福島県の訳あり不動産は、再建築不可・市街化調整区域・共有持分・相続した空き家のいずれであっても、59ある市町村のどこにあるかで打てる手が変わります。福島県は解体費の補助に県が上乗せする珍しい県ですが、その仕組みに入っていない市町村もあります。ここでは県と市の公式資料をもとに、制度から外れた物件がどうなるのかまで書きます。
結論から書くと、福島県全域に対応しています。現況のまま、片付けも解体もしていただかない形でご相談いただけます。
すでに「バンクに出したが見に来ない」「補助の対象から外れた」という段階でしたら、物件の所在地と地番だけで話が始められます。福島県の物件について相談する
住宅は増えていないのに、空き家だけ増えたのはなぜか?

世帯そのものが減り始めたからです。まず県全体の数字を見てください。
総住宅数は86.2万戸で、5年前とほぼ同じ(増減0.0%)。新しく建った家はそれなりにあるはずですが、差し引きで増えていません。それでも空き家率は14.3%から15.2%へ上がりました。
福島県で目を引くのは、世帯数まで減っていることです。
令和7年国勢調査で福島県の世帯数は734,134世帯。前回から8,777世帯の減少(-1.2%)でした。
多くの県では、人口が減っても世帯数は増えます。1世帯あたりの人数が減るからです。
その世帯数までが減り始めたということは、空き家を引き継ぐ側の世帯が、県内に残っていないということを意味します。
「子どもが戻ってきたら住む」という前提が、統計の上では細くなっています。
人口は5年で121,215人減り、減少率は6.6%でした。売り出しても動かない理由の一つがここにあります(地方の空き家が売れない3つの理由)。
物件のある市町村を選んでください
ここから先は市町村ごとに事情が変わります。空き家バンクの有無、解体費の補助、当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
物件のある市町村を選んでください。空き家バンク・解体費の補助・当社の対応を、分かっている範囲で表示します。
上から市町村を選んでください。
空き家バンクは福島県の市町村空き家バンク一覧と各市町村の公式ページで確認しています(2026-09-25時点)。制度は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
表示した制度は、その市町村が決めた条件に合う物件のためのものです。条件に合わなかった場合や、合っていても費用を先に出せない場合に道が無くなるわけではありません。現況のまま買い取る側に回るのが当社です。
県が解体費に上乗せしている。どこまで届いているのか?
福島県空き家対策総合支援事業という仕組みがあります。市町村が行う空き家のリフォームや解体の補助に、県が上乗せして支援するものです。県の建築指導課のページには、こう書かれています。
補助制度の内容や要件は市町村ごとに異なります。/市町村の補助制度に申請すれば、県が連携して支援します。/県への申請は市町村が行うため、県への申請は不要です
県は市町村ごとの補助事業を中通り・会津・浜通りの3枚の一覧にまとめて公開しています(令和8年7月時点)。掲載されているのは59市町村のうち45市町村です。
| 方部 | 一覧に名前がある市町村の数 |
|---|---|
| 県北 | 8(福島市・二本松市・伊達市・本宮市・桑折町・国見町・川俣町・大玉村) |
| 県中 | 8(須賀川市・鏡石町・石川町・玉川村・浅川町・古殿町・三春町・小野町) |
| 県南 | 7(白河市・西郷村・泉崎村・棚倉町・矢祭町・塙町・鮫川村) |
| 会津 | 13(会津若松市・喜多方市ほか) |
| 南会津 | 3(下郷町・只見町・南会津町) |
| 相双 | 5(相馬市・南相馬市・楢葉町・浪江町・新地町) |
| いわき | 1(いわき市) |
県内最大の都市である郡山市は、この一覧に名前がありません。
田村市・天栄村・矢吹町・中島村・平田村なども載っていません。
「県がやっているから、うちの市でも使えるはず」とは限らないということです。
県が上乗せする先は、あくまで市町村が自分で制度を作った場合に限られます。
さらに、一覧に名前があってもメニューが「改修」だけの市町村があります。相馬市・南相馬市・大玉村・伊達市・桑折町・西会津町・南会津町などは、改修の欄だけが埋まっています。手放したい人が必要としている解体の補助は、そこにはありません。
補助が使えても、足りないことのほうが多い
実際の金額を見てみます。県内で2番目に人口の多い会津若松市の空家等解体撤去支援事業補助金です。
| 内容 | |
|---|---|
| 補助の額 | 対象工事経費の5分の1以内(限度額30万円)。加算要件に当たれば最大20万円加算 |
| 受付 | 令和8年4月13日から随時。ただし令和8年度は予算額に達したため受付終了(2026年9月時点) |
| 対象外の費用 | 家屋の一部のみの解体費、塀や樹木などの付属物の撤去費用、家財の処分費 |
| 注意 | 交付決定前に着手した工事は対象外 |
5分の1です。解体費が150万円かかる木造住宅なら、補助は30万円が上限で、残る120万円は自分で出すことになります。そこに家財の処分費が別途乗ります(残置物の処分費用はいくら?)。
しかも、年度の途中で終わります。「秋に決心して調べたら、もう受付が終わっていた」という順番になりがちです。
外れる型は、だいたい決まっている
全国共通で多いのは次のようなものです(空き家の解体補助金は自治体で条件が違う、空き家の解体補助金が受付終了したら)。
- 予算が終わっている……会津若松市の令和8年度分がこれにあたります
- 抵当権などが残っている……権利が設定されたままの建物を対象外にしている要綱が多くあります
- 相続人や共有者の合意が取れていない……全員の同意を求められます
- 市町村税を滞納している
- 交付決定前に工事を始めてしまった……あとから遡って申請することはできません
- 補助率が低い……2分の1ではなく5分の1という市もあります
- 家財の処分費が対象外……解体費より処分費のほうが高くつくこともあります
壊してから売る、という順番が唯一の道ではありません。
当社は建物が建ったままお引き受けしています。解体も片付けも測量も、売主様に先にご負担いただくことはありません。
補助の受付が終わっていた、補助を使っても自己負担が出せない——そういう段階からのご相談を承っています。
会津と浜通りで、事情はどこまで違うのか

冬の条件がまったく違います。国土交通省の豪雪地帯の地域指定を見ると、福島県で豪雪地帯に指定されているのは59市町村のうち20。そのうち特別豪雪地帯は14です。
| 区分 | 市町村 |
|---|---|
| 特別豪雪地帯(全域) | 下郷町/檜枝岐村/只見町/北塩原村/西会津町/磐梯町/猪苗代町/柳津町/三島町/金山町/昭和村 |
| 特別豪雪地帯(一部の地域) | 喜多方市/南会津町/会津美里町 |
並んだ名前を見ていただくと分かるとおり、ほぼすべてが会津と南会津です。いわき市と相双地域には、豪雪地帯の指定が1つもありません。
つまり福島県では、こうなります。
- 会津・南会津……屋根の雪下ろしが毎年必要。冬は現地確認も解体工事も止まります。管理の手間と費用が空き家の負担の中心になります
- 中通り……福島市・郡山市は一部の旧町村域だけが豪雪地帯。市街地では雪の負担はそこまで大きくありません
- 浜通り……豪雪地帯の指定なし。負担の中心は雪ではなく、人の減り方と土地の需要です
人口の動きも地域で分かれています。令和7年国勢調査では、避難指示が出ていた町村のうち、双葉町(211人)・葛尾村(419人)・大熊町(1,534人)のように極端に人数が少ない一方で、令和2年と比べると大熊町は81.1%増、富岡町は35.8%増、浪江町は33.8%増と、戻り始めている町もあります。数字の意味が地域ごとにまったく違うため、「福島県だからこう」という一般化は当てはまりません。
災害で被害を受けた家屋については、市町村が所有者に代わって解体する公費解体という別の枠組みが設けられることがあります。通常の補助金とは仕組みが違い、相続が済んでいないと手続きが止まる点が共通の壁になります(公費解体は相続が壁になる)。
福島県が用意している相談先は?
解体費の上乗せのほかに、県は相談の入口も持っています。
- 空き家の相談窓口……宅地建物取引業協会、全日本不動産協会県本部、不動産鑑定士協会、建築士事務所協会、建築士会などの相談先を県が一覧にまとめています。各調査・診断や専門家への相談は一部有料です
- 福島県空家等対策連絡調整会議……県と関係団体が空き家対策を調整する場です
- ふくしま住まいコンシェルジュ……移住・二拠点希望者向けの住まいの相談窓口です
- ふくしま住まい人……県の補助を使って空き家を活用した方を紹介する取り組みです
- 空き家バンク……県の移住ポータル「ふくしまぐらし」に市町村のバンクが集約されています。ただし県自身が「すべての市町村に空き家バンク制度があるわけではありません」と注意書きを添えています
相談窓口は、相談に乗ってはくれますが、物件を引き取ってはくれません。
「まず片付けましょう」「値段を下げましょう」と助言を受けても、買う人が現れなければ名義は自分のまま残ります。
専門家への相談は有料になる場合があると、県自身が明記しています。
相談はしたが結局どこも買わなかった、という状態からのご相談も承っています。
建て替えできるかどうかは、何で決まるのか?
敷地が何の区域に入っているかと、前面の道路がどう扱われているかで決まります。築年数ではありません。
福島県には、会津や南会津のようにそもそも都市計画がかかっていない土地があり、その場合は市街化調整区域の許可という話が出てきません。代わりに効いてくるのが接道と地目です。再建築不可や市街化調整区域であることだけを理由に、査定や取扱いの対象外とすることはありません。共有持分だけ、未登記、残置物、相続登記の未了——いずれの段階でも伺います。
分野ごとの詳しい扱いは、次のページにあります。
県外に住んでいても進められるのか
進められます。福島や郡山まで出てきていただく必要も、現地に立ち会っていただく必要もありません。登記・区域・接道の調査は当社で行い、費用を先にご負担いただくことはありません。手順は事業内容をご覧ください。
福島県の対応エリアはどこまで?
福島県全域に対応しています。会津の山あいだから、浜通りだからという理由で断ることはしていません。上のセレクタに、県内59市町村をすべて並べています。
絞らない理由は単純で、絞っても当たらないからです。建て替えの可否も補助の中身も市町村ごとに決まっているので、「この地域なら大丈夫」という線の引き方が成り立ちません。市町村名と地域の区分は、県の市役所・町村役場一覧で使われている7つの地域(県北・県中・県南・会津・南会津・相双・いわき)に合わせています。
セレクタの一覧は対応している範囲を示したもので、それぞれの市町村での取扱実績を示すものではありません。
制度の内容は変わります。申し込む前に各市町村へご確認ください。
関連するコラム
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ご相談の前に
- 固定資産税の課税明細(所在地と地番、評価額が分かります。これ1枚がいちばん効きます)
- 建物があるかどうかと、ある場合はおおよその築年数
- 名義(単独か共有か、相続の途中か)
- 過去に売りに出したことがあれば、そのときの価格と期間
当社は現況のまま取り扱っています。片付け・解体・測量を、売主様に先にご負担いただく必要はありません。都市計画の区域も建て替えの可否も、当社で調べます。
ただし、すべてをお引き受けできるわけではありません。ご希望の金額と開きがある場合、費用のご負担にご同意いただけない場合、相続人の間で合意ができていない場合などは、成立しないことがあります。その場合も、なぜ難しいのかと、ほかにどんな道があるのかはお伝えします。
税務や登記の扱いについては、最終的に税理士・司法書士へご確認ください。当社で分かる範囲はお答えしますが、個別の判断は専門家のものです。
会社概要
ごえん株式会社(ゴエンカブシキガイシャ)。茨城県土浦市文京町4-8。宅地建物取引業免許 茨城県知事免許(4)第0006708号。訳あり不動産の買取・再販を専門に、全国で対応しています。
