京都府の訳あり不動産|高さ制限95%と北へ偏る空き家バンク

新緑の嵐山と渡月橋(イメージ)
写真はイメージです(新緑の嵐山と渡月橋をもとに作成したもので、実際の風景とは異なります)

京都府の訳あり不動産は、空き家の数が多いから難しいのではありません。建てられるものが細かく決まっているから、買主が絞られます。再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、26ある市町村のどこかで打てる手が変わります。ここでは府と市町村の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。

結論から書くと、京都府全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。

「売りに出したが内覧が入らない」「建て替えの計画が立てられないと言われた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。京都府の物件について相談する

空き家率は全国平均より低い。それでも手放しにくいのはなぜか?

京都府の空き家率が全国平均を下回る一方でその他の空き家率は上回ることを示した図解
空き家率13.1%・その他6.2%

数の問題ではなく、建てられるものの問題だからです。まず府全体の数字を見てください。

空き家率

13.1%

全国は13.8%。全国平均を下回る

令和5年/令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)

空き家数

18.0万戸

うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が8.5万戸

令和5年/令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)

人口

2,490,437人

令和7年国勢調査の速報値を基礎に毎月推計

令和8年8月1日/京都府推計人口(京都府 総務部 統計課)

世帯数1,227,194世帯令和8年8月1日/京都府推計人口(京都府 総務部 統計課)
人口の増減5年間で75,340人減(-2.9%)令和2年→令和7年/令和7年国勢調査 人口速報集計(総務省統計局)
森林率74%令和4年3月31日/林野庁 都道府県別森林率・人工林率
都市計画区域13区域(線引き7・非線引き6)令和7年3月31日/令和7年 都市計画現況調査(国土交通省)
過疎地域の市町村12市町村(全部過疎9・一部過疎2・みなし過疎1)令和4年4月1日/過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法による過疎地域(総務省)
市町村数15市10町1村(26市町村)2026年9月/京都府推計人口(京都府 総務部 統計課)

京都府の空き家率13.1%は、全国13.8%を下回ります。世帯数も5年で29,385世帯(2.5%)増えました。人口は減っていますが、住宅市場としては動いている府です。

ところが、賃貸にも売却にも出されていない空き家の割合は6.2%で、全国5.9%を上回ります。

全体では平均以下、放置されやすい区分だけ平均以上。
この形は、売りに出したくても出しにくい家があることを示します。
京都府は共同住宅が44.2%と多く、賃貸は回転します。
回転しないのは、一戸建のうち条件が付いたものです。

条件とは何かというと、京都府の場合は多くが規制と接道です。次の節から順に見ていきます。

物件のある市町村を選んでください

ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空家バンク、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

京都市福知山市舞鶴市綾部市宇治市宮津市亀岡市城陽市向日市長岡京市八幡市京田辺市京丹後市南丹市木津川市大山崎町久御山町井手町宇治田原町笠置町和束町精華町南山城村京丹波町伊根町与謝野町

濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。

地図か一覧から市町村を選んでください。

一覧から選ぶ
京都市・乙訓
山城
南丹
中丹
丹後

空き家バンクは京都府の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。

表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。

京都市で、建て替えの計画が立てにくいのはなぜか?

京都市の市街化区域の95.3%に高度地区が指定されていることを示した図解
14,980haのうち14,274haに高さの上限

京都市の都市計画の統計によると、市の都市計画区域は48,051ha。うち市街化区域が14,980ha、市街化調整区域が33,071haで、都市計画区域の約7割が市街化調整区域です。

そして市街化区域14,980haのうち、14,274ha(95.3%)に高度地区が指定されています。10m・12m・15m・20m・25m・31mといった高さの上限が、市内の宅地のほぼ全部にかかっているということです。

  1. 10m・12m第1種・15m第1種・20m第1種の区域では、こう配屋根(3/10〜4.5/10)を持つ建築物、または高さ6.5m以下の建築物に北側斜線の緩和があります。陸屋根にすると緩和を受けられません
  2. 31m第2種から第11種は、敷地が特定の通りに一定の長さ接し、かつ用途が事務所等であることなどを満たさない限り、実質20m(一部25m)に制限されます。住宅主体だと31mまで建てられないことがあります
  3. 高さを超える計画には特例許可の道がありますが、計画案の周知と京都市景観審査会への意見聴取が要ります

高さのほかに、景観地区・風致地区・歴史的風土特別保存地区・伝統的建造物群保存地区があり、外観の形態・意匠・色彩に基準がかかります。さらに眺望景観創生条例の眺望空間保全区域では建築に市長の認定が、近景・遠景デザイン保全区域では届出が必要です。世界遺産や大規模寺社の周辺では、ほかの景観手続に先立って市長との事前協議が求められます。

これは「街並みが守られている」という話であると同時に、
「買った人がすぐには建て替えられない」という話でもあります。
事前協議が入ると、計画の段階で数か月が動きます。
買主にとっては、その分だけ資金計画が読めなくなります。
古い家が売れ残るのは、傷んでいるからではなく、次が描けないからです。

当社は先に更地にしていただく必要はありません。むしろ規制の強い区域では、建物があるまま引き継いだほうが選べる道が多く残ります。

京都市内なのに、都市計画区域の外という場所がある

京都市の都市計画区域の説明には、こう書かれています。京都都市計画区域は、京都市域のうち左京区及び右京区の一部を除いた区域である、と。

つまり京北地域(旧京北町)や左京区北部の花脊・広河原などは、都市計画区域の外です。同じ京都市の住所でも、次の点がまったく違います。

市街化調整区域(市内)都市計画区域の外(京北など)
用途地域無し無し
建築の制限都市計画法34条の許可が要る都市計画法の開発許可は原則1ha未満なら不要
止まりやすい所34条のどの号に当たるか接道・農地転用・自然風景保全地区

「京都市内だから大丈夫」も、「調整区域だから無理」も、どちらも当たりません。
京北の物件は、市街化調整区域ではありません。
一方で、市内の山裾には自然風景保全地区があり、第1種で50平方メートル超、第2種で300平方メートル超の
現状変更に市長の許可が要ります。建築物の高さは15m以下です。
同じ市内で、根拠になる法律が変わります。

府内13の都市計画区域のうち、6つは線引きされていない

令和7年都市計画現況調査によると、京都府の都市計画区域は13。市街化区域31,105.3ha、市街化調整区域108,354.9haで、調整区域は市街化区域の3.5倍あります。

立場区域
線引きあり(7区域)京都・宇治・綴喜・相楽・南丹・福知山・舞鶴
非線引き(6区域)綾部・宇治田原・宮津・丹波・大江・京丹後
都市計画区域なし笠置町・和束町・南山城村・伊根町

この表から読めることが3つあります。

  • 福知山市だけは、市内に両方ある。旧大江町域は非線引きの大江都市計画区域、それ以外は線引きされた福知山都市計画区域です。同じ市内で建て替えの見方が変わります
  • 用途地域すら無い区域がある。京丹波町・京丹後市・福知山市の旧大江町域は、都市計画区域ではあるものの用途地域が定められていません
  • 舞鶴市と南丹市は、市街化区域が極端に小さい。舞鶴都市計画区域26,298haのうち市街化区域は2,089ha、南丹都市計画区域22,425haのうち1,678haです

再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。共有持分だけ、未登記、残置物、相続登記の未了、山林や農地が一緒に付いてくる形も、そのまま伺います。

条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。

府の空家バンクは、なぜ北部にばかり載っているのか?

京都府は京都移住コンシェルジュの空家バンクで、府内の物件を横断して探せるようにしています。2026年9月時点の掲載は493件。ところが分布が偏っています。

市町村掲載数
綾部市114
京丹後市72
福知山市60
南丹市53
宮津市48
京丹波町38
与謝野町32
舞鶴市29
亀岡市23
残る12市町(京都市・乙訓と山城地域の大半)0

北部7市町(福知山・舞鶴・綾部・宮津・京丹後・伊根・与謝野)は、さらにたんたんターンという共同の物件データベースを持っています。北部は移住者に来てほしいので、物件を集めて見せる。それが結果に出ています。

一方、京都市と南部は事情が違います。

  • 向日市・大山崎町・精華町には、空家バンクが見当たりません。市町のサイトにも府の一覧にもありません。人口が減っていない地域では、行政が仲介に入る必要が薄いためと考えられます
  • 宇治市のものは、ふつうの空き家バンクではありません。カフェや子ども食堂など「地域と共生する事業」に使う人とのマッチングに限られ、宅建業者を通じて募集中の物件は登録できません
  • 京都市の空き家バンクは掲載9件。しかも載せるには市の専門家派遣制度を先に使うことが条件です
  • 京田辺市と八幡市には物件一覧がありません。外部サイトへ送られるか、相談窓口の形をとっています
  • 亀岡市・長岡京市は、物件の詳細を見るだけでも利用登録が要ります

つまり京都市と府南部では、「空き家バンクに載せる」という選択肢がそもそも用意されていない市町があります。その場合、所有者に残るのは通常の売却か、買い取る相手を探すかです。

空き家バンクへの登録と、買取の検討は同時に進められます。所在地と地番をいただければ、その市町村に空き家バンクがあるか、あるとして自分の物件が載せられるかも含めて当社で確かめます。

府の補助金は、どこを通って届くのか?

京都府が用意している除却の枠は、木造住宅耐震改修等事業費補助の中の特定除却です。耐震化重点エリア内で倒壊の危険がある木造住宅の除却に、費用の23%以上・最高40万円。ただし実施するかどうかと金額は市町村ごとに決まります。

府庁には「市町村別の解体補助の一覧」がありません。
自分の物件が対象かどうかは、市町村のページを見ないと分かりません。
上のセレクタに、確認できた範囲で市町村の制度を並べたのはそのためです。

確認できた範囲では、解体費の補助が見つかったのは26市町村のうち6つでした(舞鶴市・宇治市・京田辺市・井手町・宇治田原町・笠置町)。うち宇治市は令和8年度分が9月14日に予算到達で受付終了しています。残りの市町村に制度が無いと断定はできませんが、公式サイトから所有者が見つけられない状態であることは確かです。

そして、見つかった制度にも入口があります。

  • 不良住宅の判定が要る。舞鶴市も京田辺市も、評点100以上の判定が前提です。まだ傷んでいない空き家は通りません
  • 法人は使えない。京田辺市の除却枠は個人所有者に限られます
  • 市内業者の指定。舞鶴市は市内に本社・本店のある業者との契約が条件です
  • 抵当権が残っていると外れる。舞鶴市は「抵当権その他の権利が設定されていないこと」を要件にしています
  • 解体だけでは出ない。井手町は、解体後に売却・賃貸・新築などの土地活用が確認できてから交付申請する2段階方式です

壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道があります。

丹後と美山は、冬に現地が止まる

国土交通省の豪雪地帯の地域指定によると、京都府では6市2町が豪雪地帯です。福知山市(旧福知山市・旧夜久野町・旧大江町)、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、南丹市(旧美山町)、与謝野町、伊根町。特別豪雪地帯の指定は府内にありません。

特別豪雪地帯でないぶん、雪の影響は「家が潰れる」よりも「現地が動かない」という形で出ます。

  1. 冬のあいだは敷地に入れず、内覧が組めない期間があります
  2. 解体工事も春まで待ちになります
  3. 遠方の所有者は、年に数えるほどしか現地を見に行けません

雪があっても、登記・区域・接道は雪と関係なく調べられます。冬のうちに判断まで終えておくことはできます。

京都府の対応エリアはどこまで?

京都府全域に対応しています。上のセレクタに、府内26市町村をすべて並べています。

絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。線引きの有無も景観の規制も補助の中身も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。地域の区分は、京都府が推計人口で使っている京都市域・乙訓・山城・南丹・中丹・丹後の区分に沿っています。

セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

京都府に関係する記事

相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。

あわせて読まれているものを挙げます。

ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
  3. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  4. 前面の道が私道かどうか、持分があるか
  5. 過去に建て替えや増改築を相談して、断られたことがあるか

京都府のご相談は、「建て替えの計画が立てられない」「間口が狭くて工事車両が入らない」という形で来ることが多くなります。規制の中にあることだけを理由にお断りすることはしません。区域も高さの制限も接道も、当社で調べます。

ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかはお伝えします。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。

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近畿とその周辺では、次のページを公開しています。

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所在地と地番が分かれば、その市町村の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。

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