東京都の訳あり不動産|空き家バンクは62区市町村のうち15

浅草雷門、街角の赤い門(イメージ)
写真はイメージです(浅草雷門、街角の赤い門をもとに作成したもので、実際の風景とは異なります)

東京都の訳あり不動産は、「売れないはずがない」と言われるところから始まります。中古住宅の流通が活発で、空き家率は10.9%と全国平均を下回ります。それでも動かない物件があり、その理由は場所ではなく条件にあります。

ここでは都と区市町村の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどこで詰まるのかを書きます。

結論から書くと、東京都全域に対応しています。23区も多摩も島しょ部も、現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。

「隣の家と壁が接していて一棟だけ壊せない」「間口が2mない」「共有者と話がつかない」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。東京都の物件について相談する

空き家率が高い区ほど、困っている人は少ない

東京都の空き家率1位の豊島区はその他の空き家率が0.9%しかないことを示した図解
空き家率1位 豊島区13.9%、その他の空き家率0.9%

まず都全体の数字を見てください。

空き家数

89.7万戸

うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が21.4万戸

令和5年/令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)

人口

14,303,513人

うち島部は21,641人。都全体の0.15%

令和8年8月1日/東京都の人口(推計)(東京都 総務局統計部)

東京都の空き家率10.9%は、全国13.8%を下回ります。ところが戸数は89.7万戸。これは秋田県の総住宅数44.1万戸の2倍にあたります。

区市町村別に見ると、順位が直感と合いません。

空き家率が高い賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率が高い
豊島区 13.9%台東区 6.9%
港区 13.7%瑞穂町 5.6%
清瀬市 13.6%中央区 5.1%
国立市 13.5%日の出町 5.0%
府中市 13.0%青梅市 4.6%/文京区 4.6%

(令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計/総務省統計局)

左右にほとんど重なりがありません。
豊島区の空き家率は都内で最も高い13.9%ですが、賃貸にも売却にも出されていない空き家の割合は0.9%しかありません。
つまり豊島区の空き家は、ほぼ全部が募集中の賃貸の空室です。持ち主が困っている空き家ではありません。

当社に届くご相談は右の列に集中します。東京都全体で見たその他の空き家率2.6%は47都道府県で最も低い数字ですが、戸数にすると21.4万戸。割合は小さくても母数が大きいので、戸数では地方の県を上回ります。

物件のある区市町村を選んでください

ここから先は区市町村ごとに事情が変わります。空き家バンク、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区八王子市立川市武蔵野市三鷹市青梅市府中市昭島市調布市町田市小金井市小平市日野市東村山市国分寺市国立市福生市狛江市東大和市清瀬市東久留米市武蔵村山市多摩市稲城市羽村市あきる野市西東京市瑞穂町日の出町檜原村奥多摩町大島町利島村新島村小笠原村神津島村三宅村御蔵島村八丈町青ヶ島村

濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。

地図か一覧から市町村を選んでください。

一覧から選ぶ
区部
市部(多摩)
郡部(西多摩)
島部

空き家バンクは東京都の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。

表示した制度は、その区市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。

東京に空き家バンクはあるのか?

東京都の空き家バンクは62区市町村のうち15で23区は豊島区だけであることを示した図解
空き家バンクは15自治体。23区は豊島区だけ

あります。ただし62区市町村のうち15です。

東京都住宅政策本部がまとめた都内区市町村の空き家バンク一覧には、次の15自治体が載っています。

  1. 23区 … 豊島区のみ。しかも運営は区ではなく豊島区居住支援協議会の「としま居住支援空き家バンク」
  2. 多摩の市部 … 青梅市・調布市・国分寺市・狛江市・東久留米市・西東京市の6市
  3. 西多摩 … 日の出町・檜原村・奥多摩町の3町村
  4. 島しょ部 … 大島町・利島村・新島村・神津島村・八丈町の5町村

約1,000万人が住む23区で、空き家バンクは1つ。残りの22区には、所有者が物件を載せられる公的な場所がありません。

そのうえ都は、空き家バンクの案内ページ自体にこう書いています。「都内の空き家は、中古住宅流通が活発であることにより、長期間空き家状態となりにくいという特徴があります。そのため、下記サイトに掲載される都内の空き家は、他県に比べてごく少数です」。

東京で空き家バンクを当てにする話ではありません。
東京の空き家が止まるのは、市場に出したあとではなく市場に出す前です。
– 長屋や連棟で、自分の一棟だけ切り離せない
– 前面の道が4m未満で、接道の長さも足りない
– 共有名義のまま相続人が増えて、売る主体が決まらない
– 借地の上に建っていて、地主との交渉が終わらない
これらは仲介では扱いが難しく、空き家バンクに載せても解決しません。

大田区・練馬区・杉並区・葛飾区・江戸川区・日野市には、空き家バンクに近いマッチング制度があります。ただしこれは地域貢献活動やシェアハウスなどへの活用を前提にしたもので、一般の売買用ではありません。セレクタでは区別して表示しています。

再建築不可の敷地を、名指しで手厚くしている区がある

東京都の解体の補助は、二段構えになっています。

まず都の制度として東京都空き家家財整理・解体促進事業があります。家財整理は費用の2分の1で上限5万円、解体は2分の1で上限10万円。東京都空き家ワンストップ相談窓口に相談した人が対象です。

都内で木造2階建てを解体すれば200万円を超えることも珍しくないので、この金額で動くかどうかは別の話になります。

実際に効くのは区市町村の除却助成のほうです。そのなかで、墨田区の設計だけが違います。

  • 不良住宅(不良度の評点100点以上)… 除却工事費の2分の1・上限100万円
  • 無接道敷地にある不良住宅 … 除却工事費の3分の2・上限200万円

区はこの無接道敷地を「建築基準法第43条各項のいずれにも該当せず、再建築不可の土地」と定義しています。再建築不可であることを理由に、補助を厚くしているわけです。

壊しても建てられない土地は所有者が動かしにくい、という前提に立った制度設計で、東京都内でも例を見ません。

ほかの主な制度はこうです。

区市町村内容
荒川区解体費の3分の2・上限100万円(不良住宅と判定された場合は1平方メートルあたり26,000円・500平方メートルまで)
江東区除却工事費の2分の1・上限100万円。申請期限は令和9年1月29日
檜原村除却工事費の2分の1・上限100万円。門・塀・物置・車庫も対象
八王子市相続した空き家の除却に3分の2以内・上限100万円(相続発生から3年以内)
北区工事費の2分の1・上限80万円。別に不燃化特区内の除却支援事業がある
  • 判定で落ちます。墨田区も北区も荒川区も、不良度の評点100点以上が前提です。まだ住める状態の空き家は対象になりません
  • 未登記・相続未了で止まります。八王子市は「未登記でないこと」「相続の登記が完了していること」を明記しています
  • 抵当権などがあると使えません。福生市は「建物に所有権以外の権利が存しないこと」を要件にしています
  • 法人は外れます。杉並区は所有者が個人であることを条件にし、墨田区と荒川区は宅地建物取引業者・不動産賃貸業者を除いています
  • 残置物は対象外です。江東区は「地中障害物や家具等の残置物等の撤去費」を対象から外しています
  • そもそも制度がありません。多摩の多くの市と、島しょ部には解体への補助が見当たりません

目黒区と葛飾区にあるのは解体ではなく管理への補助です。目黒区は管理委託費の2分の1で1か月あたり上限2,000円、葛飾区は年度上限2万円。空き家を持ち続けるための制度であって、手放すための制度ではありません。

壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
判定で落ちた、抵当権が残っている、相続登記が済んでいない、残置物が片付かない——
そのどれでも、壊さずに手放す道があります。

島しょ部は、統計にも載っていない

東京都の島しょ9町村と檜原村奥多摩町は住宅土地統計調査の市区町村別に出ていないことを示した図解
区市町村別が出ているのは51。島は載らない

東京都には9つの島しょ町村があります。大島町・利島村・新島村・神津島村(大島支庁)、三宅村・御蔵島村(三宅支庁)、八丈町・青ヶ島村(八丈支庁)、小笠原村(小笠原支庁)。

人口は合わせて21,641人で、都全体の0.15%。一方で面積は412.61平方キロメートル、都全体の約19%を占めます。青ヶ島村171人、御蔵島村285人、利島村308人という規模です。

ここで最初に効いてくるのが、数字が存在しないということです。

令和5年住宅・土地統計調査で区市町村別の空き家率が公表されているのは、62区市町村のうち51。
出ていないのは島しょ9町村と、檜原村・奥多摩町の合わせて11町村です。
住宅・土地統計調査は標本調査で、人口規模の小さい町村は集計から外れます。
上のセレクタで空き家率が出ない町村があるのは、そのためです。

制度の側も本土とは別物です。

  • 島しょ部に、解体への補助が見当たりません。大島町の空き家対策事業補助金は購入費・改修・荷物処分が対象で2分の1・上限50万円。解体は入っていません
  • 工事業者が縛られます。大島町の補助は「町内に本社を有する法人又は町内に住所を有する個人」の工事に限られます。島に何社あるかで選択肢が決まります
  • 賃貸目的が前提です。大島町の補助は、空き家バンクに賃貸を目的として登録している所有者か、空き家バンク物件を購入・賃借した人が対象。改修後3年間は空き家バンクに登録し続けることが条件です
  • 三宅村・神津島村・新島村の制度も改修と定住化が対象で、手放したい所有者向けではありません
  • 利島村には空き家バンクのサイトがありません。都の一覧でも「電話による対応」とされ、URL欄は空欄です

大島町の空き家バンクには、築40〜50年の物件が200万円から550万円で出ています。東京都のなかにも、解体費のほうが売値を上回りうる場所があります。

島の物件も、そのままご相談いただけます。
現地にお越しいただく必要はありません。登記と公図で調べられる範囲から始められますし、
所在地と地番が分かれば、その町村の制度と権利関係は当社で確認します。

東京の空き家は、なぜ市場に出る前で止まるのか?

東京都の住宅の71.6%は共同住宅です。全国の44.9%と比べると突出しており、一戸建は26.3%しかありません(全国は52.7%)。持ち家住宅率も44.7%で、全国60.9%を大きく下回ります。

この構成のもとで残る空き家は、性格がはっきりしています。

東京で多い条件どこで止まるか
長屋・連棟隣と壁を共有しているため、自分の一棟だけ切り離す工事に隣地の同意が要る
未接道・再建築不可間口2m未満、あるいは前面が建築基準法上の道路でない。融資が付かず買い手が絞られる
共有持分相続が重なって共有者が増え、全員の合意が取れない
借地・底地地主の承諾料や更新の交渉が先に立ちはだかる

この4つは、どれも仲介で扱いにくいものです。価格の問題ではなく、取引の主体や工事の同意が揃わないために市場に出せない。だから空き家率が低い東京でも、動かない物件だけが残ります。

条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。

都はどこまで相手をしてくれるのか?

都の空き家対策は、区市町村を支える側に回っています。都自身が「都内の空き家対策は、法律の定めにより各区市町村が主体となり、都は技術的助言等を行い、役割分担をしながら取り組んでいます」と書いています。

所有者が直接使えるのは次のあたりです。

この一覧を見ると、千代田区・港区・立川市・府中市・東大和市・多摩市・稲城市・羽村市・八丈町・小笠原村などは、取組の欄が「-」になっています。区市町村が主体という建て付けである以上、主体が動いていない地域では、所有者の側に受け皿がありません。

相談窓口は、助言までで終わります。
「まず相続人を確定してください」「隣地の同意を取ってください」と言われて、そこから動けなくなる方がいます。
費用も手間も所有者側に残るからです。当社は助言ではなく、引き受ける側です。
登記・接道・区域の調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。

都外に住んでいても進められるのか?

進められます。現地に立ち会っていただく必要はありません。登記・接道・区域の調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。島しょ部の物件も同じです。手順は事業内容をご覧ください。

東京都の対応エリア

東京都全域に対応しています。上のセレクタに、23区26市5町8村の62区市町村をすべて並べています。

絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。空き家バンクの有無も除却助成の中身も区市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。区分は、東京都の人口推計が使っている区部・市部・郡部・島部に合わせています。

セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの区市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各区市町村へご確認ください。

東京都に関係する記事

相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。

あわせて読まれているものを挙げます。

ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  3. 前面の道の幅と、敷地が道に接している長さ
  4. 隣の建物と壁や屋根がつながっているか(長屋・連棟かどうか)
  5. 借地かどうか。借地なら地主との契約の状況

東京都のご相談は、「売れないはずがないと言われたのに、業者に断られた」という形で来ることが多くあります。未接道、長屋の切り離し、共有持分、借地。そのどれも、お断りする理由にはしません。接道も権利関係も、当社で調べます。

ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかはお伝えします。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。

ほかの都道府県をお探しですか

東京都以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。都道府県は日本地図から選べます。

お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町村の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。

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