奈良県の訳あり不動産|都市計画区域は2つ、11村は区域外

木陰で憩う奈良公園の鹿(イメージ)
写真はイメージです(木陰で憩う奈良公園の鹿をもとに作成したもので、実際の風景とは異なります)

奈良県の訳あり不動産は、県内39市町村のどこにあるかで話の組み立てが変わります。奈良県の都市計画区域は2つしかなく、どちらも線引き済み。12ある村のうち11村は、そもそも都市計画区域の外です。ここでは県と国の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。

結論から書くと、奈良県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。

すでに「買い手が見つからない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。奈良県の物件について相談する

持ち家が次の世帯に渡らなくなるとどうなるか?

奈良県の世帯数が止まり、持ち家の一戸建が残ることを示した図解
世帯数は5年で103世帯減。持ち家率73.2%

空き家が純増します。まず県全体の数字を見てください。

空き家数

9.4万戸

うち賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が5.0万戸

令和5年/令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)

人口

1,269,180人

全国27位。前回の29位から順位が上がったのは、ほかの県のほうが大きく減ったため

令和7年10月1日/令和7年国勢調査 人口速報集計(総務省統計局)

奈良県の空き家率14.6%は、全国13.8%をやや上回る程度です。目立つのはそこではありません。

世帯の数が、5年前とほぼ同じままでした。
令和7年国勢調査で、奈良県の世帯数は544,878世帯。前回から103世帯の減少です。増減率にすると0.0%。
隣の大阪府は4.2%、京都府は2.5%、滋賀県は3.4%それぞれ増えています。
通勤圏として世帯を受け入れてきた県が、受け入れをやめたという形です。

同時に、奈良県は持ち家率73.2%(全国60.9%)、一戸建67.5%(全国52.7%)。賃貸に出されて回転する住宅が少なく、持ち家の一戸建がそのまま残る県です。

この二つが重なると、「賃貸にも売却にも出されていない空き家」だけが増えます。奈良県のその区分の割合は7.7%で、全国5.9%を上回ります。アパートの空室は次の入居者で埋まりますが、持ち家の一戸建は、誰かが決めない限り空いたままです(地方の空き家が売れない3つの理由)。

物件のある市町村を選んでください

ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンク、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

奈良市大和高田市大和郡山市天理市橿原市桜井市五條市御所市生駒市香芝市葛城市宇陀市山添村平群町三郷町斑鳩町安堵町川西町三宅町田原本町曽爾村御杖村高取町明日香村上牧町王寺町広陵町河合町吉野町大淀町下市町黒滝村天川村野迫川村十津川村下北山村上北山村川上村東吉野村

濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。

地図か一覧から市町村を選んでください。

一覧から選ぶ
北和
中和
東和
南和

空き家バンクは奈良県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。

表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。

奈良県の都市計画区域は、たった2つしかない

奈良県の都市計画区域が2つだけで11村が区域外であることを示した図解
大和と吉野三町。どちらも線引き済み

令和7年都市計画現況調査によると、奈良県の都市計画区域は2つです。全国では997あり、隣の和歌山県は25、三重県は20。2は全国でも最も少ない部類にあたります。

都市計画区域含まれる市町村線引き
大和奈良・大和高田・大和郡山・天理・橿原・桜井・五條・御所・生駒・香芝・葛城・宇陀の12市と、平群・三郷・斑鳩・安堵・川西・三宅・田原本・高取・上牧・王寺・広陵・河合の12町、明日香村あり
吉野三町吉野町・大淀町・下市町あり

残る11村は、どこの都市計画区域にも入っていません。山添村・曽爾村・御杖村・黒滝村・天川村・野迫川村・十津川村・下北山村・上北山村・川上村・東吉野村です。奈良県の12村のうち、都市計画区域の中にあるのは明日香村ひとつだけということになります。

奈良県の土地は「線引きの中」か「区域の外」のどちらかです。
非線引き都市計画区域という中間の立場が、この県にはほとんどありません。
大和都市計画区域は市街化区域20,384.2ha・市街化調整区域84,589ha。
吉野三町は市街化区域918ha・市街化調整区域9,969ha。
どちらの区域も、面積の8割以上が市街化調整区域です。

そして、広い割に人が住んでいません。県全体で市街化調整区域の人口は約20万7千人。市街化区域の約106万人と比べると、およそ5分の1です。

「市街化調整区域だから買い手が付かない」と言われたときに確かめること。
奈良県の調整区域は、大阪から通える範囲にも広がっています。
同じ「調整区域」でも、生駒や香芝と、五條や宇陀では事情がまったく違います。
建て替えができるかどうかは、都市計画法34条の号のどれに当たるか、
そして市町村が条例で区域を指定しているかで決まります。地番まで見ないと答えが出ません。

再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。共有持分だけ、未登記、残置物、相続登記の未了、山林や農地が一緒に付いてくる形も、そのまま伺います。

条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。

奈良県の空き家バンクは、県ではなく1つのNPOが握っている

県には一覧がありません。奈良県の空き家対策のページは「現在、情報はありません」の状態で、移住のポータルにも市町村空き家バンクを横断できる一覧は置かれていません。

そのかわりに、特定非営利活動法人 空き家コンシェルジュ(桜井市)が、奈良市・大和郡山市・桜井市・御所市・五條市・宇陀市・山添村・葛城市・川西町・安堵町・三宅町・上牧町・広陵町・河合町・大淀町・下市町・黒滝村・下北山村・上北山村といった少なくとも18市町村の空き家バンクを、市町村から受託して運営しています。曽爾村は令和5年4月に一般社団法人SONI SUMMITへ運営が移りました。

自治体の名前で探しても、たどり着けないことがあります。
町の公式サイトに空き家バンクのページが無く、受託先のサイトや専用ドメインだけが存在する市町村がいくつもあります。
三宅町と安堵町は、町のサイトに「空き家バンク」という名前の制度ページがありません。
御所市は市のサイトに解説が無く、トップから外部サイトへのリンクだけです。
上のセレクタでは、実際に物件が載っているURLを直接張りました。

そして、調べたうえで空き家バンクが見当たらなかったのが6市町あります。大和高田市・橿原市・生駒市・香芝市・斑鳩町・広陵町。いずれも奈良盆地の、人口の多い市町です。

  • 空き家バンクが無い市町では、公的な出口が一つ少なくなります。通常の売却か、買い取る相手を探すかのどちらかになります
  • 空き家バンクがあっても、載せられるとは限りません。奈良市の空き家バンクは市東部の里山地域とならまちの町家に対象が限られ、大淀町は売却・賃貸を目的に建てられた建物を除いています
  • 載っても動かないことがあります。御所市の掲載24件のうち、受付中は1件。残りは契約済みです
  • 登録には利用登録や現地確認が要ります。明日香村の現地案内は毎月第2・第4週の月火のみで、事前予約制です

空き家バンクへの登録と、買取の検討は同時に進められます。空き家バンクが無い市町の物件も、そのままご相談ください。

明日香村には、全国でここだけの規制がかかっている

令和7年都市計画現況調査には、全国で1つしか例のない地区があります。第一種歴史的風土保存地区と第二種歴史的風土保存地区です。

  1. 第二種歴史的風土保存地区……2,278.4ha。明日香村の村域の大部分にあたります
  2. 第一種歴史的風土保存地区……4地区125.6ha。岡寺(7.5ha)・石舞台(5ha)・飛鳥宮跡(105.6ha)・高松塚(7.5ha)
  3. いずれも昭和55年12月27日の決定です

明日香村は、村全体が歴史的風土の保存地区として扱われています。建物を建てる、増改築する、宅地を造成する、木を切る——といった行為に知事の許可が要ります。

ここは「解体すれば売れる」が通じない場所です。
更地にしたところで、次に何を建てられるかが法律で細かく決まっています。
古都保存の区域は明日香村だけではありません。奈良市(平城宮跡・西ノ京・春日山)、天理市、橿原市、桜井市、斑鳩町にも
歴史的風土特別保存地区が合わせて10地区6,024haあります。
「昔からの家だから価値がある」のではなく、規制の中にあるから買主が限られるというのが実態です。

当社はこうした区域にある物件も伺っています。先に解体していただく必要はありません。むしろ、規制の中では解体しないほうがよい場合があります。

吉野の山は、なぜ宅地と一緒に出てくるのか?

奈良県の森林率は77%で全国6位、人工林率は61%で全国6位です(林野庁、令和4年3月31日現在)。森林283,701haのうち172,203haが人が植えた林にあたります。

人工林率が高いということは、山に持ち主がいるということです。吉野の山は、誰かが植えて、誰かが引き継いできました。だから相続のたびに、家と一緒に山林が出てきます。

  • 他人の山を借りて木を育てる形が残っています。土地は自分、立木は別の人という組み合わせです
  • 分収林契約が付いていると、契約の相手方と話がつくまで動かせません
  • 登記簿の面積と実際の面積が合わない。明治の地租改正のころの数字がそのまま残っている筆があります
  • 相続のたびに持分が割れ、1筆に対して名義人が数十人になっていることがあります
  • 木を出す道が無い。搬出費用のほうが木の値段より高くなります

山林だけを切り離して残すと、次の代でもう一度同じことが起きます。宅地と山林をまとめてのご相談も伺っています(分収林契約が付いた山林は売れる?)。

39市町村のうち19が過疎地域。何が変わるのか?

総務省の過疎対策によると、奈良県で過疎地域の指定を受けているのは19市町村です。県内39市町村のおよそ半分にあたります。

奈良県で目を引くのは、その内訳です。19すべてが「全部過疎」で、一部過疎もみなし過疎もありません。合併で一部だけが過疎になった市町村が無い、つまり過疎の区域と自治体の区域がぴったり重なっているということです。

所有者にとって効いてくるのは、自治体が国の財政支援を前提に制度を組めるという点です。改修費や取得費の補助は、過疎地域のほうが手厚くなります。

ただし、補助が手厚い市町村ほど売れる、ということにはなりません。
補助を積んでも、移り住む人の数がその分だけ増えるわけではありません。
そして補助は、再建築の可否も、名義の状態も、残った家財も解きません。
解けるのは、条件ごと引き受ける相手だけです。

解体の補助は、どこで止まるのか?

市町村の解体補助は、上のセレクタに分かっている範囲で載せました。金額も要件も市町村ごとに違いますが、止まり方には共通の型があります。

  • 抵当権が残っている。完済していても抹消登記をしていないと、要件を満たさない制度があります
  • 予算に達した。先着順の制度が多く、年度の早い時期に締め切られます
  • 判定で落ちる。「特定空家等」や「不良空家」と市町村が認定したものだけを対象にする制度では、まだ傷んでいない空き家は対象外です
  • 業者の指定に合わない。市町村内に本店・支店・営業所がある解体業者に限る、という条件が付くことがあります
  • 自己負担が出せない。上限50万円が使えても、解体費150万円なら100万円は自分で出すことになります

この5つのどれかに当たった時点で、制度の側からは何も出てきません。(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う)

壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道があります。

県外に住んでいても進められるのか

進められます。奈良まで出てきていただく必要も、現地に立ち会っていただく必要もありません。登記・区域・接道の調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。吉野郡のように役場まで距離がある地域でも、所有者側の移動は要りません。手順は事業内容をご覧ください。

奈良県の対応エリアはどこまで?

奈良県全域に対応しています。上のセレクタに、県内39市町村をすべて並べています。

絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。線引きの有無も補助の中身も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。市町村ごとの人口は、奈良県統計課の推計人口調査(令和8年8月1日現在)から取っています。県全体の数字は令和7年国勢調査によるため、基準日が違います。

セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

奈良県に関係する記事

相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。

あわせて読まれているものを挙げます。

ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
  3. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  4. 同じ相続で山林や農地が付いてきていないか
  5. 市町村から特定空家等や助言・指導の通知が来ていないか

奈良県のご相談では、線引きされた調整区域の話と、都市計画区域の外にある村の話が同時に出てきます。どちらも「値段が付かないから」という理由でお断りすることはしません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。

ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかはお伝えします。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。

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奈良県以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。都道府県は日本地図から選べます。

近畿とその周辺では、次のページを公開しています。

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