方でいちばん高い数字です(全国67%)。人工林率は39%と全国並みなので、手を入れて育てた山より、自然のまま残っている山が多いことになります。

これが相続の場面で効きます。宅地だけのつもりで相続したら、山と農地が付いてきたという相談が珍しくありません。山林の扱いは山林・原野・別荘地にまとめています。

雪については、思われているほど単純ではありません。国土交通省の豪雪地帯及び特別豪雪地帯の指定地域によると、島根県で豪雪地帯に指定されているのは4市4町で、特別豪雪地帯はありません。しかも指定の単位が独特です。

市町指定されている範囲
益田市旧・匹見町の区域だけ(他は無指定)
安来市旧・広瀬町、旧・伯太町だけ
雲南市旧・吉田村、旧・掛合町だけ
浜田市旧・金城町、旧・旭町だけ
美郷町旧・大和村だけ
奥出雲町・飯南町・邑南町全域

平成の大合併の前の町村の境で線が引かれているため、同じ市の中でも指定の内と外があります。
「浜田市だから豪雪地帯」ではなく、「浜田市の旧金城町・旧旭町なら豪雪地帯」です。
冬の管理費や工期の見通しを立てるときは、市の名前ではなく旧町村のどこかまで確かめてください。

この状態でも手放せるのか|条件別の答え

島根県では、「調整区域だから売れない」という説明が当てはまるのは松江市と安来市の一部だけです。残る17市町村では、そもそもその区分がありません。

当社へのご相談で多いのは、次の形です。

よくある形島根県での見方
相続した一戸建の空き家一戸建の空き家の90.5%が売りにも貸しにも出ていない県です。いちばん多い形がこれです
再建築不可・未接道線引きの無い市町村でも、前面道路が足りなければ建て替えはできません
山林・農地が一緒に付いてくる森林率78%。宅地の登記だけを見ていると、後から山が出てきます
離島の物件隠岐4町村。解体費と運搬費の見通しが本土と違います

未登記、残置物、共有持分だけ、私道や境界が決まっていない、地主のいる土地——どれも、それだけを理由に取扱いの対象から外すことはしていません。分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。

県外に住んでいても進められるのか

進められます。島根まで出てきていただく必要も、島へ渡っていただく必要もありません。区域区分、接道、登記——この調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。手順は事業内容をご覧ください。

島根県の対応エリアはどこまで?

島根県全域に対応しています。上のセレクタに、県内19市町村をすべて並べています。隠岐諸島の4町村も含みます。

絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。建て替えの可否も補助の中身も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。市町村名と8市10町1村という内訳は、県の推計人口月報で確認しています。

セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

関連するコラム

相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。

ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
  3. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  4. 山林や農地が一緒に付いてきていないか(島根県では珍しくありません)

当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。

ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。お引き受けできるかは物件ごとの個別の判断で、条件によっては成立しないこともあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。

ほかの都道府県をお探しですか

島根県以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。

西日本では、次のページを公開しています。

山口県 / 滋賀県 / 岐阜県 / 福岡県 / 熊本県

お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町村の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。

会社概要

ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。

会社概要の詳細 | 事業内容 | お問い合わせ