岩手県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、33ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。空き家率は17.3%と東北で最も高く、県としての空き家バンク一覧はありません。ここでは県と市町村の公式資料をもとにその違いを整理し、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、岩手県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。岩手県の物件について相談する
岩手県の空き家率は、なぜ東北で最も高いのか?

住宅が広い県土に散らばっていて、まとまった買い手が付きにくいからです。まず数字を並べます。
空き家率17.3%は東北6県で最も高く、全国の13.8%を3.5ポイント上回ります。賃貸にも売却にも出されていない空き家の割合も9.3%で、全国の5.9%の1.5倍を超えています。
岩手県は、住宅が「まち」の外に多い県です。
県の住宅マスタープランによると、人口集中地区(DID地区)にある住宅は38.0%。
全国では73.1%が人口集中地区にあるので、岩手県はその約半分です。
面積は15,275平方キロメートルで北海道に次いで全国2番目。
同じ市の中でも、車で1時間離れれば買い手の層がまるで変わります。
県は同じ計画の中で、居住目的のない空き家を50,200戸から53,000戸に抑えることを目標に掲げています。減らす目標ではなく、増え方を抑える目標であることが、状況をよく表しています。
数が増えているということは、似た条件の家がすでに何軒も残っているということでもあります。売り出しても動かない理由の一つがここにあります(地方の空き家が売れない3つの理由に詳しく書きました)。
物件のある市町村を選んでください
ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
上から市町村を選んでください。
空き家バンクは岩手県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。
岩手県に、空き家バンクの一覧はあるのか?
ありません。これは探す側にとって、はっきり不便な事実なので先に書いておきます。
多くの県は「市町村空き家バンク一覧」というページを持っていますが、岩手県が公開しているのは空き家等相談窓口の御案内、つまり市町村の担当課をまとめた一覧です。そこには次のような記載があります。
– 窓口の担当課は市町村ごとにばらばらです。都市計画課、くらしの安全課、企画課、地域整備課、いらっしゃい葛巻推進課——名前からして揃っていません
– 1つの町で窓口が2つに分かれていることもあります。大槌町は環境整備課(適正管理)と産業振興課(補助金)で別々です
– 住田町と西和賀町は「調整中」と記載されています(この一覧の時点)
そのため、この県では自分の市町村のページを直接探すしかありません。当ページのセレクタには、各市町村の公式サイトで実際に空き家バンクが確認できたものだけをリンクしています。リンクが無い市町村は「バンクが無い」という意味ではなく、確認できなかったという意味です。
登録できても、見学者が来なければ終わらない
県の住宅マスタープランは、空き家バンクの新規登録件数を年93件から125件へ増やすことを目標に掲げています。県全体で年に100件前後という規模です。登録の枠が足りないのではなく、登録した先で買い手と出会えるかどうかが細いところだと分かります。
とりわけ次の4つが重なると、登録しても問い合わせが入らないまま時間が過ぎます。
- 接道が足りず建て替えができない土地。買主側で住宅ローンの審査が通りにくくなります
- 市街化調整区域の宅地。買う側に建てられる資格があるかどうかで、話せる相手が絞られます
- 家財がそのまま残っている家。写真を出せず、内覧の日程も組みにくくなります
- 名義が共有のまま、あるいは建物が登記されていない状態。買主が現れても決済まで届きません
登録と買取は、どちらかを選ばなければならないものではありません。同時に進めていただいて構いませんし、登録から半年動かなかった段階でのご相談も普通にいただきます。
半年待っても内覧の申し込みが1件も入らないなら、値段ではなく条件のほうが止めている可能性が高くなります。所在地と地番をいただければ、どこで止まっているかを当社で見て、そのままお引き受けできるかをお答えします。
解体費の補助は、どの市町村でも使えるのか?
使えません。そもそも除却(解体)の補助を置いていない市町村があります。
分かりやすいのが県庁所在地の盛岡市です。市は空き家等バンクを運営し、空き家等家財処分事業補助金・空き家等購入費補助金・空き家等改修事業補助金を用意していますが、解体そのものへの補助は見当たりません(2026年9月時点)。
補助のメニューは「使ってもらう」方向に寄っていることが多いのです。
改修・購入・家財処分の補助は、買う人や住む人を想定した制度です。
手放したい側が必要としている解体費の補助は、置かれていない市町村があります。
「うちの市は空き家対策に力を入れているから大丈夫だろう」と思って調べたら、自分の用途には使えなかった——という順番になりがちです。
制度がある市町村でも、要件で外れる型ははっきりしています。全国共通で多いのは次のようなものです(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う)。
- 抵当権などが残っている……権利が設定されたままの建物を対象外にしている要綱が多くあります
- 相続人や共有者の合意が取れていない……全員の同意を求められます
- 市税を滞納している
- 市外の業者に頼みたい……施工者を市内業者に限っている市町村があります
- 建物がまだ傷んでいない……「特定空家等」や「不良住宅」と判定されないと対象にならない制度が多くあります
- 予算が終わっている……先着順や件数の上限があると、時期が遅いと使えません
そして、いちばん多いのがこれです。補助が下りても、自己負担は残ります。上限50万円の補助が使えたとしても、解体費が150万円かかる木造住宅なら、100万円は自分で出すことになります。
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、売主様に先にご負担いただくことはありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道をご案内できる場合があります。
なお、災害で被害を受けた家屋については、市町村が所有者に代わって解体する公費解体という別の枠組みが用意される場合があります。こちらは補助金とは仕組みが違い、相続が壁になることがあります(公費解体は相続が壁になる)。
冬に動けない期間があることを、先に見込んでおく

国土交通省の豪雪地帯の地域指定によると、岩手県は全33市町村が豪雪地帯です(全域が指定されている10道県の1つ)。特別豪雪地帯は西和賀町と八幡平市の一部の2市町にとどまりますが、豪雪地帯そのものは県全域に及びます。
岩手県の場合、ここに距離が上乗せされます。県土は15,275平方キロメートル。同じ市の中で現地を1軒見るだけで半日かかることがあり、雪が加わればその日は動けません。解体業者に見積もりを頼んでも、現地を見てもらえるのが春になる、ということが起こります。
空き家は、傷んだから売れなくなるのではありません。
売るかどうかを決めかねている間に傷みます。積雪と凍結を毎年くり返す地域では、その進み方が速くなります。
冬に現地が動かないのは変えられませんが、冬のあいだに判断まで終えておくことはできます。登記も区域も接道も、雪の有無とは関係なく調べられるからです。
岩手県が独自にやっていることは?
県が直接お金を出す解体の補助は見当たりません。そのかわり、県は相談の入口をひとつにまとめる側に回っています。
- 岩手県「空き家相談窓口」……空き家(空き地を含む)の所有者を対象に、相続・維持管理・解体・賃貸・売却の悩みをワンストップで受け付け、適した専門家を紹介する窓口です。相談窓口への相談は無料です(県のページ)
- 岩手県空家等対策連絡会議……県・市町村・建築士会・建築士事務所協会・宅地建物取引業協会などで構成され、相談窓口の一覧を公表しています
- 岩手県空き家バンク利活用促進マニュアル……市町村の担当者向けに、県がバンクの運用を後押しする資料です
- 空き家活用事例集……空き家をリノベーションして事業に使った県内の事例をまとめたパンフレットです
ここにも外れる型があります。窓口は相談に乗ってくれますが、物件を引き取ってはくれません。県自身「専門家相談窓口の相談対応は有料となる場合があります」と書いています。助言を受けても、買う人が現れなければ名義は自分のまま残ります。
相談はしたが結局どこも買わなかった、という状態からのご相談も承っています。
建て替えできるかどうかは、何で決まるのか?
敷地が何の区域に入っているかと、前面の道路がどう扱われているかで決まります。建物の古さではありません。
岩手県は県土が広く、都市計画がかかっていない土地も珍しくありません。そこでは調整区域の許可という論点そのものが出てこず、分かれ目になるのは接道と地目のほうです。家に山林や農地がくっついてくるご相談も目立ちますが、宅地だけ、という区切り方はしていません。再建築不可だから、未接道だから、という一点で断ることはしていません。
分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。
| 物件の事情 | 詳しく |
|---|---|
| 再建築不可・未接道 | 再建築不可物件の買取相談 |
| 市街化調整区域 | 市街化調整区域の買取相談 |
| 相続した空き家 | 相続した空き家の買取相談 |
| 未登記・私道・境界 | 未登記・私道・境界の買取相談 |
| 山林・原野・農地 | 山林・原野・別荘地の買取相談 |
| 共有持分・借地・底地 | 共有持分・借地・底地の買取相談 |
県外に住んでいても進められるのか
進められます。盛岡や仙台まで出てきていただく必要はありませんし、現地に立ち会っていただくこともありません。調べものは当社が引き受けます。先に費用をご用意いただく場面はありません。段取りは事業内容にまとめています。
岩手県の対応エリアはどこまで?
岩手県全域に対応しています。盛岡から離れているという理由で断ることはしていません。上のセレクタに、県内33市町村をすべて並べています。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。建て替えの可否も補助の中身も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。所在地と地番さえ分かれば、その市町村の運用を調べたうえでお返事できます。市町村名は県の県内各市町村から取り、区分は県の4つの広域振興局(盛岡・県南・沿岸・県北)に合わせました。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
関連するコラム
岩手県に絞ったコラムはまだありません。全国共通の内容はコラム一覧にまとめています。<!– /chiiki:columns –>
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間
当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、売主様に先にご負担いただく必要はありません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
