神奈川県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、33ある市町村のどこにあるかで打てる手が大きく変わります。県全体の空き家率は全国平均を下回りますが、それは横浜市と川崎市の数字に引かれたもので、県西や三浦半島では事情がまったく違います。
結論から書くと、神奈川県全域に対応しています。現況のままで結構です。まずは下の数字と市町村ごとの状況をご覧ください。
物件の所在地と地番が分かれば、その市町村の運用を調べたうえでお答えします。お問い合わせはこちらからご連絡ください。
神奈川県の人口と空き家は、いまどうなっていますか
人口は減り始めた一方で、世帯数は過去最多を更新しています。空き家率は全国で最も低い部類に入りますが、売りにも貸しにも出されていない空き家は増えています。
全国の空き家率13.8%に対して、神奈川県は9.8%です。これより低いのは埼玉県の9.3%と沖縄県の9.4%だけで、神奈川県は全国でも空き家が少ない県に入ります(令和5年住宅・土地統計調査)。
それでも放置されやすい空き家は増えています。
売りにも貸しにも出されていない「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は、神奈川県で14万7,700戸から15万1,000戸へ増えました(平成30年→令和5年)。
空き家率そのものは10.8%から9.8%へ下がっているのに、この区分だけが逆に動いています。
理由ははっきりしています。神奈川県は人口が減り始めても世帯数が増え続けているためです。一人暮らしと二人暮らしが増えれば、新しい住宅は建ち続けます。1世帯当たりの人員は2.11人まで下がりました。
分母である総住宅数が5年で5.8%増えているので、空き家率という割り算の答えは下がります。それでも実数としての放置空き家は増えている、というのが神奈川県の現在地です。
お住まいの市町村を選んでください
市町村ごとに、県が使っている地域区分、人口、その他の空き家率、空き家バンクの掲載の有無を表示します。
物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
上から市町村を選んでください。
空き家バンクは神奈川県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
「その他の空き家率」は、賃貸用でも売却用でも別荘でもない空き家が総住宅数に占める割合です。
当社にご相談が集まるのはこの区分で、県全体では3.2%(全国は5.9%)。
中井町・松田町・山北町・箱根町・真鶴町・清川村は、県の資料で個別の数値が公表されていないため空欄にしています。
選んだ市町村について、建て替えができるのか、いくらで動くのかまでは、この表だけでは決まりません。所在地と地番が分かれば当社で調べます。神奈川県の物件について相談する
神奈川県に空き家バンクはありますか
県がまとめて運営する空き家バンクはありません。市町村ごとの運用です。
神奈川県は空き家施策のページから神奈川県内市町村の移住・定住支援へ案内する形をとっていて、ここに33市町村の空き家バンク・住宅支援の窓口が並んでいます。県のページは「各市町村へ直接お問合せください」と書いており、県が物件情報を集約しているわけではありません。
この一覧で「空き家バンク」という名前の制度が載っているのは、33市町村のうち13市町です。
| 市町村 | |
|---|---|
| 空き家バンクの掲載がある | 相模原市/平塚市/小田原市/秦野市/伊勢原市/三浦市/二宮町/大井町/山北町/開成町/箱根町/真鶴町/湯河原町 |
| 名前の違う窓口を載せている | 愛川町(空き家)/大磯町(住まい探し・空き家)/葉山町(空き家総合相談窓口)/清川村(空き家情報) |
名前が違うだけで中身も違います。
湯河原町と真鶴町が載せているのは町独自のバンクではなく、全国版空き家バンクや県西地域の広域サイトです。
「空き家バンクに登録すれば買い手が見つかる」という前提で待ち続けると、時間だけが過ぎることがあります。
登録して待つ道と、そのまま買取を検討する道は、どちらか一方しか選べないものではありません。並行して構いません。
なお神奈川県は33市町村の空き家の相談窓口一覧も別に公開しています(空き家に関する相談窓口)。担当課の名前は市町村によって違うため、この一覧から入るのが早道です。
- 買い手が内見に来ない……別荘地や斜面地では、そもそも見に来てもらえないことがあります
- 再建築不可・市街化調整区域……建て替えができないと、バンクに載っても買い手が付きにくくなります
- 残置物が残ったまま……登録の前に片付けを求められることがあります
- 共有持分だけ……そもそも登録の対象になりません
こうした型に当てはまるなら、バンクに登録して待つあいだも、当社にはそのままの状態でご相談いただけます。片付けも解体も先に済ませていただく必要はありません。登録して1年動かない、という段階でご連絡いただくことも多くあります。
神奈川県独自の空き家の制度はありますか
県が直接お金を出す補助制度は見当たりません。県の役割は市町村への支援で、補助金は市町村ごとに決まります。
ただし、神奈川県が作っているものは実務で効きます。県の空き家施策のページから公開されているのは次のとおりです。
| 県が作っているもの | 中身 |
|---|---|
| 神奈川県空家等対策計画(モデル計画) | 市町村が空家法7条の計画を作るときの下敷き。令和5年12月の法改正を受けて改定済み |
| 管理不全空家等及び特定空家等の判断マニュアル(案) | どの状態なら「管理不全空家等」に当たるかの判断基準。令和7年2月改訂 |
| 空き家所有者特定手法マニュアル(案) | 所有者が分からない空き家をどうたどるか。令和8年7月改訂 |
| 空き家の内部動産処分・管理手法マニュアル(案) | 残置物の扱い |
| 空き家にしない「わが家」の終活ノート | 所有者向け。管理不全空家等の勧告で住宅用地特例が外れる点も反映 |
| 空き家相談協力事業者登録制度 | 神奈川県居住支援協議会の事業。管理・売買・解体・相続人調査などの事業者を登録 |
市町村の判断が、県のマニュアルに沿って動いているということです。
「管理不全空家等」として勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が上がる可能性があります。
その判断基準を県がマニュアルとして公開しているので、自分の物件がどう見られるかを先に確認できます。
もうひとつ、所有者が直接使える窓口として、公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会の空き家総合相談窓口があります。県の相談窓口のページから案内されています。
ただし、県のマニュアルも相談窓口も、物件を買い取ってくれるものではありません。「どう管理するか」「どう活用するか」までは道筋が示されますが、管理も活用も難しい、という段階の答えはそこにはありません。手放すこと自体が目的なら、別の窓口が要ります。当社はその段階からのご相談を受けています。
解体費の補助は、どんなときに使えませんか
神奈川県に県独自の解体補助はありません。市町村ごとの制度で、条件から外れる型もはっきりしています。
例として相模原市の危険な老朽空き家等除却費補助金を見ます。補助額は補助対象経費の2分の1で上限50万円、世帯全員が非課税なら上限80万円です。
相模原市の制度で注目したいのは、未接道空家等は老朽度の判定がなくても対象になるという点です。
建築基準法の接道の要件を満たさず、特定行政庁の許可も得ていない敷地にある空き家は、
建物がまだしっかりしていても対象になります。未接道であること自体が理由として扱われている、ということです。
(相模原市の空き家解体補助金の詳しい記事)
一方で、次のいずれかに当たると対象から外れます。
- 平成12年6月1日以降に建築確認済証を取得した建物……築年の要件から外れます
- 所有権以外の権利が設定されている建物……住宅ローンの抵当権が残ったままだと対象外です
- 法人が所有している建物……個人所有が条件です
- 市税等に滞納がある場合……申請者と同じ世帯の全員が対象になります
- 交付決定の前に工事の契約を結んでいる場合……先に契約すると補助が消えます
そして、補助が通っても自己負担は残ります。上限50万円の制度で、解体費が150万円なら100万円は自分で出すことになります。相模原市は事前調査の申込を工事年度の10月末日まで、交付申請を11月末日までと定めていて、この時期を逃すと翌年度まで待つことになります。
補助の要件から外れた、あるいは上限まで出ても自己負担を用意できない——
というときに、「壊さずにそのまま手放す」という道があります。
当社は現況のままで取り扱っています。解体を前提にしていません。
補助の対象から外れた、または自己負担が出せないという場合は、所在地と地番だけお知らせください。壊さずに手放せるかを調べてお答えします。
神奈川県の空き家は、どこに偏っていますか
県西と三浦半島に偏っています。県全体の3.2%という数字を見ているだけでは、この偏りは見えません。

神奈川県は市町村別その他の空き家数とその他の空き家率を公表しています。県全体は3.2%ですが、湯河原町は10.4%、三浦市と二宮町は9.3%で、全国平均の5.9%を大きく超えます。
人口の動きも同じ方向です。令和7年国勢調査の速報によると、前回調査からの人口減少率が最も高いのは真鶴町の11.2%減、次いで山北町9.4%減、箱根町9.0%減、三浦市8.1%減、湯河原町7.5%減でした。一方で海老名市は3.8%増えています。
同じ神奈川県でも、増えている市と1割近く減っている町が同時に存在します。
「神奈川なら売れるはず」という前提は、県西と三浦半島では当てはまらないことがあります。
似た条件の家がすでに何軒も残っている地域では、売り出しても動かないことが起こります。
もうひとつ神奈川県らしいのは、住宅の建て方です。令和5年住宅・土地統計調査では、居住世帯のある住宅のうち一戸建は40.7%(全国は52.7%)、共同住宅が57.0%を占めます。マンションが中心の県で、戸建の空き家は地域が偏ります。
県西の4町は線引きされていません|再建築の見方が変わります
山北町・箱根町・湯河原町・真鶴町の都市計画区域には、区域区分(線引き)が定められていません。
神奈川県の線引き見直しについてを見ると、令和7年の第8回線引き見直しは政令指定都市(横浜市・川崎市・相模原市)を除く29市町・26都市計画区域で行われました。そのうち区域区分の告示があるのは23区域で、山北・箱根・湯河原(湯河原町と真鶴町)の3区域には区域区分がありません。
用語を1文で説明します。線引き=都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分けることです。分けていない区域を非線引き都市計画区域と呼びます。
- 市街化調整区域ではないので、市街化調整区域の許可(都市計画法34条)の話は当てはまりません
- 代わりに見るのは用途地域が定められているかどうか。定めのない白地地域では建ぺい率・容積率の扱いが変わります
- そして接道。建築基準法の接道義務=敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないという決まりを満たすか
- 満たさない場合は再建築不可となり、建築基準法43条2項2号の許可が使えるかを確認します
つまり、県西の4町で「建て替えられません」と言われたとき、その理由は調整区域ではない可能性が高いということです。理由が違えば、確かめるべき書類も打てる手も変わります。
一方で、清川村は県の線引き見直しの対象に入っていません。都市計画の枠組みそのものが他の32市町村と違う扱いになります。
神奈川県はもともと昭和45年に当初線引きを行い、令和7年で8回目の見直しになります。県の資料によれば、当初線引きから第7回までの間に県の総人口は約1.67倍になった一方、市街化区域の面積は約1.08倍にとどまりました。市街地を広げずに人口を受け止めてきた県で、その分、市街化調整区域に残った古い住宅が動きにくくなっています。
条件別に見て、この物件は手放せますか
再建築不可・市街化調整区域・共有持分・未登記・借地・山林のいずれであっても、それだけを理由に対象外とすることはありません。解体も測量も相続人全員の同意も、先に済ませていただく必要はありません。
箱根町・湯河原町・真鶴町のような別荘地を含む地域では、使っていなくても管理費の請求が続くことがあります。建物があるかどうかとは別の話なので、更地でも止まりません。この点は別荘地の管理費が払えないで詳しく書きました。
分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。
手放すまでの流れはどうなりますか
4つの段階で進みます。売主様に先に費用をご負担いただく段階はありません。

区域区分・用途地域・接道・登記・私道の持分・管理費の有無は当社が調べます。県外で暮らしながら県内の実家を抱えている、という形でも、現地にお越しいただく必要はありません。詳しい手順は事業内容をご覧ください。
いまの状態で取り扱えるかどうかだけでも構いません。神奈川県の物件について相談する
神奈川県の対応エリア(全33市町村)
神奈川県全域に対応しています。市町村で対象を絞っていません。
理由は前の節のとおりです。線引きの有無も補助制度も市町村単位で動くため、県内をいくつかに区切ってあらかじめ対象を決めても意味がありません。
以下は神奈川県が地域県政総合センターの所管で用いている区分に沿って並べたものです。
| 区分 | 市町村 |
|---|---|
| 横浜・川崎 | 横浜市/川崎市 |
| 横須賀三浦 | 横須賀市/鎌倉市/逗子市/三浦市/葉山町 |
| 県央 | 相模原市/厚木市/大和市/海老名市/座間市/綾瀬市/愛川町/清川村 |
| 湘南 | 平塚市/藤沢市/茅ヶ崎市/秦野市/伊勢原市/寒川町/大磯町/二宮町 |
| 県西 | 小田原市/南足柄市/中井町/大井町/松田町/山北町/開成町/箱根町/真鶴町/湯河原町 |
合わせて19市13町1村の33市町村です。
この一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
湘南地域の構成は湘南地域県政総合センター、
県央地域の構成は県央地域県政総合センターの所管で確認しています。
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 管理費や組合費の請求が来ているか、滞納があるか
- 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間
当社は現況のまま取り扱っています。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。
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