
大阪府の訳あり不動産は、「壊せない」ところで止まります。隣と壁を共有した長屋、幅4m未満の道に面した木造賃貸、区域の指定から外れた古家。建物の状態ではなく、隣との関係と区域の線引きが出口をふさぐのが大阪の特徴です。
ここでは府と市町村の公式資料をもとに整理します。
結論から書くと、大阪府全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
「隣と続いていて一棟だけ壊せない」「密集市街地の補助を調べたら区域の外だった」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。大阪府の物件について相談する
人口は減ったのに、住宅は増えている

まず府全体の数字を見てください。
令和7年国勢調査で、大阪府の人口は5年間に73,107人減りました。前回(2015年から2020年)はほぼ横ばいだったので、今回はじめて明確な減少に転じたことになります。
一方で世帯数は171,879世帯増。総住宅数も5.3%増えています。人が減り、世帯と住宅が増える。この差が空き家になります。
大阪府の空き家率14.2%は、全国13.8%を上回ります。
三大都市圏の中心で全国平均を超えているのは大阪府だけです(東京都10.9%・愛知県11.8%)。
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家は22.7万戸。率では4.6%と低いのに、
戸数では東京都の21.4万戸を上回ります。
市町村別に見ると、高いのは府の東側と北河内に寄っています。
| 市町村 | 空き家率 | うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率 |
|---|---|---|
| 柏原市 | 20.8% | 6.8% |
| 守口市 | 17.1% | 6.4% |
| 門真市 | 17.0% | 5.5% |
| 東大阪市 | 16.3% | 5.0% |
| 大阪市 | 16.1% | 4.1% |
| 忠岡町 | 15.7% | 6.8% |
| 四條畷市 | 15.5% | 5.4% |
| 阪南市 | 15.2% | 7.1% |
| 河南町 | 15.1% | 7.5% |
| 大東市 | 14.9% | 3.1% |
(令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計/総務省統計局)
守口市・門真市・東大阪市は、あとで出てくる密集市街地の7市と重なります。いちばん高い柏原市は密集市街地ではありませんが、山あいの住宅地と古い市街地を抱えています。
物件のある市町村を選んでください
ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空家バンク、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。
地図か一覧から市町村を選んでください。
一覧から選ぶ
空き家バンクは大阪府の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。
表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。
いちばん人が多い市に、空家バンクの窓口がない
大阪府には大阪版・空家バンクという府域の統合サイトがあります。運営は大阪の住まい活性化フォーラムで、市町村やNPOが運営する空家バンクの情報を一元的に集めています。
府は年間アクセス数を約15万件、マッチングした物件の86%が掲載後1年以内に成立したとしています(令和3年度実績)。
ところが、その相談窓口の一覧に載っているのは43市町村のうち28です。
載っている28市町村にも、条件が付いているところがあります。
- 高槻市は市内全域ではなく、樫田地区(市北部の山間部)だけが対象です。担当も住宅部局ではなく市民生活環境部コミュニティ推進室
- 豊能町は余野・川尻・木伐・切畑・野間口・高山・牧・寺田・吉川地区だけで、運営はNPO法人「豊能町ふるさとおこし協議会」への委託
- 千早赤阪村は一般社団法人ちはやあかさかくらすへの委託
府の一覧のリンクが、いくつも切れています。
2026年9月時点で、泉南市・高石市・池田市・河内長野市・寝屋川市・和泉市・大阪狭山市・八尾市の
リンク先が見つかりませんでした。セレクタでは、その市町村については
統合サイト「大阪版・空家バンク」と担当課の電話番号を出しています。
空き家バンクへの登録と、買取の検討は同時に進められます。窓口がない市の物件も、そのままご相談ください。
大阪の密集市街地は、もう9割が解消されている

「大阪は密集市街地だらけ」という話をよく聞きますが、数字はもう違います。
大阪府の密集市街地対策の進捗状況によると、平成24年当初に2,248haあった「地震時等に著しく危険な密集市街地」は、令和7年度末(2026年3月)時点で218haまで減りました。9割解消という目標を達成し、令和12年度末の全域解消をめざしています。
対象だったのは大阪市・堺市・豊中市・守口市・門真市・寝屋川市・東大阪市の7市11地区。このほかに「災害に強いすまいとまちづくり促進区域等」として12市21地区・約5,872haがあります。
解消の手段は、主に除却でした。府は老朽建築物除却のページで「密集市街地には、老朽化した木造賃貸住宅等が数多く残っています」と書き、各市に除却費補助を置いてきました。
- 堺市の老朽木造住宅除却事業は、新湊地区(堺区西湊町・出島町・東湊町など53.7ヘクタール)内に限るとされています
- 門真市の除却補助は、国道163号以北の北部地区のうち重点的に改善が必要とされた区域に限られます
- 寝屋川市は密集住宅地区内で、木造なら築16年以上・入居者なし・1年以上所有という条件を付けています
- 守口市は令和2年度に国の「地震時等に著しく危険な密集市街地」から外れました。市は延焼の危険性と避難の困難性が残るとして対策を続けていますが、国の指定を前提にした枠組みからは外れています
区域の線の外にも、同じ形の家が残っています。狭い道に面した戦前からの長屋、老朽化した木造賃貸。物件の状態は同じでも、番地が一本違えば補助の対象になりません。そこが、当社にご相談が来る場所です。
大阪の長屋は、どこに残っているのか?

まず、府全体の数字では説明がつきません。令和5年住宅・土地統計調査で、大阪府の居住世帯のある住宅に占める長屋建の割合は2.7%。全国の2.3%とほとんど変わりません。
偏りは市区の単位で出ます。
| 市区 | 長屋建の割合 |
|---|---|
| 松原市 | 8.2% |
| 大阪市 生野区 | 6.5% |
| 大阪市 西成区 | 5.8% |
| 大阪市 東住吉区 | 4.9% |
| 大阪市 港区 | 3.6% |
| 大阪市 東成区 | 3.4% |
| 大阪市 此花区・平野区 | 3.3% |
(令和5年住宅・土地統計調査 第7-3表/総務省統計局)
松原市の8.2%は、全国の市区町村のなかでも上位に入る水準です。一方で大阪市の北区は0.3%、西区は0.1%。同じ市の中で20倍以上違います。
長屋は、一棟だけでは壊せません。
1. 隣と壁や屋根を共有しているため、切り離しの工事に隣接する所有者の同意が要ります
2. 切り離した後、隣家の壁を補修する費用が発生します
3. 同意が取れなければ解体もできず、解体を前提にした補助も使えません
4. 前面の道が4m未満だと、切り離せても建て替えができないことがあります
仲介では「まず隣と話をつけてください」で止まります。当社は建物が建ったままお引き受けしていますので、切り離しを前提にせずご相談いただけます。
大阪市の中でも、区で答えが変わる
大阪市の空き家率は16.1%ですが、24区の差が大きく、市の平均ではほとんど説明になりません。
| 区 | 空き家率 | うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率 |
|---|---|---|
| 西成区 | 25.9% | 6.5% |
| 生野区 | 22.8% | 5.3% |
| 中央区 | 18.4% | 1.9% |
| 東住吉区 | 18.2% | 6.2% |
| 旭区 | 18.1% | 5.3% |
| 浪速区 | 17.9% | 2.6% |
| 大正区 | 17.7% | 6.3% |
| 此花区 | 16.9% | 7.7% |
| 西区 | 11.5% | 1.7% |
(令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計/総務省統計局)
左右の順番が入れ替わります。
中央区の空き家率18.4%は高い部類ですが、放置されやすい空き家の割合は1.9%しかありません。
一方で此花区は空き家率16.9%に対し7.7%。中央区の4倍です。
都心の空き家は募集中の賃貸の空室、周縁の空き家は持ち主が動けない家という分かれ方をしています。
長屋建の割合が高い生野区・西成区・東住吉区は、放置されやすい空き家の割合も5%を超えています。長屋が多い区で、持ち主が動けない家も多い。壁を共有していて一棟だけでは手が付けられない、という条件が重なるためです。
同じ大阪市内でも、区と町名まで見ないと答えが出ません。当社は地番からお調べします。
条件別に、この物件は手放せるか?
大阪府のご相談で多いのは、長屋・連棟の一棟、狭い道に面した木造住宅、そして相続で共有名義のまま止まっているものです。接道や区域の条件だけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。残置物が残っていても、そのまま伺います。
条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。
解体の補助は、どこで外れるのか?
大阪府には、府として市町村の空き家の解体補助を一覧にしたページがありません。制度は市町村ごとで、しかも密集市街地の区域を前提にしたものが中心です。
区域と関係のない制度も、条件は厳しめです。
- 市職員の不良度判定で100点以上であることが前提で、申し込みから結果まで1か月程度かかる
- 所有権以外の権利が設定されていないこと(抵当権が残っていると使えない)
- 所有権を持つ全員の同意が要る
- 2026年9月時点で受付終了。市は「国補助金の交付決定状況により令和8年度実施できない場合があります」とも書いています
外れる型は、だいたい次の4つに収まります。
- 区域の外にある。密集市街地の除却補助は指定区域内に限られます
- 判定で落ちる。不良度100点以上という基準は、まだ形が残っている家には届きません
- 権利が付いている。抵当権が残っている、共有者の同意が取れない
- 予算と時期。受付が終わっている、国の補助の決定待ちで年度内に実施できない
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
区域の外だった、判定で落ちた、隣の同意が取れない、抵当権が残っている——
そのどれでも、壊さずに手放す道があります。
府外に住んでいても進められるのか?
進められます。大阪まで出てきていただく必要も、現地に立ち会っていただく必要もありません。登記・接道・区域の調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。手順は事業内容をご覧ください。
大阪府の対応エリア
大阪府全域に対応しています。上のセレクタに、府内43市町村をすべて並べています。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。空き家バンクの窓口も除却補助の区域も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。
区分は、大阪府の推計人口が使っている大阪市・豊能・三島・北河内・中河内・南河内・泉北・泉南の8圏域に合わせています。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
大阪府に関係する記事
あわせて読まれているものを挙げます。
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 隣の建物と壁や屋根がつながっているか(長屋・連棟かどうか)
- 前面の道の幅と、敷地が道に接している長さ
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 市町村から適正管理の助言・指導の通知が届いていないか
大阪府のご相談は、「隣と続いていて手が付けられない」「区域の外だと言われた」という形で来ることが多くあります。そのどれも、お断りする理由にはしません。接道も区域も権利関係も、当社で調べます。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、共有者の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。
ほかの都道府県をお探しですか
大阪府以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。都道府県は日本地図から選べます。
お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町村の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
