
広島県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、23ある市町のどこにあるかで打てる手が変わります。県はいま、市街化区域そのものを20年かけて縮める取組を進めています。
ここでは県と市町の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、島しょ部も斜面地も含めて広島県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「空き家バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。広島県の物件について相談する
同じ県で、空き家率が3倍近く違うのはなぜか?

平地の住宅地と、島・斜面地・中山間では、買い手の数がまったく違うからです。まず県全体の数字を見てください。
県全体では15.8%。ところが広島県統計課が公表している市町別の集計を並べると、平均の意味が薄れます。
| 市町 | 空き家率 | うち賃貸・売却用等を除く空き家率 |
|---|---|---|
| 江田島市 | 31.2% | 20.4% |
| 竹原市 | 31.1% | 19.7% |
| 北広島町 | 28.1% | 20.5% |
| 庄原市 | 28.0% | 20.0% |
| 呉市 | 24.7% | 16.1% |
| 三次市 | 23.2% | 14.4% |
| 府中市 | 22.2% | 12.6% |
| 安芸高田市 | 22.1% | 18.9% |
| 尾道市 | 21.9% | 15.2% |
| 三原市 | 21.8% | 12.3% |
| 福山市 | 15.1% | 7.0% |
| 東広島市 | 13.1% | 6.3% |
| 広島市 | 11.7% | 3.5% |
| 海田町 | 10.9% | 3.4% |
上位に並ぶのは、島(江田島市)、瀬戸内の港町(竹原市・呉市・尾道市)、中山間(北広島町・庄原市)です。
広島市の11.7%とは3倍近い開きがあります。
さらに「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」の割合を見ると、北広島町20.5%・江田島市20.4%・庄原市20.0%。
5軒に1軒が、売りにも貸しにも出されないまま残っているという水準です。
市町別が公表されているのは人口1万5千人以上の市町だけで、坂町・安芸太田町・大崎上島町・神石高原町の4町は非公表です。
純離島の町である大崎上島町の空き家率は、この統計からは分かりません。
もう一つ、見落とされやすい数字があります。総住宅数そのものが減っている市町が9つあります(江田島市は5年で8.0%減、安芸高田市7.5%減、世羅町6.1%減)。空き家が増える以前に、家が消えている段階に入っている地域があるということです。
そして県全体では、一戸建の空き家108,600戸のうち84.6%(91,900戸)が「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」です。県の空き家対策対応指針も「『使用目的のない空き家』の約8割は『一戸建て(木造)』が占めている」と書いています。
物件のある市町を選んでください
ここから先は市町ごとに事情が変わります。市街化区域があるかどうかで分けて並べました。空き家バンク、除却の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を地図で押してください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
濃い緑の市町村にはページがあります。小さな町村は、下の「一覧から選ぶ」からも選べます。
地図か一覧から市町村を選んでください。
一覧から選ぶ
空き家バンクは広島県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-11-05時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
地図は国土交通省「国土数値情報(行政区域データ)」を加工して作成しています。
人口は令和8年8月1日現在、世帯数は令和7年10月1日現在の県の推計人口によります(世帯数は年1回の調査です)。
空き家率は令和5年住宅・土地統計調査で、4町は公表されていないため表示していません。分からないものは推測で埋めていません。
市街化区域が、これから縮みます

広島県は、市街化区域の中にある土砂災害特別警戒区域を、市街化調整区域に編入しています。これを県は「逆線引き」と呼んでいます。
県の逆線引きの取組についてには、こう書かれています。
本県では、平成30年7月豪雨をはじめとする度重なる豪雨災害により甚大な被害が発生し、多くの人命・財産が失われました。そのため、災害リスクの高い区域における都市的土地利用を抑制するとともに、災害リスクの低い区域へ居住を誘導するなど、災害に強い都市構造の形成が喫緊の課題
進め方も具体的に示されています。
- 市街化区域を持つ県内13市町(大竹市・廿日市市・広島市・府中町・海田町・熊野町・坂町・呉市・東広島市・三原市・尾道市・福山市・府中市)と連携して進める
- 災害リスクの高い区域に居住する人がおおむねいない状態を50年後の姿とし、今後20年間で逆線引きを完了することを目標にする
- 令和6年度に1回目を実施した(市街化区域の縁辺部で、全部が低未利用地の箇所)
- 2回目は令和10年度末の完了を目標とし、令和7年度から各市町で現地調査に入っている
優先されるのは、市街化区域の縁辺部にあって開発の見込みが高い低未利用地(田・畑・平面駐車場など)です。
すでに宅地として使われている区域は、逆線引きされても住み続けられます。県もそう書いています。
問題になるのは、土砂災害特別警戒区域にかかった、いま使っていない土地のほうです。
市街化区域から市街化調整区域に移れば、そこに家を建てるハードルは上がります。
いま「市街化区域の土地」として持っている土地が、20年以内にそうでなくなる可能性があるということです。
これは売るか持つかの判断に直結します。
該当しそうな土地でも、そのままご相談いただけます。特別警戒区域にかかっているかどうか、市街化区域の縁辺部かどうかは、地番が分かれば当社で調べます。
土砂災害警戒区域が、全国でいちばん多い県
国土交通省の全国における土砂災害警戒区域等の指定状況(令和8年6月30日時点)によると、広島県の指定数は次のとおりです。
| 区分 | 広島県 | 全国 |
|---|---|---|
| 土砂災害警戒区域(イエロー) | 47,897区域(全国1位) | 721,014区域 |
| うち土砂災害特別警戒区域(レッド) | 45,079区域(全国1位) | 621,287区域 |
| 特別警戒区域の割合 | 94.1% | 86.2% |
2位は長崎県の41,481区域、3位は島根県の32,209区域です。
効いてくるのは順位より、94.1%という割合のほうです。
全国平均では、警戒区域のうち特別警戒区域になるのは86.2%。広島県はほぼ全部が特別警戒区域です。
まさ土の急傾斜地が多いことの結果ですが、実務では
「イエローだから大丈夫」が通用しない県ということになります。
特別警戒区域にかかると、建築に構造の制限がかかり、住宅ローンの審査にも影響します。
指定はいまも毎月進んでいます。県の砂防課は月ごとに告示を出しており、因島南・瀬戸田といった島しょ部も基礎調査の対象に入っています。つまり「いまは指定されていない」ことは、この先も指定されないという意味ではありません。
そして前の節のとおり、広島県ではこの特別警戒区域が逆線引きの対象になります。2つの制度が同じ土地に重なる県は、ほかにあまりありません。
島にあるほど、解体の補助は薄い

「島は費用がかかるから補助も手厚いはず」という見込みは、広島県では当たりません。
県の県内市町における空き家関係補助事業一覧(令和8年4月1日)と各市町のページを突き合わせると、こうなります。
| 市町 | 除却補助の上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| 世羅町(中山間) | 100万円(空き地バンク登録なら120万円) | 10分の8 |
| 廿日市市(市街化区域内・跡地活用困難) | 70万円 | 3分の1 |
| 尾道市 | 60万円 | 3分の2 |
| 広島市・福山市・三原市ほか | 50万円 | 3分の1〜5分の4 |
| 大崎上島町(純離島の町) | 30万円 | 10分の3 |
| 呉市 | 30万円(道が1.8メートル未満なら50万円) | 30% |
| 江田島市(一般の空き家) | 10万円 | 10分の1 |
- 島しょ部だけ除却補助の上限を上げている市町は、調べた範囲では見当たりませんでした
- 海上運搬費を補助対象と明記している制度も見つかりませんでした
- 呉市の「島しょ部10万円加算」は解体ではなく、移住希望者住宅取得支援事業の加算です。買う側の制度であって、手放す側の制度ではありません
- さらに呉市は解体業者を「市内に本支店・営業所等を有する者」に、江田島市は「市内事業者」に限っています。島では業者の選択肢が狭まり、相見積りが取りにくくなります
もう一つ、広島県で誤解されやすいのが離島振興法の対象です。県の広島県離島振興計画によると、指定されているのは7地域13島、面積65.17平方キロメートル(県全体の0.8%)、人口9,398人(同0.3%)にとどまります。
因島・生口島(瀬戸田)・向島・江田島・能美島・下蒲刈・蒲刈といった、よく知られた島は
離島振興法の対象に入っていません。橋がかかったことで指定が外れているためです。
「島だが、法律上の離島ではない」という状態で、離島向けの支援の枠外にあります。
いっぽうで、解体費も運搬費も、橋を渡るぶんはかかります。
島の物件も、現況のままご相談いただけます。現地へ渡っていただく必要はありません。解体を前提にしていないので、運搬費を先に見積もる必要もありません。
車が入らない家は、どう扱われるのか?
広島市・呉市・尾道市には、階段を上がった先にあって重機が入らない家が数多くあります。これが制度の条文にそのまま現れています。
呉市が実施した呉市空き家実態調査(平成28年10月・産業建設委員会行政報告資料)には、こう書かれています。
前面道路は、車幅が「1.8m未満」と「前面道路無し」を合わせると約半数、車庫は「無し」が85.0%
※空き家の要因の一つに、車が入らない又は置けないことが考えられます
市が調べた空き家4,872戸のうち、約半数が車幅1.8メートル未満か、そもそも前面道路が無いという結果です。
ここで面白いのは、隣の市と制度の向きが逆になっていることです。
| 市 | 制度の向き |
|---|---|
| 呉市 | 道が狭いほど手厚い。危険建物除却促進事業は上限30万円ですが、敷地までの道の最小幅員が1.8メートル未満、または道と敷地の接する長さが1.8メートル未満なら上限50万円に上がります |
| 広島市 | 道から離れていると対象外。老朽危険空家等除却補助事業は、建築物から道路までの最短距離が3メートル未満(3階建以上は6メートル未満)であることが条件です |
同じ「階段の上の空き家」でも、呉市なら補助が上乗せされ、広島市では枠から外れます。
広島市の要件は「通行人へ危険が及ぶ可能性が高いもの」を優先するという考え方で、制度としては筋が通っています。
ただし所有者から見れば、奥まっていて重機が入らない家こそ手放したい家であることが多いはずです。ここにずれがあります。
呉市にはもう一つ、崖の条件があります。高さ2メートルを超える崖の上にある敷地では、解体後に雨水が浸透して崖が崩れないよう、不浸透シートを敷き、側溝に排水する措置が必要とされています。壊した後にも工事が要る、ということです。
当社は、車が入らないこと、崖の上にあることを理由にお断りすることはしていません。
建物が建ったままお引き受けしているので、そもそも重機を入れる必要がありません。
解体も片付けも測量も、先に済ませていただく必要はありません。
所在地と地番をお知らせください(広島県の物件について相談する)。
解体費が出せないまま止まっている場合は、空き家の解体補助金は自治体で条件が違う、受付終了したらもあわせてご覧ください。
県が自分で空き家バンクを運営している。ただし穴があります
広島県は、県自身が広域の空き家バンクを持っています。ひろしま空き家バンク「みんと。」がそれで、県の住宅課が運営しています。市町の空き家バンクへのリンク集をつくるのではなく、県が場そのものを用意している形です。
ただし全市町が載っているわけではありません。
- みんと。に掲載がないのは6市町……呉市・江田島市・大竹市・府中町・海田町・熊野町
- そのうち呉市と江田島市は市の独自の空き家バンクを持っています(呉市空き家バンク/江田島市空き家バンク)
- 熊野町は、県の補助事業一覧でも「熊野町へ直接お問い合わせください」とだけ書かれています
尾道市は、逆に空き家バンクが4つあります。坂の町を対象にした尾道市空き家バンク(NPO法人尾道空き家再生プロジェクトと連携)、因島地区(NPO法人ハウジング・サポート・センターが運営)、御調地区、原田・木ノ庄東地区です。
尾道市の空き家バンクは、対象区域が細かく決められています。
坂の町の空き家バンクは、西土堂町・東土堂町・長江一丁目・長江二丁目・西久保町・東久保町・三軒家町が町全域、
そのほかは「車が入れない路地に面した区域」に限られます。
そして市は、登録を断る場合の例として
「市税等の滞納がある場合、空き家が土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内にある場合等」を挙げています。
向島と瀬戸田(生口島)は、どの空き家バンクの対象区域にも入っていません。
県の空き家活用推進チーム(旧・空き家専門家派遣制度)にも、同じ性格の線があります。相談できるのは県内の自治体単位、もしくは県内で活動する自治会などの地域団体単位とされており、個人の所有者が直接使える仕組みではありません。
制度の外に出た方の出口として、当社があります。
空き家バンクに載せられない、載せても動かない、専門家チームの対象にならない——
そういう状態でしたら、現況のまま引き受けられるかどうかを確かめるほうが早いことがあります。
条件によっては成立しないこともありますが、なぜ難しいのかはお伝えします。
なお県は広島県空き家対策推進協議会を平成26年6月に設立し、県と全市町、宅建協会・全日本不動産協会広島県本部で構成しています。県が所有者に直接お金を出す補助は見当たらず、金銭の補助は市町に委ねるという役割分担です。
この状態でも手放せるのか|条件別の答え
当社へのご相談で多いのは、次の形です。
| よくある形 | 広島県での見方 |
|---|---|
| 斜面地の、車が入らない家 | 呉市の調査で空き家の約半数が前面道路1.8メートル未満か道路無し。建物が建ったままなら重機は要りません |
| 土砂災害特別警戒区域にかかった土地 | 県内45,079区域と全国最多。市街化区域内なら逆線引きの対象になり得ます |
| 島の空き家 | 除却補助は本土より薄く、施工業者も市内限定の市があります |
| 相続した中山間の一戸建 | 一戸建の空き家の84.6%が売りにも貸しにも出ていません |
未登記、残置物、共有持分だけ、私道や境界が決まっていない、地主のいる土地——どれも、それだけを理由に取扱いの対象から外すことはしていません。分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。
なお市街化調整区域の50戸連たん制度(都市計画法34条11号)は、県条例の対象が府中市・大竹市・府中町・海田町・熊野町・坂町に限られ、実際に区域を指定して運用しているのは府中市・府中町・熊野町です。
呉市・廿日市市・東広島市は市が独自に指定しています。どの市町にあるかで、聞く先が変わります。
県外に住んでいても進められるのか
進められます。広島まで出てきていただく必要も、島へ渡っていただく必要もありません。特別警戒区域にかかっているか、逆線引きの対象になり得るか、接道はどうか、登記はどうか——この調査は当社で行い、売主様が先に調べる必要はありません。手順は事業内容をご覧ください。
広島県の対応エリアはどこまで?
広島県全域に対応しています。上のセレクタに、県内23市町をすべて並べています。広島県に村はありません。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。建て替えの可否も補助の中身も市町ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。市町名と14市9町という内訳は、県の広島県の市町で確認しています。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町へご確認ください。
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相続した空き家の手放し方など、全国で共通の話はコラム一覧にまとめています。
ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 前面道路に車が入るかどうか、崖の上や下かどうか(広島県では扱いが変わります)
当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、先に済ませていただく必要はありません。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。お引き受けできるかは物件ごとの個別の判断で、条件によっては成立しないこともあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。
ほかの都道府県をお探しですか
広島県以外の物件も、同じようにお受けしています。対応エリアは全国です。
西日本では、次のページを公開しています。
お探しの県のページがまだ無い場合も、お問い合わせから直接ご相談いただけます。
所在地と地番が分かれば、その市町の制度と区域区分を当社で調べてお答えします。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
