茨城県の訳あり不動産|44市町村の空き家バンクと買取

茨城県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、44ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。空き家バンクがある市町村は39、解体費の補助は市町村ごとに別の制度です。ここでは県と市町の公式資料をもとにその違いを整理し、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。

結論から書くと、茨城県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。

すでに「バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。茨城県の物件について相談する

茨城県の空き家は、全国より多いのか?

茨城県の空き家の推移を示した図解
空き家率は下がっても、放置されやすい区分は増えている

多いほうです。ただし本当に見るべきなのは空き家率ではなく、その内訳です。

人口の増減1か月で1,121人の減少令和8年7月中/茨城県 常住人口調査(茨城県の人口と世帯(推計)月報)
居住目的のない空き家93,200戸令和5年/茨城県「空き家活用施策検討業務」結果
市町村数32市10町2村(44市町村)2026年9月時点/茨城県「県内の市町村」

茨城県が県内の空家の状況としてまとめているとおり、県の空き家率は前回調査より0.7ポイント下がりました。全国が0.2ポイント上がったのとは逆方向です。

空き家率そのものは下がっているのに、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」だけが増えています。
これは売りにも貸しにも出されていない空き家で、管理されないまま残りやすい区分です。
茨城県は10年で約1.4倍(6.7万戸→9.3万戸)。全国の約1.2倍(318万戸→386万戸)より大きく増えています。

もうひとつ、県が空き家活用施策検討業務の結果として公表している数字があります。その93,200戸のうち71,100戸は「腐朽・破損のない空き家」です。つまり、傷んでいるから残っているのではなく、傷んでいないのに動いていない家が大半だということです。

理由は建物の傷み具合ではなく、土地と権利のほうにあることが多いと考えています。再建築ができない、市街化調整区域で買い手の使い道が限られる、名義が共有のまま、建物が未登記——そういう条件が付くと、きれいな家でも買い手が付きません。

数が増えているということは、似た条件の家がすでに何軒も残っているということでもあります。売り出しても動かない理由の一つがここにあります(地方の空き家が売れない3つの理由に詳しく書きました)。

物件のある市町村を選んでください

ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

県北
県央
鹿行
県南
県西

上から市町村を選んでください。

空き家バンクは茨城県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。

空き家バンクがある市町村と、ない市町村

茨城県の市町村空き家バンク一覧に掲載があるのは、44市町村のうち39市町村です(2026年9月時点)。日立市・結城市・取手市・坂東市・境町の5市町は載っていません。各市町の公式サイトを確かめても、空き家バンクにあたるものは見当たりませんでした。

運営のかたちもそろっていません。多くは市町村が自分のサイトで運営していますが、下妻市は全国版の空き家バンク(LIFULL HOME’S)に、鹿嶋市はアットホームの空き家バンクに載せる形です。かすみがうら市のように市が別ドメインで独立したサイトを持つところ、北茨城市・笠間市・稲敷市のように移住ポータルの中に置くところもあります。高萩市にいたっては名称が「空き家バンク」ではなく物件紹介バンクです。

県の一覧に載っているリンクが、すでに移転していることがあります。
2026年9月25日時点で、古河市と守谷市のリンク先はつながりませんでした(どちらもバンク自体は市の別ページにあります)。
一覧に無い・つながらない=制度が無い、ではありません。必ず市町村の現在のページで確かめてください。

バンクが無い市町村が、何もしていないわけでもありません。取手市は、バンクの代わりに空家等利活用の媒介制度を置いています。茨城県宅地建物取引業協会と協定を結び、登録された物件を協会のサイトに載せる仕組みです。「売りたいがどこに相談すればいいか分からない」という声に応えるためだと市は説明しています。

バンクに載せても動かない物件の型

ここからが本題です。バンクは買い手が自分で探しに来る場所なので、次のような物件は登録しても動きにくくなります。

  • 再建築不可(接道が足りない、建築基準法43条の許可が見込めない)……買い手が住宅ローンを組みにくい
  • 市街化調整区域……買い手の側に建てられる資格が要る。使い道が限られる
  • 残置物が残ったまま……見学の申し込み自体が入りにくい
  • 共有名義のまま/未登記のまま……買い手が現れても契約まで進めない
  • そもそも見学者が来ない地域……競合する空き家が近所に何軒もある

バンクに登録することと、買取を検討することは、どちらか一方しか選べないものではありません。並行して進めて構いません。登録して半年動かなかった物件のご相談も、よくいただきます。

バンクに載せても見に来ない、という段階でしたら、それは物件が悪いのではなく売り方が合っていないだけのことがあります。所在地と地番をお知らせいただければ、なぜ動かないのかも含めてお答えします。

解体費の補助は、どの市町村でも使えるのか?

使えません。制度がある市町村でも、条件は物件ごとに厳しく決まっています。茨城県は市町村ごとの制度を統一していないため、隣り合う市で扱いが違うことが普通に起こります。

実際に3市の要綱を見てみます。いずれも2026年9月25日時点で市の公式ページに載っているものです。

市補助の額受付の状況
日立市(利活用型)対象経費の3分の1・上限50万円令和8年度分を受付中(予算に限りあり)
古河市解体工事費の2分の1・最大50万円令和8年5月1日〜10月30日(予算終了次第)
結城市対象経費の2分の1・上限30万円予算に達したため受付終了

同じ「上限50万円」でも、日立市は3分の1、古河市は2分の1です。結城市は申請期限を令和8年12月28日と定めていましたが、それより前に予算が尽きて受付が終わりました。

補助から外れる型は、はっきりしている

要綱を読むと、外れる条件が具体的に書いてあります。

  • 抵当権などが残っている……古河市は「所有権以外の権利が設定されていないこと」を要件にしています
  • 未登記の建物……古河市は「不動産登記されている建物」であることを要件にしています
  • 築年が新しい……日立市は昭和56年5月31日以前に建築確認を受けたものに限っています
  • 建物が小さい……日立市は延べ床面積50平方メートル以上(併用住宅はさらに条件あり)
  • 解体後の予定が決まっていない……日立市の利活用型は、解体から1年以内に跡地の売却か賃貸の契約が要ります
  • 市税の滞納がある/市外の業者に頼みたい……日立市も古河市も、滞納がないことと市内業者の施工を求めています
  • 予算が終わっている……結城市の令和8年度分がこれにあたります

そして、いちばん多いのがこれです。補助が下りても、自己負担は残ります。上限50万円の補助が使えたとしても、解体費が150万円かかる木造住宅なら、100万円は自分で出すことになります。残置物の処分費は日立市も結城市も補助の対象外です(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う)。

壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、売主様に先にご負担いただくことはありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道をご案内できる場合があります。

茨城県だけがやっていることは何か?

県は補助金を直接配るのではなく、市町村を支える側と、相談先を用意する側に回っています。解体費そのものを県が出す制度は見当たりません。

茨城県は空家等対策のページで、「学ぶ」「見る」「つながる」「生み出す」を循環させるという基本理念IBARAKI AKIYA CONNECTを掲げ、庁内7部局11課による空家等対策連絡調整会議を置いていると説明しています。

読者にとって実際に使えるのは、次のあたりです。

  • 県内関係団体の相談窓口……弁護士会(権利関係)、司法書士会(相続登記)、宅地建物取引業協会と全日本不動産協会(取引)、土地家屋調査士会(境界・表示登記)、水戸地方法務局が並んでいます
  • 空き家管理業者リスト……宅建協会・全日本不動産協会の会員と、市町村と協定を結んだシルバー人材センターの一覧を県が公開しています
  • 県の空き家バンク横断検索……市町村ごとのバンクをまとめて検索できる仕組みが移住ポータルにあります
  • インスペクション費用……高萩市は、県が空き家バンク登録物件の既存住宅状況調査の費用を全額負担していると案内しています(県の制度概要)
  • 担当課の名前は市町村でばらばら……県の担当課一覧を見ると、住宅政策課・生活環境課・都市計画課・企画政策課・地方創生課と、呼び名からして違います

窓口の名前が違うということは、同じ質問をしても返ってくる答えが違うということでもあります。「隣の市ではこうだった」が自分の物件に当てはまらないのは、このためです。

ここでも外れる型があります。インスペクションの費用負担は、空き家バンクに登録している(する予定の)物件が前提です。バンクに載せられない物件——再建築不可や権利関係が片付いていない物件——は、この入口には立てません。相談窓口も、相談に乗ってはくれますが、物件を引き取ってはくれません。最後に誰かが買わなければ、名義は自分のまま残ります。

線引きのない区域が多い県で、建て替えはできるのか?

所在地が決まれば確かめる順番は決まることを示した図解
どの市町村でも、見ていく項目は同じ

区域によります。そして茨城県は、「建てられるかどうかが一目で分からない」タイプの土地が特に多い県です。

県は都市計画区域マスタープランを令和8年9月に策定し、県内29の都市計画区域を県北・県央・鹿行・県南・県西の5圏域にまとめました。その中に、当社の仕事に直結する一文があります。

本県の都市は、可住地面積も広いことから、中小都市が分散するとともに、郊外(市街化調整区域と非線引き白地地域)に人口の約4割が居住しているという特性を有している。

(県南圏域都市計画区域マスタープラン 第1部 第2章より)

県民のおよそ10人に4人が、市街化調整区域か、線引きのない白地地域に住んでいる。これが茨城県の土地の性格です。

圏域ごとの方針を見ると、29ある都市計画区域のうち区域区分を「定めない」=非線引きとされているものが13区域あります(各圏域マスタープランの「区域区分の決定の有無」の表を数えたもの)。日立都市計画区域は日立市と常陸太田市の一部、高萩都市計画区域は高萩市の一部というように、市域の全部が都市計画区域に入っていない市町もあります。つまり、

  • 市街化区域……建てられる。話が早い
  • 市街化調整区域……都市計画法34条の許可が要る。買い手の側に資格が要ることがある
  • 非線引き都市計画区域の白地……線引きが無いので調整区域の縛りは無いが、用途地域も無く、将来像が読みにくい
  • 都市計画区域外……そもそも都市計画がかかっていない。接道と建築基準法の確認が中心になる

この4つは、同じ「茨城県の土地」でも扱いがまったく別です。そしてどれに当たるかは、登記簿を見ても書いてありません。

さらに、区域区分は一度決まったら動かないものではありません。令和8年度も区域区分の変更手続きが進んでいて、竜ヶ崎・牛久都市計画では「川崎町北部地区の市街化調整区域への編入」が、つくばみらい都市計画や水戸・勝田都市計画でも区域区分の変更が扱われています。

市街化区域から市街化調整区域へ移る変更が、現に行われています。
親から引き継いだ資料や、何年も前に聞いた説明が、いまの区域と一致しているとは限りません。
ここを思い込みで判断すると、打てるはずの手を見落とします。

確かめる順番は、どの市町村でも同じです。都市計画の区域区分、建築基準法43条の接道、都市計画法34条の許可・既存宅地・分家住宅の属人性、建物の状態と築年数。この調査は当社で行います。売主様に役所を回っていただく必要はありません(市街化調整区域の相場は何割?、都市計画法34条11号とは)。

人口は減っているのに、世帯数はふえている

これが、空き家が増え続ける仕組みそのものです。茨城県の人口と世帯の推計は、同じ1か月のあいだに人口が1,121人減り、世帯数は795世帯ふえたと報告しています。

人が減っているのに世帯が増えるのは、同居していた家族が別々の家に分かれていくからです。親が施設に入り、子は別の市に家を買う。そうして誰も住まない実家が1軒、名義だけ残る。これが県内で毎月起きています。

県内の動きも一様ではありません。同じ月の報告で、人口が増えたのは6市3町1村だけ、減ったのは26市7町1村でした。圏域別に見ると県南だけで100万人を超え、県北は31万人台です。つくば市の人口が265,269人となり、水戸市(265,214人)を初めて上回ったのもこの月でした。

伸びている市と、縮んでいる市が、同じ県の中に並んでいます。
「茨城県の相場」という言い方が成り立ちにくいのは、このためです。
価格の話は、県ではなくその地区の成約事例を見ないと当たりません。

当社へのご相談も、県北と鹿行、そして霞ヶ浦の周りに多く、ご相談の多い地域のひとつです。共通しているのは、「売れないのは価格のせいだと思っていたら、制約のせいだった」という型です。

買取はどういう流れで進むのか?

費用を先にご負担いただく場面はありません。所在地と地番をお知らせいただければ、区域区分・接道・用途地域・登記・過去の売り出し履歴を当社が役所と法務局で確認します。補助の対象から外れた、自己負担が用意できないという段階でも、壊さずに手放す道が残っています。段取りは事業内容をご覧ください。

条件別|再建築不可・市街化調整区域・共有持分・未登記

再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、対象外とすることはありません。

茨城県は県民の約4割が市街化調整区域に住む県なので、34条の許可・既存宅地・分家住宅の属人性を確かめるところから入ります。県北や鹿行では、建物よりも土地だけのご相談が多くなります。未登記建物は解体補助の対象からは外れますが、買取では話が進みます。

土浦市は市内全域空家実態調査を令和9年3月まで行っており、外観調査で建物の状況を記録しています。調査されたからすぐ何かが起きるわけではありませんが、後回しにするほど選べる道は減ります。

条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。

茨城県の対応エリア(全44市町村)

茨城県全域に対応しています。市町村で対象を絞っていません。

理由は前の節までのとおりです。制度も区域指定も市町村単位で動くため、県内をいくつかに区切ってあらかじめ対象を決めても、意味がありません。所在地と地番が分かれば、その市町村の運用を調べたうえでお答えできます。市町村名は県の県内の市町村で確認しています。

この一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。

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ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
  3. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  4. 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間。空き家バンクに登録した期間があればそれも

当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、売主様に先にご負担いただく必要はありません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。

再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。

ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。

補助の対象から外れた物件、バンクに載せても動かなかった物件、名義が片付いていない物件。そういう物件こそ、当社が話を聞ける相手です。

会社概要

ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。

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