山口県の訳あり不動産|19市町で違う条例と全域対応

山口県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、19ある市町のどこにあるかで打てる手が変わります。このページでは県が公開している資料をもとに、まず県全体の数字を示し、そこから市町ごとの違いへ降りていきます。

結論から書くと、山口県全域に対応しています。県で線を引かない理由も、あわせて説明します。

費用を先にご負担いただく必要はありません。所在地と地番が分かれば話を始められます(山口県の物件について相談する)。

山口県の空き家率はどれくらい高いのか?

全国でも上位です。令和5年住宅・土地統計調査で山口県の空き家率は19.4%(全国8位)、全国平均の13.8%を5ポイント以上上回っています。まず県全体の数字を並べます。

空き家率

19.4%(全国8位)

全国は13.8%。賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率は11.1%(全国7位、全国は5.9%)

令和5年/住宅・土地統計調査/山口県統計分析課

空き家数

140,700戸

令和5年/住宅・土地統計調査/山口県統計分析課

人口

1,247,917人

令和8年9月1日現在/山口県「山口県人口移動統計調査」

世帯数585,119世帯令和8年9月1日現在/山口県「山口県人口移動統計調査」
人口の増減前年同月比98.9%(世帯数は98.6%)令和8年8月分/山口県「山口県人口移動統計調査結果報告書」
市町村数13市6町(19市町。村はありません)2026年9月時点/山口県「市町の建築行政担当窓口の一覧」
山口県内の市別の空き家率を示した図解
同じ県内でも空き家率は大きく違う

もっと効いてくるのは、売りにも貸しにも出されていない空き家の比率です。「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」は山口県が11.1%で全国7位、全国平均は5.9%。つまり放置されやすい区分だけを見ると、全国のおよそ2倍の水準にあります。当社にご相談が多いのは、まさにこの区分の家です。

ただし、県の平均だけを見てもご自身の物件の事情は分かりません。同じ資料に付いている市別の数字(令和5年住宅・土地統計調査/山口県統計分析課の公表)を並べると、差がはっきり出ます。

市空き家率賃貸・売却用等を除く空き家率
柳井市26.6%18.9%
萩市24.6%18.4%
美祢市24.2%15.0%
長門市22.2%17.4%
防府市19.9%11.6%
宇部市19.8%8.6%
岩国市19.7%12.6%
下関市19.1%10.9%
山口市17.0%7.1%
周南市16.9%8.7%
山陽小野田市16.7%10.1%
下松市14.1%6.7%
光市13.1%8.2%

柳井市と下松市では、空き家率に12ポイント以上の開きがあります。
「山口県だからこう」という説明が成り立たない理由がここにあります。
動きが早い市もあります。防府市は「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」が平成30年からの5年で約45%増えました。

なぜここまで高いのか。人口だけでなく世帯数まで減っているからです。県の人口移動統計調査によると、令和8年8月時点で人口は前年同月比98.9%、世帯数も98.6%。全国では世帯の小規模化によって人口が減っても世帯数は増える県が多く、たとえば福岡県は総人口が減る一方で世帯数が増えています。世帯数が減るということは、住宅を必要とする単位そのものが減っているということで、空き家が使われないまま残りやすくなります。

この市別の資料は標本調査の結果で、公表されているのは13市分だけです。県は「本県の各町の結果は公表されていません(人口1.5万人以上の町が表章対象)」と注記しています。
周防大島町・和木町・上関町・田布施町・平生町・阿武町の数字は、この統計からは分かりません。

空き家が多いということは、似た条件の家がすでに何軒も残っているということでもあります。売り出しても動かない理由の一つがここにあります(地方の空き家が売れない3つの理由に詳しく書きました)。

市町を選んでください

ここから先は市町ごとに事情が変わります。物件のある市町を選ぶと、分かっていることを表示します。

物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。

岩国
柳井
周南
山口・防府
宇部・山陽小野田
下関
長門
萩

上から市町村を選んでください。

空き家バンクは山口県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。

人口は県が毎月公表している推計人口、空き家率は令和5年住宅・土地統計調査によります。時点と出典は上の表のとおりです。
6つの町は空き家率が公表されていないため、表示していません。分からないものは推測で埋めていません。

空き家バンクに載せても動かない、という結果になることがあります。バンクは買い手が自分で見つけて自分で判断する仕組みなので、再建築不可や残置物が残ったままの物件では反応が出にくくなります。その場合でも、現況のまま手放す道は残っています。壊さず、片付けず、測らずに相談できます(山口県の物件について相談する)。

山口県に空き家バンクはあるのか?

市町ごとにあります。県として統合したバンクは持っていません。県の役割は、市町のバンクへの入り口をまとめることです。

まとめているのは、県が運営する移住サイト「住んでみぃね!ぶちええ山口」の空き家バンクのページです。県はここで、市町のバンクを8つの地域に分けて並べています。

地域空き家バンクの掲載がある市町
岩国地域岩国市/和木町
柳井地域柳井市/周防大島町/上関町/田布施町/平生町
周南地域周南市/光市(下松市はリンク無し)
山口・防府地域山口市/防府市
宇部・山陽小野田地域宇部市/美祢市/山陽小野田市
下関地域下関市
長門地域長門市
萩地域萩市/阿武町

19市町のうち、リンクが張られているのは18市町。下松市だけが名前はあってもリンクが付いていません(2026年9月時点)。
前の節を思い出してください。下松市は県内13市で空き家率が最も低い市(14.1%)です。
空き家バンクは「放っておくと買い手が付かない」地域ほど必要になる仕組みなので、この2つは無関係ではないはずです。

リンク先は市町の公式ページとは限りません。たとえば周南市のリンク先は民間の「LIFULL HOME’S 空き家バンク」で、県のページ自体も国土交通省が構築・運営を支援した全国版空き家バンクを併せて案内しています。
バンクは「登録すれば売れる」仕組みではありません。登録して買い手を待つ道と、そのまま買取を検討する道は、どちらか一方しか選べないものではありません。並行して進めて構いません。

バンクに載せても動かない型があります

空き家バンクは買い手が自分で見つけて、自分で判断して買う仕組みです。そのため、次のような物件は載せても反応が出にくくなります。

  • 再建築不可……建て替えができないため、住宅ローンが付きにくい(再建築不可は住宅ローンが使えない)
  • 市街化調整区域……買った人が建て替えられるかどうか、その人自身で確かめる必要がある
  • 残置物が残ったまま……写真を撮る段階で止まってしまう
  • 共有名義・相続登記が未了……売買の当事者が決まらない

山口県は「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」が全国7位の県です。つまりすでに市場に出ていない家が多く、バンクに1軒足しても順番待ちが長いという状態にあります。こうした条件に当てはまる場合、登録して待つより先に、現況のままで引き受けられるかを確かめたほうが早いことがあります。当社は片付け・解体・測量を売主様にご負担いただくことなく、現況のまま取り扱っています。条件によっては成立しないこともありますが、なぜ難しいのかはお伝えします。

山口県独自の空き家の補助|所有者向けは見当たらない

所有者向けの県独自の制度は見当たりません。解体補助金も活用の補助も、市町ごとの制度になります。県が用意しているのは、主に「これから買う側・移り住む側」の入り口です。

県のしくみ中身誰向けか
住まいのコンシェルジュ住まい探しの相談、住宅の購入・売却・査定・買取、空き家バンク情報の提供。(公社)全日本不動産協会山口県本部内、平日9時30分〜16時30分県外から山口へUJIターンする方
空き家バンクの一覧市町のバンクへの入り口を8地域に分けて掲載主に買う側
やまぐち若者定住応援事業補助金住宅ローンの利子補給。返済利息の2分の1、最大12万円/年。本人または配偶者等が満29歳以下であることなどが要件住宅を取得する若者

(出典:山口県 やまぐち若者定住応援事業補助金について、および県の移住サイトの相談窓口一覧。いずれも2026年9月時点)

県が関わる団体としては、山口県ゆとりある住生活推進協議会(通称「ゆとり協」)があります。1991年に設立され、山口県を含む21の正会員で構成され、事業のひとつに空き家対策を挙げています。

「県の補助金」を探して時間を使うより、物件がある市町の制度を直接確かめるほうが早い、というのが山口県の実情です。
解体補助金は、制度があるかどうか、対象がどこまでか、受付がいつまでかが市町ごとに違います(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う、受付終了したら)。

補助が使えない、あるいは使っても足りない型

解体費の補助は全国的に上限50万円前後が中心です。解体費が150万円かかるなら、残りの100万円はご自身で出すことになります。そのうえ、次のどれかに当たると補助そのものが使えないことがあります。

  • 抵当権が残っている……「所有権以外の権利が設定されていないこと」を条件にしている自治体があります
  • 今年度の受付が終わっている……予算に達した時点で締め切る自治体があります
  • 市内・町内業者の指定に合わない……施工業者を地元に限っている自治体があります
  • 築年や老朽度の判定で落ちる……昭和56年5月31日以前の着工、不良度の点数などの条件があります

補助の対象から外れた、あるいは自己負担が出せないという場合は、壊さずに手放す道があります。
当社は解体を前提にしていません。建物が建ったままの現況で取り扱っており、解体費を売主様に先にご負担いただくことはありません。
条件によっては成立しないこともありますが、まず物件の所在地と地番をお知らせください(山口県の物件について相談する)。

解体費が出せないまま止まっている場合は、壊さずに手放す考え方のほうから当たる手もあります。

市街化調整区域は山口県のどこにあるのか?

県内のごく一部の市町だけです。山口県は線引き(市街化区域と市街化調整区域の区分)をしている区域が限られており、県の資料に名前が出てくるのは7市町にとどまります。

山口県で市街化調整区域に適用される条例の違いを示した図解
県の条例か、市の条例か

県の都市計画法及び県条例の改正についてには、こう書かれています。

県条例が適用される、市街化調整区域を有する市町(下松市、光市及び和木町)においては、条例で定める区域等(中略)から、災害リスクの高い区域が除外されます。

なお、下関市、防府市、岩国市及び周南市においては、各市の条例が適用されますので、各市開発許可担当課あてお問い合わせください。

つまり、下関市・防府市・岩国市・周南市については、県に聞いても答えが出ません。市の担当課に当たる必要があります。裏を返せば、それ以外の市町ではそもそも線引きの話が出てこないため、「市街化調整区域だから建てられない」という前提から入ると、話の筋がずれます。

もう一つ、山口県で知っておくべきことがあります。都市計画法34条11号は、条例で区域を定めれば市街化調整区域でも一定の建築を認められるという仕組みです(都市計画法34条11号とは)。ところが県の同じ資料には、こうあります。

県条例の11号区域が適用されるのは和木町だけで、その和木町についても
「現時点で、この要件を満たす区域等はありません。(令和4年3月末現在)」と書かれています。
11号区域を前提にした一般的な説明が、そのまま山口県に当てはまるとは限りません。
最新の状況は和木町に確認してほしい、というのが県の案内です。

12号のほうは下松市・光市・和木町に適用され、対象は「市街化調整区域の全域」とされています。ただし既存集落として要件を満たす区域が示されているのは下松市の6地区だけで、光市と和木町については「現時点で、要件を満たす既存集落はありません」と書かれています(いずれも令和4年3月末時点)。

また令和4年4月1日から、土砂災害警戒区域や想定浸水深3m以上の浸水想定区域といった「災害リスクの高い区域」は、条例区域から除外されました。以前は使えた根拠が、いまは使えなくなっている土地があるということです。山がちで海に面した市町が多い県なので、この除外に当たる土地は少なくありません。

確かめる順番は、どの市町でも同じです。

  • 都市計画の区域……市街化区域か、市街化調整区域か、線引きのない区域か、区域の外か
  • 建築基準法43条2項2号……再建築不可(未接道で建て替えができない状態)かどうかは、ここで決まります
  • 都市計画法34条の許可・既存宅地・分家住宅の属人性……市街化調整区域で建て替えができるかの分かれ目です(分家住宅は売れる?)
  • 建物の状態と築年数……現況のまま扱えるかを見ます

区域指定の内か外かで、同じ面積の土地でも扱いがまったく別になります(市街化調整区域の相場は何割?)。

建築の窓口も、条例の数も、市町でばらばらです

山口県は建築確認の受け方にも特徴があります。県は市町の建築行政担当窓口の一覧で、「建築確認申請の受付窓口は、山口県では各市町となっています」と説明しています(令和4年4月現在)。

同じ一覧で、建築基準法の特定行政庁(建築確認や違反是正を自分で行う自治体)とされているのは下関市・宇部市・山口市・萩市・防府市・岩国市・周南市の7市、限定特定行政庁が長門市・山陽小野田市の2市です。残りは、この区分が付いていません。

条例の数そのものにも差があります。県の市町別条例等(建築基準法等関係)の一覧(令和7年4月1日現在)に載っている本数を数えると、次のようになります。

市町一覧に載っている条例等の本数
下関市22
防府市/岩国市各15
山口市11
萩市/周南市各10
宇部市8
長門市/柳井市各7
下松市6
山陽小野田市5
光市4
美祢市/和木町各1

19市町のうち、この一覧に名前が出てくるのは14市町です。周防大島町・上関町・田布施町・平生町・阿武町は載っていません。県も「詳しくは、該当の市町の建築担当部局に問い合わせをしてください」としています。

前の節で「県独自の補助は見当たらない」と書いたのも、同じ理由によるものです。条例の本数からして22本の市と1本の町があるのですから、その上に県が一律の制度を重ねるのは、そもそも噛み合いません。空家等対策の推進に関する特別措置法も、計画をつくり実際に動くのは市町村だという組み立てになっています。

山口県の対応エリア(全19市町)

山口県全域に対応しています。市町で対象を絞っていません。上のセレクタに、県内19市町すべてを並べています。

理由は前の節のとおりです。制度も区域指定も市町単位で動くため、県内をいくつかに区切ってあらかじめ対象を決めても、意味がありません。所在地と地番が分かれば、その市町の運用を調べたうえでお答えできます。市町名は県の「市町の建築行政担当窓口の一覧」で確認しています。山口県に村はありません。

セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町での取扱実績を示すものではありません。

なお県は、都市計画区域ごとの方針を都市計画区域マスタープランとして、岩国・岩国南/柳井・平生・田布施・大島・東和/周南東・周南/防府・山口/宇部・山陽小野田・美祢/下関・下関北/長門/萩に分けて定めています。都市計画区域の区切りは市町の境界と同じではありません。

この状態でも手放せるのか?|条件別の答え

線引きのない市町が多い山口県では、「調整区域だから売れない」という説明がそのまま当てはまりません。

線引きのある市町は7つに限られ、34条11号の条例区域は和木町に適用があるだけで、該当区域はありません。ですので、まず線引きの有無から確かめます。建築確認の窓口は市町ごとで、条例の本数も22本から1本までと開きがあります。

未登記、残置物、共有持分だけ、私道や境界が決まっていない、地主のいる土地——どれも、それだけを理由に取扱いの対象から外すことはしていません。

分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。

買取の流れ|先に費用を負担しないで済む順番

測量も解体も片付けも、先にしていただく必要はありません。市町ごとの線引きと条例、接道、登記を当社が確かめたうえでお返事します。ここまでの調査で、売主様に費用をご負担いただくことはありません。5段階の進み方は事業内容にまとめています。

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ご相談の前に

  1. 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
  2. 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
  3. 名義(単独か共有か、相続の途中か)
  4. 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間

当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、売主様に先にご負担いただく必要はありません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。

再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。

ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。

税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。

山口県内の物件であれば、市町を問わずご相談いただけます(お問い合わせはこちら)。

会社概要

ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。

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