青森県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、40ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。空き家バンクがある市町村は38、解体費の補助は市町村ごとに別の制度です。ここでは県と市の公式資料をもとにその違いを整理し、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、青森県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。青森県の物件について相談する
青森県の空き家は、全国より多いのか?

多いです。しかも増え方が全国と違います。
見ていただきたいのは、空き家率そのものよりその下の行です。賃貸にも売却にも出されていない空き家の割合が9.3%。全国の5.9%の1.5倍を超えています。
青森県は、総住宅数そのものが減っている数少ない県です。
令和5年住宅・土地統計調査で全国の総住宅数は5年前より4.2%増えましたが、青森県は0.2%減。
新しい家が建つ数より、壊されたり数えられなくなったりする家のほうが多くなっているということです。
それでも空き家率は15.0%から16.7%へ上がりました。住宅の総数が減っても、空き家だけは増えているという形です。
同じ期間に、人口は5年で97,589人減りました。減少率7.9%は秋田県に次いで全国2番目です(令和7年国勢調査 人口速報集計)。
数が増えているということは、似た条件の家がすでに何軒も残っているということでもあります。売り出しても動かない理由の一つがここにあります(地方の空き家が売れない3つの理由に詳しく書きました)。なお、当社にご相談の多い地域のひとつが東北です。
物件のある市町村を選んでください
ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
上から市町村を選んでください。
空き家バンクは青森県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。
空き家バンクがある市町村と、ない市町村
青森県の場合、一覧をまとめているのは県庁ではなく青森県居住支援協議会です。県の建築住宅課が住宅のページからこの一覧へ案内しています。
掲載があるのは40市町村のうち38。三沢市と東通村には空き家バンクの記載がなく、市・村の公式サイトを確かめても、それにあたるものは見当たりませんでした(2026年9月時点)。
青森県らしいのは、1つのバンクを複数の市町村で共同運営しているところです。
| バンク | 対象の市町村 |
|---|---|
| 弘前圏域空き家・空き地バンク | 弘前市/黒石市/平川市/西目屋村/藤崎町/大鰐町/田舎館村/板柳町の8市町村 |
| 五所川原圏域空き家バンク | 五所川原市/つがる市/鰺ヶ沢町/深浦町/鶴田町の5市町 |
残りは市町村が自前で運営しています。八戸市の「はちのへ空き家ずかん」、三戸町の「おんでニャさいと」のように、名前からして違うものもあります。
バンクに登録できることと、買い手が現れることは別です。
バンクは買い手が自分で探しに来る場所なので、次のような物件は登録しても動きにくくなります。
- 再建築不可(接道が足りない、建築基準法43条の許可が見込めない)……買い手が住宅ローンを組みにくい
- 市街化調整区域……買い手の側に建てられる資格が要る。使い道が限られる
- 残置物が残ったまま……見学の申し込み自体が入りにくい
- 共有名義のまま/未登記のまま……買い手が現れても契約まで進めない
- 冬に見に行けない場所……雪で敷地に入れない時期は、内覧そのものが止まります
バンクに登録することと、買取を検討することは、どちらか一方しか選べないものではありません。並行して進めて構いません。登録して半年動かなかった物件のご相談も、よくいただきます。
バンクに載せても見に来ない、という段階でしたら、それは物件が悪いのではなく売り方が合っていないだけのことがあります。所在地と地番をお知らせいただければ、なぜ動かないのかも含めてお答えします。
解体費の補助は、どの市町村でも使えるのか?
使えません。制度がある市町村でも、枠そのものが小さいのが青森県の特徴です。
例として、県庁所在地である青森市の放置危険空き家対策事業(令和8年度)を挙げます。
| 内容 | |
|---|---|
| 補助の額 | 除却工事費の2分の1、または30万円のいずれか少ない額 |
| 募集戸数 | 5件程度(先着順) |
| 申請期間 | 令和8年7月1日から令和8年11月30日まで |
| 対象の建物 | 特定空家等、または市の別表で評点100点以上と判定された不良住宅 |
| 手続き | 交付申請の前に事前協議。市職員が敷地に立ち入り現地調査を行う |
県庁所在地で、年に5件程度です。そして上限は30万円です。
補助から外れる型は、はっきりしている
青森市の要綱には、対象にならない人が具体的に書かれています。
- 抵当権などが残っている……抵当権その他の権利を有する者がいる場合、その全員の同意が要ります
- 相続人・共有者の合意が取れていない……全員から同意を得ていない人は対象外です
- 法人が所有している……法人は対象になりません
- 市税を滞納している
- 市外の業者に頼みたい……施工者は市内に本店または主たる事業所があることが要件です
- 建物がまだ傷んでいない……評点100点以上の不良住宅、または特定空家等でなければ対象になりません
- 枠が埋まった……先着順なので、時期が遅いと制度があっても使えません
そして、いちばん多いのがこれです。補助が下りても、自己負担は残ります。上限30万円の補助が使えたとしても、解体費が150万円かかる木造住宅なら、120万円は自分で出すことになります(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う)。
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、売主様に先にご負担いただくことはありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道をご案内できる場合があります。
冬の間、青森県では何が止まるのか?

現地を見ること、解体すること、そして片付けることが止まります。これは青森県ではほぼ全域の話です。
国土交通省の豪雪地帯の地域指定によると、青森県は全40市町村が豪雪地帯で、全域が指定されている10道県の1つです。さらにそのうち13市町村が特別豪雪地帯に指定されています。
| 区分 | 市町村 |
|---|---|
| 特別豪雪地帯(全域) | 青森市/黒石市/平内町/今別町/蓬田村/鰺ヶ沢町/西目屋村/野辺地町 |
| 特別豪雪地帯(一部の地域) | 弘前市/五所川原市/十和田市/平川市/東北町 |
実務でどう効くかというと、こうなります。
- 見に行けない。雪が積もると敷地の境界も、外壁の傷みも、屋根の状態も確かめられません
- 解体が動かない。重機が入れない時期は、契約していても工事が春まで待ちになります
- 管理費がかかる。人が住んでいない家でも、雪下ろしをしないと屋根が抜けます。遠方にお住まいだと、そのたびに誰かに頼むことになります
- 傷みが早い。積雪と凍結を毎年繰り返すため、空き家になってからの劣化が速く進みます
国土交通省は市町村による空き家等の除雪等の考え方という資料も出していますが、これは市町村がどこまで手を出せるかを整理したものであって、所有者の代わりに雪を下ろしてくれる制度ではありません。雪の負担は、原則として所有者に残ります。
「春になったら考える」を数年くり返すと、建物の評価は確実に下がります。
雪国の空き家でいちばん多いのは、傷んだから売れなくなったのではなく、判断を先送りしている間に傷んだという順番です。
冬に動けないのは仕方がありませんが、冬のうちに決めておくことはできます。所在地と地番が分かれば、雪が解ける前に調査の段取りは進められます。
青森県が独自にやっていることは?
県が直接お金を出す解体の補助は見当たりません。そのかわり、県は相談先を用意する側に回っています。
- 青森県居住支援協議会 空き家相談員……空き家の所有者や市町村からの相談に中立の立場で応じる制度です。宅地建物取引士(実務経験5年以上)が登録され、令和8年4月1日現在で120名。相談料は無料で、青森・弘前・八戸・五所川原・上十三・下北の6圏域ごとに名簿が公開されています
- あおもり住まいのエンディングノート……県が作成した冊子で、「我が家を空き家にさせないために」を副題にしています。住まいの維持管理や手続きを自分で整理するためのものです(青森県 空き家活用推進ページ)
- 青森県空き家管理サービス契約ガイドライン……空き家の管理を業者に頼むときの契約について、協議会が県の地域性に合わせて定めたものです
- 空き家対策相談マニュアル……市町村の支援制度や担当課の一覧が載っています
窓口の名前が市町村ごとに違うのは青森県でも同じです。建設課、企画課、総合戦略課、いらっしゃい推進課——呼び名からして揃っていません。「隣の町ではこうだった」が自分の物件に当てはまらないのは、このためです。
ここにも外れる型があります。相談員は相談に乗ってくれますが、物件を引き取ってはくれません。「売りに出しましょう」「まず片付けましょう」と助言を受けても、買う人が現れなければ名義は自分のまま残ります。相談の結果、具体的に仕事を頼む段階になれば費用もかかります。
相談はしたが結局どこも買わなかった、という状態からのご相談も承っています。
建て替えできるかどうかは、何で決まるのか?
区域と接道で決まります。築年数ではありません。そしてその順番は、青森県のどの市町村でも同じです。
ただし青森県で先に行き止まりになるのは、たいてい建物のほうではありません。青森市の放置危険空き家対策事業が抵当権者や相続人の全員同意を求め、法人所有を外し、施工者も市内業者に限っているとおり、詰まるのは権利と書類の側です。当社は、その同意が揃う前でも、共有持分だけでも、未登記のままでも伺います。再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。
条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。
雪国の物件は、どういう順番で進むのか
所在地と地番さえ分かれば、あとは当社が役所と法務局を当たります。片付け・解体・測量の費用を、売主様に先にご負担いただくことはありません。雪の間は現地確認が春まで待ちになることがありますが、調査と判断は冬のうちに終えられます。手順は事業内容をご覧ください。
青森県の対応エリアはどこまで?
青森県全域に対応しています。市町村で対象を絞っていません。上のセレクタに、県内40市町村すべてを並べています。
理由は前の節のとおりです。制度も区域指定も市町村単位で動くため、県内をいくつかに区切ってあらかじめ対象を決めても、意味がありません。所在地と地番が分かれば、その市町村の運用を調べたうえでお答えできます。市町村名と圏域の区分は、県の市町村ホームページで確認しています。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
関連するコラム
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ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間
当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、売主様に先にご負担いただく必要はありません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
