
三重県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、29ある市町のどこにあるかで打てる手が変わります。県が公表した地域別の空き家率は、北勢の約13%に対し東紀州は約34%。
ここでは県と市の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、三重県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「空き家バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。三重県の物件について相談する
同じ県で、空き家率が13%と34%に分かれるのはなぜか?

人の残り方が地域ごとに違うからです。まず県全体の数字を見てください。
県全体の空き家率16.3%も全国の13.8%を上回りますが、効いているのは内訳のほうです。三重県住宅政策課の空き家の現状は、地域別にこう整理しています。
| 地域 | 空き家率 |
|---|---|
| 北勢 | 約13% |
| 中勢 | 約16% |
| 伊賀 | 約18% |
| 伊勢志摩 | 約22% |
| 東紀州 | 約34% |
東紀州とは、尾鷲市・熊野市・紀北町・御浜町・紀宝町の5市町です。
県の地域別推計人口では、尾鷲地域が25,908人、熊野地域が30,331人。
2つ合わせても6万人に届きません。三重県の人口168万人のうち、3%あまりがこの範囲に住んでいます。
空き家率34%というのは、3軒に1軒が空いているということです。
県は同じページで、賃貸にも売却にも出されていない空き家が約8.3万戸あり、空き家全体の約6割を占めること、そしてそのうち約8割が木造一戸建であることも示しています。
アパートの空室は次の入居者で埋まりますが、木造の持ち家は、誰かが決めない限り空いたまま残ります(地方の空き家が売れない3つの理由)。
物件のある市町を選んでください
ここから先は市町ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。
地図か一覧から市町村を選んでください。
一覧から選ぶ
空き家バンクは三重県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-10-19時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。
表示した制度は、その市町が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。
三重県の空き家バンクは、どこを見れば載っているのか?
県には一覧がありません。三重県が公開しているのは市町窓口一覧で、市町ごとの担当部署の名前と電話番号が並んでいるだけです。空き家バンクのURLは載っていません。
この一覧を読むと、三重県の事情がよく分かります。
- 1つの市町に窓口が複数ある。川越町は「空家全般」が防災安全課、「空き家バンク」が企画情報課、「補助事業」が産業建設課と3つに分かれています
- 津市も3課。空き地・空き家の相談は環境保全課、危険空家等は建築指導課、利活用は都市政策課です
- 委託されている町がある。南伊勢町の空き家バンク窓口は民間の合同会社が受けています
- 市の中で対象が分かれる。松阪市は建築開発課とは別に、中山間地域の空き家バンクを地域づくり連携課が持っています
つまり三重県では、自分の物件がどの課の話なのかを、所有者が先に判断しなければならない構造になっています。危険空家として指導される話と、空き家バンクに載せる話と、補助金の話が、別の窓口に置かれているからです。
窓口が分かれていることは、それ自体が「外れる型」を作ります。
利活用の課では「この状態では登録できません」と言われ、
補助の課では「この老朽度では対象外です」と言われ、
どちらにも当てはまらない物件だけが、どこにも行き場のないまま残ります。
各市町の空き家バンクは上のセレクタに直接リンクを入れました。空き家バンクへの登録と、買取の検討は同時に進められます。登録から動かなかった段階でのご相談も普通にいただきます。
三重県で建て替えできるかは、何で決まるのか?

どの都市計画区域に入っているかです。三重県はここが独特で、全国の常識がそのまま当てはまりません。
令和7年都市計画現況調査によると、三重県には都市計画区域が20あり、面積は202,965.4ha。うち市街化区域が24,145.9ha、市街化調整区域が67,500.4haです。ところが、区域区分(線引き)がされているのは20区域のうち5つだけです。
| 線引きがある区域 | 含まれる市町 |
|---|---|
| 四日市 | 四日市市・菰野町・朝日町・川越町 |
| 桑名 | 桑名市・いなべ市・木曽岬町・東員町 |
| 津 | 津市(区域内のみ) |
| 松阪 | 松阪市 |
| 鈴鹿 | 鈴鹿市 |
裏返すと、伊勢・伊賀・名張・志摩・尾鷲・熊野・鳥羽・多気・明和・南勢・紀伊長島・御浜・安濃・亀山・いなべの各区域には市街化調整区域がありません。伊勢市も伊賀市も名張市も、非線引き都市計画区域です。
「市街化調整区域だから売れない」という話は、三重県では北勢と中勢の一部でしか起きません。
県南部で建て替えが止まるのは、線引きではなく接道・農地・林地の側です。
そして大台町・度会町・大紀町・紀宝町の4町は、そもそも都市計画区域に入っていません。
同じ市の中で扱いが変わることがあります。
津市は、津都市計画区域では線引きの中ですが、安濃都市計画区域と亀山都市計画区域にまたがる部分は線引きされていません。
「津市だから」で判断できないということです。地番まで見ないと答えが出ません。
再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。共有持分だけ、未登記、残置物、相続登記の未了、山林や農地が一緒に付いてくる形も、そのまま伺います。
条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。
山林が付いてくる相談が多い理由
三重県の森林率は64%で、林野庁の都道府県別森林率・人工林率では全国30位。数字だけ見れば平均的です。ところが人工林率は62%で全国5位。森林372,230haのうち229,969haが植えられた林です。
この差が意味することは一つで、三重県の山は「持ち主が決まっている山」が多いということです。尾鷲や熊野の林業地は、誰かが植えて、誰かが引き継いでいます。だから相続のときに、家と一緒に山林が出てきます。
- 家を手放したいのに、同じ相続で山林が10筆付いてくる
- 境界が分からない。杭が無く、隣の所有者とも連絡が取れない
- 林道から離れていて、木を出す費用のほうが木の値段より高い
- 名義が祖父のまま。相続人が10人を超えている
山林だけを切り離して残すと、次の代でもう一度同じことが起きます。当社は宅地と山林をまとめてのご相談も伺っています。
東紀州の空き家は、和歌山県側とまとめて検討されている
三重県の空き家対策の取組には、あまり知られていない部会があります。
紀南・東紀州空き家対策会議。三重県空き家等対策連絡会議の地域部会で、東紀州地域の5市町と、和歌山県側の生活圏が重複する市町が一緒に空き家問題を検討しています。
県がわざわざこの部会を作ったのは、県境で生活圏が切れていないからです。紀宝町と新宮市は熊野川をはさんで隣り合い、買い物も通院も行き来しています。行政の線と、暮らしの線が一致していません。
県境の物件は、県単位の制度からいちばん外れやすい形です。
三重県の制度は三重県の市町にしか届かず、和歌山県の制度は和歌山県の市町にしか届きません。
買い手のほうは県境を越えて探しているのに、支援だけが県で切れます。
当社は取扱いの範囲を県で区切っていません。和歌山県側の事情も含めて調べたうえでお答えします。
三重県が県として出しているお金は、どこを通るのか?
所有者が県に直接申請できる補助はありません。三重県の支援は、すべて市町を経由します。
- 三重県空き家対策支援事業……市町が国の空き家対策総合支援事業を使って、所有者不明の老朽空き家の略式代執行を行う場合や、除却費を所有者に補助する場合に、県が市町へ一部補助します
- 空き家リフォーム支援事業……市町が移住者等に空き家の改修費を補助する場合に県が上乗せします。県外からの移住者にはさらに上乗せがあります
- 三重県木造住宅耐震補強等事業(木造住宅耐震除却工事補助事業)……耐震性の無い木造の空き家を除却する費用を市町が補助する場合に、県が一部補助します
- 空き家ネットワークみえ……宅地建物取引士・建築士・不動産鑑定士・司法書士・土地家屋調査士・建設業・税理士・行政書士の8団体で構成される相談の受け皿です。県内では津市と伊勢市がこのネットワークと協定を結んでいます
この形には、はっきりした帰結があります。
- 市町がその制度を作っていなければ、県のお金は届きません。県に申し込む窓口がそもそも存在しません
- 国の空き家対策総合支援事業に採択されることが前提の枠があります。市町が国に手を挙げていない年は動きません
- 協定を結んでいるのは29市町のうち2市。残りの市町では、ワンストップの相談先が別に必要になります
- 耐震除却の枠は「耐震性が無いこと」が要件です。診断で基準を満たしてしまった空き家は対象外になります
つまり県の制度は、所有者から見ると「市町の制度の裏側」にあります。自分が使えるかどうかは、県のページではなく市町のページを見ないと分かりません。上のセレクタに市町の制度を並べたのはそのためです。
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道があります。
県外に住んでいても進められるのか
進められます。三重まで出てきていただく必要も、現地に立ち会っていただく必要もありません。登記・区域・接道の調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。東紀州のように役所まで距離がある地域でも、所有者側の移動は要りません。手順は事業内容をご覧ください。
三重県の対応エリアはどこまで?
三重県全域に対応しています。上のセレクタに、県内29市町をすべて並べています。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。線引きの有無も補助の中身も市町ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。
地域の区分は、三重県が月別人口調査の地域別推計人口で使っている桑名・四日市・鈴鹿・津・松阪・伊勢・伊賀・尾鷲・熊野の9地域に合わせています。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町へご確認ください。
三重県に関係する記事
相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。
あわせて読まれているものを挙げます。
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 同じ相続で山林や農地が付いてきていないか
- 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間
三重県のご相談では、線引きの外にある土地と、家に山林が付いてくる形が続きます。どちらも「値段が付かないから」という理由でお断りすることはしません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。
ほかの都道府県をお探しですか
三重県以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。都道府県は日本地図から選べます。
隣り合う県では、次のページを公開しています。
お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町村の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
