静岡県の訳あり不動産|伊豆は線引きがない土地です

静岡県の訳あり不動産は、再建築不可・別荘地・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、35ある市町のどこにあるかで打てる手が変わります。とくに伊豆半島は、県内のほかの地域と都市計画の枠組みそのものが違います。

結論から書くと、静岡県全域に対応しています。現況のままで結構です。まずは県全体の数字と、市町ごとの状況をご覧ください。

物件の所在地と地番が分かれば、その市町の運用を調べたうえでお答えします。お問い合わせはこちらからご連絡ください。

静岡県の人口と空き家は、いまどうなっていますか

35市町すべてで人口が減り、県全体では5年で4.5%減りました。一方で世帯数は増えています。空き家率は全国平均を大きく上回ります。

空き家率

16.7%

全国は13.8%

令和5年/総務省 令和5年住宅・土地統計調査

空き家数

29.6万戸

総住宅数177.4万戸のうち

令和5年/総務省 令和5年住宅・土地統計調査

人口

346.9万人

前回調査から4.5%減

令和7年10月1日/静岡県 令和7年国勢調査 静岡県の人口(速報値)

世帯数150万1036世帯(1.2%増)令和7年10月1日/静岡県 令和7年国勢調査 静岡県の人口(速報値)
人口の増減16万4357人減。35市町すべてで減少令和2年→令和7年/静岡県 令和7年国勢調査 静岡県の人口(速報値)
市町村数23市12町の35市町令和7年10月1日/静岡県 令和7年国勢調査 静岡県の人口(速報値)
総住宅数177万4千戸(5年で3.5%増)令和5年/総務省 令和5年住宅・土地統計調査
その他の空き家10万5千戸・総住宅数の5.9%令和5年/総務省 令和5年住宅・土地統計調査
一戸建の割合65.7%(全国は52.7%)令和5年/総務省 令和5年住宅・土地統計調査

注目していただきたいのは、空き家率は全国より高いのに、放置されやすい区分は全国と同じ水準だという点です。

静岡県全国
空き家率16.7%13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家の割合5.9%5.9%

静岡県の空き家率の高さを押し上げているのは、「その他の空き家」ではありません。
賃貸用・売却用の空き家と、別荘などの二次的住宅のほうです。
令和5年住宅・土地統計調査で、静岡県の空き家29万6千戸のうち、この区分を除いた空き家は10万5千戸。
残りの19万戸近くが、貸家・売家・別荘として数えられているということです。

これは伊豆半島と富士山麓に別荘地が広がっていることと無関係ではありません。別荘は「空き家」として数えられても、放置されているとは限らない一方で、使われないまま管理費だけがかかり続けている区画も含まれます。

人口の動きも見ておきます。令和7年国勢調査の速報によると、35市町すべてで人口が減りました。減少率が高いのは川根本町14.3%減、西伊豆町14.2%減、松崎町13.4%減です。

お住まいの市町を選んでください

市町ごとに、県が使っている地域区分、人口、空き家バンク、解体費の補助を表示します。

物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

東部
賀茂
中部
西部

上から市町村を選んでください。

空き家バンクは静岡県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

地域の区分は、静岡県が県内市町リンク集で用いている
西部・中部・東部・賀茂の4区分に合わせています。賀茂地域は伊豆半島の南部にあたります。

どちらも使えないときがあります。空き家バンクに載せても買い手が来ない、解体費の補助は条件から外れる——という場合に、当社は現況のままご相談を受けています。静岡県の物件について相談する

静岡県に県版の空き家バンクはありますか

ありません。令和7年3月31日付で廃止されました。

静岡県はふじのくに空き家バンク(県版空き家バンク)のページで、県版バンクの廃止を告知しています。全国版空き家バンク「アットホームふじのくに空き家バンク」への掲載は令和8年3月31日まで継続する、という案内でした。

いまは同じページが、市町ごとの空き家バンクへのリンク集として使われています。掲載されているのは35市町のうち28市町です。

市町
県の一覧に空き家バンクの掲載がない熱海市/伊東市/袋井市/裾野市/伊豆の国市/函南町/清水町

掲載が無いことと、バンクが無いことは同じではありません。
熱海市は市の空き家バンクのご案内で、
市が協定を結んだ静岡県宅地建物取引業協会の「空き家バンクしずおか」を案内しています。
一方、伊東市の空家対策等についてには
相談窓口・適正管理・対策計画・空家等管理活用支援法人の指定が並びますが、空き家バンクは見当たりません。

運営のしかたもばらばらです。沼津市・焼津市・藤枝市・吉田町はLIFULL HOME’Sの空き家バンク、下田市はアットホームの全国版、小山町は静岡県宅地建物取引業協会の「空き家バンクしずおか」、掛川市は「かけがわランド・バンク」という別の組織です。問い合わせ先も登録の手続きも同じではありません。

そして、バンクに登録できても売れるとは限りません。

  • 再建築不可……建て替えができない区画は、バンクに載っても買い手が付きにくくなります
  • 別荘地の管理費が続いている……買う側から見ると、買った瞬間から費用が発生します
  • 残置物が残ったまま……登録の前に片付けを求められることがあります
  • 共有持分だけ……そもそも登録の対象になりません

この型に当てはまるなら、バンクに登録して待つあいだも、そのままの状態でご相談いただけます。片付けも解体も先に済ませていただく必要はありません。

静岡県独自の空き家の制度はありますか

県が直接お金を出す解体補助はありません。ただし、県外にお住まいの所有者に向けた相談会は、静岡県らしい取り組みです。

静岡県空き家対策推進協議会が、令和8年度の空き家の無料相談会を開いています。司法書士・税理士・建築士・宅建士が答える形で、完全予約制です。

開催のしかた内容
県内会場焼津市・沼津市・伊東市・島田市/牧之原市・富士宮市・富士市・御前崎市・御殿場市・菊川市・湖西市・伊豆市・磐田市・袋井市/森町・清水町・函南町・下田市の16会場(令和8年9月〜12月)
横浜市令和8年11月7日。対象は静岡県外にお住まいで、静岡県内に空き家をお持ちの方
名古屋市令和8年12月5日。対象は同上
オンライン令和8年12月19日。県外在住の方のみ(受付終了)

静岡県は、空き家の所有者が県外に住んでいることを前提にした制度を持っています。
横浜と名古屋でわざわざ相談会を開く、というのはそういうことです。
首都圏や中京圏から相続した実家や別荘を抱えている方が多い、という現実に県が合わせています。

このほか、市町と共催の「我が家の終活セミナー」(沼津市・御前崎市・伊東市・静岡市・川根本町・伊豆市・御殿場市・森町・菊川市・島田市・焼津市・掛川市・湖西市・富士市・熱海市)や、住宅ストック活用促進研修会も行われています。

ただし、相談会で答えが出るのは「どうしたらよいか」までです。その場で物件を引き受けてもらえるわけではありません。相談して方向は分かったが、実際に動いてくれる相手が見つからないという段階のご相談を、当社は受けています。

解体費の補助は、どんなときに使えませんか

静岡県に県独自の解体補助はなく、市町ごとの制度です。条件から外れる型は、はっきりしています。

例として浜松市空き家解体補助金(浜松市空家等除却促進事業費補助金)を見ます。補助額は解体費用の3分の1で最大50万円です。

浜松市の要件でいちばん特徴的なのは、(公社)全日本不動産協会静岡県本部により取引(売却)不可能と判断される物件であることです。
事前相談の書類を受け付けたあと、市から協会へ判定が依頼されます。
「売れる」と判定されたら、補助の対象にならないという組み立てです。
(浜松市の空き家解体補助金の詳しい記事)

そのほか、次のいずれかに当たると外れます。

  • 昭和56年6月1日以降に建築された(または建築確認済だった)建物
  • 令和5年1月1日以降に相続・遺贈が発生した場合……令和4年12月31日以前であることが要件です
  • 抵当権等の所有権以外の権利が設定されている建物……住宅ローンの抵当権が残ったままだと外れます
  • 法人が所有している建物……所有者・共有者全員が自然人であることが要件です
  • 長屋・共同住宅……一戸建て住宅であることが要件です

さらに、事前相談は先着順で定員20名です。締め切られた場合でも、そこまでに使った費用は自己負担になると市が明記しています。

そして、補助が通っても自己負担は残ります。最大50万円の制度で解体費が180万円なら、130万円は自分で出すことになります。

補助の対象から外れた、判定で「売却可能」とされた、あるいは自己負担を用意できない——という場合は、壊さずに手放す道があります。所在地と地番だけお知らせください。現況のまま取り扱えるかを調べてお答えします

伊豆に市街化調整区域はありますか

ほとんどありません。伊豆半島の都市計画区域は区域区分(線引き)が定められていないからです。

静岡県の都市計画の3つの層を示した図解
同じ県内でも、かかっている枠組みが3通りあります

静岡県都市計画ガイドブック2025によると、静岡県の都市計画区域は次のように分かれています。

枠組み数主な市町
線引き都市計画区域(市街化区域と市街化調整区域がある)10区域・17市町静岡市/浜松市/沼津市/三島市/富士市/富士宮市/磐田市/焼津市/藤枝市/湖西市/御殿場市/裾野市/伊豆の国市/函南町/長泉町/清水町/小山町
非線引き都市計画区域(区域区分がない)11区域・15市町熱海市/伊東市/下田市/伊豆市/東伊豆町/河津町/南伊豆町/島田市/掛川市/菊川市/袋井市/御前崎市/牧之原市/吉田町/森町
都市計画区域の外3町松崎町/西伊豆町/川根本町

用語を1文で説明します。線引き=都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分けることです。分けていない区域を非線引き都市計画区域と呼びます。

伊豆半島の主要な市町は、すべて非線引きです。
つまり「市街化調整区域だから建て替えられない」という説明は当てはまりません。
代わりに見るのは、用途地域が定められているかと、接道の状況です。
理由が違えば、確かめる書類も打てる手も変わります。

そしてもうひとつ。松崎町・西伊豆町・川根本町には都市計画区域そのものがありません。この3町は、令和2年から令和7年の人口減少率が県内で最も大きい3町でもあります(川根本町14.3%減、西伊豆町14.2%減、松崎町13.4%減)。

静岡県の都市計画区域は県土面積の48.6%ですが、県人口の99.1%がその中に住んでいます(令和6年3月31日現在)。裏を返せば、都市計画のかかっていない土地には、ほとんど人が住んでいないということです。山林や原野、旧別荘地の区画がここに含まれます。

伊豆の別荘地は、何から確かめればよいですか

管理費と、水道・私道の扱いです。建物の傷み具合より先に、ここを見ます。

伊豆半島の別荘地は、昭和40年代から50年代にかけて分譲されたものが多く、道路も水道も分譲した会社や管理組合が持っていることがあります。市町の水道につながっておらず、管理会社の簡易水道を使っている区画も珍しくありません。

  • 管理費の額と、いつから滞納しているか……更地にしても止まらないのが通常です
  • 水道が公営か、管理会社のものか……管理会社のものだと、管理費を止めた時点で使えなくなることがあります
  • 前面道路が公道か、管理会社の私道か……私道だと、通行と掘削の承諾が別途要ります
  • 用途地域が定められているか……非線引きの区域では定めのない白地地域が広がります
  • 接道……分譲当時の図面と現況が合っていないことがあります

「更地にすれば管理費が止まる」と考えて解体すると、費用だけが出ていくことがあります。
管理会社が維持しているのは別荘地全体の道路や排水設備なので、建物の有無とは直接関係しません。
解体の前に、管理規約のどこに管理費の根拠が書いてあるかを確かめてください。

滞納があっても、管理会社との話が途中でも、そのままの状態でご相談いただけます。管理規約と請求書をお手元にご用意いただけると早く進みます(別荘地の管理費が払えない)。

条件別に見て、この物件は手放せますか

再建築不可・別荘地・共有持分・未登記・借地・山林のいずれであっても、それだけを理由に対象外とすることはありません。解体も測量も管理費の滞納の清算も、先に済ませていただく必要はありません。

別荘地についてはひとつだけ先にお伝えしておきます。使っていなくても管理費の請求は続きます。管理会社が行っているのは道路や排水設備といった別荘地全体の維持で、建物の有無とは直接関係しないためです。更地にしても止まりません(別荘地の管理費が払えない)。

条件ごとの見方は、分野別のページにまとめています。

手放すまでの流れはどうなりますか

4つの段階で進みます。売主様に先に費用をご負担いただく段階はありません。

買取までの4つの段階を示した図解
調べるのは当社です。片付けも解体も先にしていただきません

線引きの有無・用途地域・接道・登記・管理費の有無は当社で調べます。県外に住む所有者が抱えている形が多い県なので、現地にお越しいただく必要はありません。詳しい手順は事業内容をご覧ください。

いまの状態で取り扱えるかどうかだけでも構いません。静岡県の物件について相談する

静岡県の対応エリア(全35市町)

静岡県全域に対応しています。市町で対象を絞っていません。

理由は前の節のとおりです。線引きの有無も補助制度も市町単位で動くため、県内をいくつかに区切ってあらかじめ対象を決めても意味がありません。

区分市町
西部浜松市/磐田市/掛川市/袋井市/湖西市/御前崎市/菊川市/森町
中部静岡市/島田市/焼津市/藤枝市/牧之原市/吉田町/川根本町
東部沼津市/熱海市/三島市/富士宮市/富士市/裾野市/御殿場市/伊東市/伊豆市/伊豆の国市/函南町/清水町/長泉町/小山町
賀茂下田市/東伊豆町/河津町/南伊豆町/松崎町/西伊豆町

合わせて23市12町の35市町です。

この一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町での取扱実績を示すものではありません。
区分と市町名は静岡県の県内市町リンク集で確認しています。

ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
  3. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  4. 別荘地なら、管理費の額と滞納の有無、管理会社の名前
  5. 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間

当社は現況のまま取り扱っています。線引きの有無も建て替えの可否も、当社で調べます。再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。

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